シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

横浜共立学園中学校

2026年06月掲載

横浜共立学園中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.実験や観察を通じ、感じる力や考える力を身に付けさせたい

インタビュー3/3

理科の先生の立場として、生徒さんにはどんな力を付けてあげて、大学や社会にて活躍してほしいという思いがありますか?

眞田先生 実験を通じていろいろ感じてもらって、そこから考える力を身につけてもらいたいですね。もちろん知識として覚えないといけないことも多くありますが、それだけではなく感じる力、そしてそこから「どうしてだろう」「こんな風になるんじゃないかな」と考えてもらう力が理科ではすごく大事だと思います。そういった力を本校で身に付けていってほしいです。

岩谷先生 私は、考えるというよりも「考えようとする力」「考えることを楽しむ力」が大事だと思っています。人間はすでに考える動物ではあるものの、考えることを身に付けられるかどうかは人それぞれです。考えることってエネルギーがすごくいることなので、「疲れること=無駄なこと」と思い、しなくなっていくのが人間だと思うのです。

しかし、疲れる以上に楽しみや喜びといった達成感が得られたら、体が「考えることって生きるのに大切なんだ」というのがわかり、結果として学ぶことが苦ではなくなるし、どんどん学びに行こうとするはずです。そういった「学びが楽しい」ということが、卒業したあとも大切になってくる力だと思うので、「なんで?」と考えようとする力を衰えさせないようにしたいと思っています。

横浜共立学園中学校 校舎

横浜共立学園中学校 校舎

生徒には生成AIに頼らず自分で考える力を身に付けてほしい

昨今の生成AIブームについて、生徒さんが生成AIを使うことに関して何か規制されたりしていることってありますか?

岩谷先生 規制は特にしていませんし、自主的に使ってしまうことはもう止められないです。ですから、提出物についてはなるべく生成AIを使えないようできるだけ手書きにさせたりしています。あとは調べ学習でも、わからなかったら「わからない」って書いていいから、と最初に言っていますし、事前に「こういう意図があってこういうことさせているんだよ」と説明するようにしています。なるべくAIに頼らず、自分の頭で考えられるように工夫してはいます。

私自身、皆さんが生成AIを過信しすぎている気がします。生成AIはインターネットに集まった沢山の情報の平均でしかありません。ですから、もしみんながこれを使っていたら同じような答えしか出てきません。そうではなく自身なりの経験だったり体験など、独自性のある考えを生み出せる力をつける必要があると考えます。

生物学をやっているからこそ思うのですが、この先も生成AIは人の脳には追いつかないと思います。何十年何百年経っても人は一から生物を作ることもできないのではないかなと思います。

「AIではできないものを人間は持っているよ」「人間ってすごいんだよ」と学べば学ぶほど自然の摂理には叶わないところに行き着いてほしい、答えはないんだよ、というのを知ってほしいですね。

横浜共立学園中学校 図書室

横浜共立学園中学校 図書室

勉強以外のところからも学びを得よう

最後に受験生に向けたメッセージをお願いします。

眞田先生 小学校の高学年になると、どうしても机で勉強する時間が長くなるのはしょうがないですが、机に座っていない時間を大切にしてほしいと思います。家族でおしゃべりをしたり、学校のお友達と関わったりすることを大事にしつつ、自分の知識を少しずつ付けていくといいですね。

勉強は受験生ならきっと黙っていてもやるでしょうし、実際すごくやっていると思うのです。でも、そこだけに落ち着いてしまうと視野が狭くなってしまうので、もう少し広い視野を持って勉強に取り組んでくれるといいと思います。

岩谷先生 私もご家庭では親子で沢山会話をしてほしいなって思います。テストでいい点を取るという目的は一旦横に置いておいて、本当に大切な時間を充実させることをぜひお願いしたい、と心から思っています。

インタビュー3/3

横浜共立学園中学校
横浜共立学園中学校1871(明治4)年、米国婦人一致外国伝道協会から派遣された3名の婦人宣教師により「アメリカン・ミッション・ホーム」として創立。戦前の女学校時代を経て、戦後、横浜共立学園中学部、高等学部に。1951(昭和26)年、学校法人へ組織変更し、現校名に改称。
学園の教育の根底にあるもの、それは「ひとりの人間を無条件に尊重し愛する」というキリスト教精神である。一人ひとりが神に愛されていることを受けとめ、それに基づいて豊かな人間性を備え、隣人に仕え、世界の平和のために貢献する女性の育成を目指している。このような教育を実現するために、優秀な教師集団と充実した教育施設を備えている。
創立150周年を記念した校舎等再整備計画において、2018年3月に南校舎が完成し、2019年7月に本校舎(横浜市の有形文化財)の大規模改修が完了した。そして、西校舎の建築とグラウンドの改修が2022年3月に完了し、学園は新しい校舎・施設を更新するとともに、教育内容の充実を一層はかり、新しい歴史と伝統を創造していく。
理系大学にもしっかりと対応できるカリキュラムを組んでいる。英語のテキストは中1から『ニュートレジャー』を使用、英会話の授業は4名いるアメリカ人の教師が1クラスを2分割して指導する。高2からは選択科目が大幅に導入され、各自の目的に沿った科目がとれるようになっている。グレード別編成は、英語は高2・高3の選択科目で、数学は高1で行うが、中学では行わない。中学では、各教科で小テストを頻繁に行ない、基礎学力を着実につけていく。夏休みには中1~高1で指名制の補習、高2・高3は各教科の受験補習を実施する。
キリスト教教育を推進するうえで、授業週5日制とし、日曜日には教会に出席することを奨励している。毎朝礼拝が行われ、聖書の授業も週1回ある。クラブ活動は、生徒会指導部所属の部が美術部など文化系15、ダンス部など体育系8、園芸同好会など同好会7、ハンドベルクワイアーなど宗教指導部所属のグループが3ある。生徒は自由に希望する部に加入し活動する。趣味、適性、目的に従って同好の者が集まり、自主的に活発に活動するなかで、個性を伸ばし楽しい時を過ごす。学校行事で、特筆すべきはクリスマス礼拝。なかでも生徒によるページェントは無言劇でイエス様のご降誕の様子を演じるもので素晴らしい。ほかに、文化祭、運動競技大会などがある。