出題校にインタビュー!
茗溪学園中学校
2015年01月掲載
茗溪学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
1.帰国子女はクラスに1割程度。33カ国から帰国し、茗溪の文化を形成している。
インタビュー1/3
変わった問題を出したかった
この問題の出題意図からお話いただけますか。
神戸先生 茗溪学園の説明文はオーソドックスな問題が多いと思います。それだけではなくて、プラス1問、少し変わった問題を出したいと思い、最後に考えた問題がこの問題でした。文章中から読み取ったり、文章中の言葉を使って答えたりするような問題が多い中、文章を理解して、自分なりにかみ砕いて、それをアウトプットにつなげるような問題にしたいと思いました。ちょうどこのようなX、Yの例文がありましたので、これを使うことにしました。
素材文はどのような意図を持って選びましたか。
神戸先生 言語学をテーマにした文章を採用することが少なかったので、こちらを選びました。数年前でしたら、英語が入っている文章は避けていたと思います。子どもたちが「英語=難しい」という先入観をもって読んでしまうと、それだけで解答率が低くなるのではないかという懸念があったからです。近年、小学校でも英語が導入されたので、思い切って出題しました。
国語科/神戸桜子先生
5割以上ができていた
神戸先生 小学生には難しい文章かもしれないと思って出題しましたが、わりと正答率が高かったので、理解してくれたのかなと思っています。
出来はよかったですか。
神戸先生 はい。5割以上ができていました。
誤答で印象に残っているものはありますか。
神戸先生 正答に近い答えはありません。できているかできていないかでした。
素材文を選ぶ時に心がけていることはありますか。
重光先生 基本的に作問者に任せています。そのうえで、教科全体で小学校6年生がきちんと読める文章かどうかを議論します。また文章量が多いので、小説と説明的文章のバランスを見て、順番を変えるなどの工夫をしています。
入試では自分で考えて、自分の言葉で書くことを重視
この問題を作るために、この部分(素材文)を抜粋したのですか。
神戸先生 そうではありません。小学生が理解できるところを切り取りたいと思いましたので、英語は入っているけれども、なるべく読みやすいところを選びました。言語学ですと、どうしても専門用語が増えてしまいますので、それが少ない箇所を選びました。
国語の入試問題全体のコンセプトがあれば教えてください。
重光先生 自分で考えて、自分の言葉で書くことを重視していますので、論述問題が必ず入ってきます。子ども達は棒線が引かれていると、その直前や直後しか見ないので、木を見て森を見ずということが起こります。ですから全体を把握していなければ解けないような問題を、できるだけ入れるようにしています。
茗溪学園中学校
帰国子女入試では日本語の程度を判断するような問題も出題
漢字の読み書きもたくさん出ていますよね。
神戸先生 読み8問、書き8問ですね。帰国子女も受験しますので、そこで何点か取れたという達成感を得られるように毎年必ず出題しています。
できはいかがですか。
重光先生 読みはできるのですが、書きでミスをすることが多いですね。
推薦入試、帰国生入試、一般入試…といろいろな入試があり、それぞれ問題も作らなければなりませんが、心がけていることはありますか。
重光先生 現地の日本人学校で育った子や、インターナショナルスクールの子が受験する帰国生入試では、若干やさしい問題を出題したり、「日本語でエッセイを書きなさい」といった問題を出したりしています。なぜなら、日本語にアドバンテージがあるかどうかを見極めたいからです。アドバンテージがある子に対しては、入学後に抜き出し授業を行います。
その問題も国語の先生方が作るのですよね。国語科には先生が何名くらいいらっしゃるのですか。
重光先生 専任は12名です。本校は専任率が高いので、チームに分けて入試問題を作成しています。
帰国子女はどのくらいいるのですか。
佐藤先生 クラスに1割程度です。33カ国から帰国しています。
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