今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
芝浦工業大学柏中学校
2026年8月掲載

2026年 芝浦工業大学柏中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
次の文章を読み、以下の問いに答えなさい。
数千万年、あるいは数億年も前に誕生し、その姿をほとんどかえることなく現在まで生き延びている生物を「生きた化石」または「生きている化石」と呼びます。 (中略)
オウムガイもまた「生きた化石」の一種です。殻(から)の美しさから人気が高く様々な場所で飼育されていましたが、2016年のワシントン条約によって国際的な取引が制限されてから生きた個体を見ることが難しくなりました。
(問)オウムガイと同じ時期に生息していたと考えられているアンモナイトについて、 次の文章中で適切な語句をそれぞれ選びなさい。
オウムガイとアンモナイトはどちらもタコやイカの仲間で、頭足(とうそく)類と呼ばれます。アンモナイトはオウムガイと比べて、成長速度が2倍以上であったと考えられています。そのため、オウムガイに比べて、アンモナイトは必要とする食料の量が①多く・少なくなります。環境(かんきょう)の変化によって生物数が減ってしまったときに影響(えいきょう)を受けやすいのは②オウムガイ・アンモナイトです。さらにアンモナイトはオウムガイに比べて ③浅い・深いところに生息していたと考えられています。深いところは浅いところに比べて地上の環境変化の影響を受けにくかったと推定されています。以上の理由からアンモナイトは絶めつし、オウムガイは生き残ったと考えられています。
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この芝浦工業大学柏中学校の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
- ①多く
- ②アンモナイト
- ③浅い
解説
アンモナイトは絶めつし、オウムガイは生き残った理由を、問題文をもとに推測します。
まず、食料に目を向けると、アンモナイトはオウムガイに比べて、成長速度が2倍以上であったことから、成長するために必要とする食料の量はアンモナイトの方が多かったと考えられます。このことをもとにすると、環境の変化によって生物の数が減ったときに影響を受けやすいのは、食べる量が多いアンモナイトだと推測できます。
次に、水深の深いところは、浅いところに比べて地上の環境の変化の影響を受けにくかったと推定されることから、絶めつしたアンモナイトは、生き残ったオウムガイに比べて浅いところに生息していたと考えられます。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
数千万年、あるいは数億年も前に誕生し、その姿をほとんどかえることなく現在まで生き延びている「生きた化石」。動物にはシーラカンスやカブトガニなど、植物にはイチョウやメタセコイアなどがあります。この問題では、生きた化石のひとつであるオウムガイと、オウムガイと同時期に生息していましたが、現在では絶めつしているアンモナイトを比較していきます。
オウムガイとアンモナイトは、どちらも頭足類(タコやイカ)の仲間で、渦巻状の殻を持っています。見た目はよく似ていますが、オウムガイは今も生き続け、アンモナイトは絶めつしているというちがいがあります。なぜ、このようなちがいが生じたのでしょうか?
この問題では、オウムガイとアンモナイトについてのくわしい知識を持っていなかったとしても、問題文に示されている食料や生息する環境に関する情報を比較しながら、生活のようすや数の変化を推測していくことができます。推測しながら、太古の生物や海の中のようすに思いを馳せた子もいるでしょう。
この問題に取り組むことで、未知のことがらに対しても、情報をもとに比較したり、筋道を立てたりすることで、特徴をとらえることができるということに気づき、身の回りにある疑問について調べたり、考えたりするきっかけとなるのではないでしょうか。
このような理由から、日能研ではこの問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにしました。