中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

茗溪学園中学校

2015年01月掲載

茗溪学園中学校【国語】

2014年 茗溪学園中学校入試問題より

次の文章を読んで、あとの問に答えなさい。

日本語では、下の(X)のような、なんとなく、なりゆきでそうなったかのような言い方が好まれるのに対して、英語では(Y)のように、誰が、何をするのかをはっきりと表します。

(X)今度、結婚することになりました。
(Y)We are getting married.(私たち結婚します。)

英語は「~する言語」で、日本語は「~なる言語」と言われています。
このような日本語をそのまま英語に訳して話すと、誰が何をしたのかがわからない、無責任な表現になってしまうことが多々あるようです。
そのため、ビジネスや政治における日米コミュニケーション摩擦の原因として、よく日本側は責任者がだれなのかわからない、ということが指摘されます。
これは実際に責任者がはっきりしない部分もあるのかもしれませんが、言語的な問題も当然あると思われます。

白井恭弘『ことばの力学』〈岩波新書〉より(文章は問題作成のため一部改変してあります。)

(問)次の文は(Y)型の文です。この文を(X)型の文に直しなさい。

私が教室のガラスを割りました。

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この茗溪学園中学校の国語の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、出題意図についてのインタビューを見てみましょう。

解答と解説

日能研による解答と解説

解答例

教室のガラスが割れました。

解説

文章の中に「動作主を表面に出さない日本語の表現方法」とあります。また別の部分には「英語は『~する言語』で、日本語は『~なる言語』」と書かれています。これらの内容や、花柄のカードに書かれている二つの文を参考に、「ガラスを割った」動作主が不明確な文に直しましょう。

日能研がこの問題を選んだ理由

文章の中でも触れられているように、日本語は時に「あいまいな言語」と評されることがあります。この問題は、文章の中で述べられている、動作主が明確である英語型の文(私が教室のガラスを割りました。)を、動作主が不明確である日本語型の文に書き換える問題です。この問題に取り組む中で受験生は、文章の中で述べられているような日本語の特徴を、英語型の文からの「書き換え」という具体的な作業を通して実感することができるのではないかと考えました。また、今後ますますグローバル化していくと考えられる世の中で、異文化コミュニケーションを図る際に、どのようなことを考慮するべきかを考えるきっかけにもなり、受験生自身の今後につながっていく問題だととらえさせていただきました。

このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。