シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

森村学園中等部

2026年10月掲載

森村学園中等部【理科】

2026年 森村学園中等部入試問題より

(問)下の図のようなハンガーを物干しざおにつるすと傾いてしまいました。次の(ア)~(カ)のうち、つるしても傾かないハンガーはどれですか。あてはまるものを2つ選び、記号で答えなさい。

図

選択肢(ア)~(カ)

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この森村学園中等部の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)

解答と解説

日能研による解答と解説

解答

(イ)、(オ)

解説

棒などをある1点で支えたときに、つり合う点のことを重心といいます。太さが一様な棒であれば重心は棒の中央にあり、棒の中央を支えると、棒は傾かずに水平になります。

(ア)~(カ)の6種類のハンガーを、上側の「フック状の部分」と下側の「服をかける部分」に分けてとらえます。「フック状の部分」では、いちばん上の点(下図の赤色の点)が物干しざおに触れる部分となり、ハンガー全体を支える部分になります。「服をかける部分」の形に着目すると、どのハンガーも左右対称になっています。左右対称な物体では、太さが一様な棒と同じように、左右の端から同じきょりの部分(下図の青色の点線)に重心があることになります。

(ア)~(カ)の中で傾かないものを2つ選ぶことと下図から、傾かないと考えられるハンガーは、赤色の点が青色の点線上にある、(イ)と(オ)になります。

解説図(ア)~(カ)

日能研がこの問題を選んだ理由

上着やシャツなどをかけるときに使うハンガー。わたしたちが普段の生活の中で何気なく使っている道具の1つですね。ハンガーの形や材質にはちがいがありますが、多くのハンガーは服をかけていない状態では傾かないようになっています。

この問題では、いろいろな形のハンガーの中で「傾かないハンガーはどれか」を考えます。子どもたちは、それぞれのハンガーで、全体の重さがかかるのはどの部分だろうか、形の対称性はどうなっているだろうか……など、てこのつり合いや重心に関する考え方を使いながら、ハンガーの図を比べ、傾くかどうかを調べていくでしょう。

この問題に取り組むことで、普段の生活の中で何気なく使っている道具でも、「そのような形になっていることには理由がある」という気づきが生まれることでしょう。このような気づきが、身の回りのさまざまな物や現象についても、そのようになっている理由や現象が起こるしくみに疑問を持ち、調べたり、考えたりするという、理科的なものの見方や考え方を持つことにつながるのではないでしょうか。

これらの理由から、日能研ではこの問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにしました。