中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

フェリス女学院中学校

2015年07月掲載

フェリス女学院中学校【国語】

2015年 フェリス女学院中学校入試問題より

あなたがこれまで学校で学んだ教科の中から二つ以上をあげ、それらをゆう合させるとどのようなことが学べると思うかを百八十字以内で自由に書きなさい。

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、このフェリス女学院中学校の国語の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、出題意図についてのインタビューを見てみましょう。

解答と解説

日能研による解答と解説

解答例

私は、理科と社会と家庭科をゆう合させて学びたい。家庭科で調理の方法について学ぶ際、現象の原因を考える理科の考え方を使って、食材の切り方や温度調節などの理由を学ぶと、より理解が深まると思う。さらに、社会で学ぶさまざまな土地の気候や文化と結び付けて、郷土料理と調理法、その理由を学ぶと、一つの土地のことを多面的に学ぶことができると思う。

解説

筆者は、学問を「専門」や「教科目」によって切り分けることに疑問を抱いており、制限のない学びのうえにこそ「ゆう大な人間」が形成されていくと考えています。文章の中に書かれていた筆者の意見をふまえたうえで意見を構築していきましょう。

学問における「専門」や「教科目」に目を向けたときにも、それぞれ学べることがあるでしょう。しかし、「専門」や「教科目」の特性だけを抽出して表現してしまうと、学びによって得られることの広がりが感じられません。もう一歩踏み込んで、「専門」や「教科目」のそれぞれの特性どうしがゆう合すると、どのような広がりが生まれていくのかという点についても視野を広げて考えてみましょう。科目どうしのゆう合における相乗効果がどのようなことをもたらすのか。それらを考え、答えをまとめていきましょう。

設問にある「学校で学んだ教科の中から二つ以上をあげ」との条件に目を向けることができたかどうかという点も、ふり返っておきたいところです。

日能研がこの問題を選んだ理由

この問題では、今まで学校で学んできた「科目」の持つ特性をふまえ、その「特性」を複数組み合わせることによって、「学び」にどのような広がりをもたらすことができるのかを考え、記述していきます。
今まで学校で学んできた「科目」とは、「国語」「算数」「社会」「理科」「家庭科」「体育」などを例として挙げることができます。これらの科目によって、学べることは、世間一般に共通することがらかもしれません。しかし、これらの科目のうちの二つ、たとえば「国語」と「理科」をゆう合してみるとします。すると、「国語」「理科」という枠を超えた学びがなされていきます。「国語」で学べることと「理科」で学べることの相乗効果によって、思いもよらない発見が生まれるかもしれません。
異なる「特性」を持つものを複数組み合わせて、新しい可能性を見出す力は、これから先もずっと使い続けることのできる力です。そんな入試だけにとどまらない、今後生きていくうえでも大切な力が試されているという点に魅力を感じました。

このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。