出題校にインタビュー!
横浜共立学園中学校
2026年06月掲載
横浜共立学園中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.実験を通して本物に触れる授業を展開
インタビュー2/3
御校の理科の授業の特徴についてお聞かせください。
眞田先生 先ほども申し上げましたが、理科は生活の中にあるものなので、なるべく生活の中からの話をしています。特に中学1年生では化学分野と生物分野を学びますが、実験を多く行うようにしてなるべく本物に触れる機会を作るようにしています。
先日も「花の分解」を行ったのですが、生徒はとても楽しかったみたいですね。実験後のレポートには、「花は好きでよく見るものの、バラバラにしてみたことが今までなかったのですごく楽しかった」と書いてくれた生徒が何人もいました。
花というと見て終わることも多いと思いますが、実験を通じて分解してみたら「へぇ、そうなっているんだ」といった部分を持てたことはとても良かったと思います。日常生活の中にあるものだけれども、なかなか家庭ではできないことを実験ではできますので、そこからまた違う視点を持ってもらえるとよいかなと思っています。
化学では、入学後の早いうちに「いろいろなものを加熱してみよう」といった実験をするのですが、塩や砂糖、紙、木、スチールウールなどいろいろなものを加熱してみてどう変化するかを確認します。
たとえば、砂糖だったら加熱していくうちにだんだん茶色っぽくなり匂いが出てきて、最後は焦げてしまいます。しかし、塩はいつまでたっても変わらなかったりする。実験後の授業で「実はね、身近な砂糖や塩でもこんなに性質が違うんだよ」といった話をしていきます。実験・観察については中1、中2はたくさん行います。単元ごとに実験を行うようにしています。
岩谷先生 最近は、インプットは得意だけどアウトプットが苦手な子が増えているなということを感じています。本校の実験の授業はアウトプット力のトレーニングになっているとすごく感じます。自分で課題を見つけ、それを友達と一緒にディスカッションして解決していくことを重ねていくうちに、アウトプット力が身についていくのではないでしょうか。
そうすると、生徒同士で話をする機会も多いのですか?
岩谷先生 そうですね。教員が誘導して話させることもありますし、同じ班の中で自由に話し合ってもらうこともあります。
理科/眞田 佐恵美先生
自己表現を上手にできる生徒に育てていきたい
先ほどの話で「インプットはできるけどアウトプットが苦手な子がいる」とのことですが、どのような状況でしょうか?
岩谷先生 スマホ全盛時代なので、インプットとしていろいろな情報が入ってきます。しかし、自分を表現するのが苦手な子は意外と多いのではないかと感じます。世の中的にそういう傾向にあり、本校に限ったことではないとは思うのですが。小学校でもプレゼンは取り入れていると思うのですが、ただ、型通りのプレゼンが多いのかなと感じます。やはり個性的なプレゼン力を身に付けることが大事ではないかと思いますし、そういった意味でいろいろな発想や表現、気持ちでプレゼンしてくれるような発表の場はなるべく作るようにしています。
最近は生成AIが書いた記事が世の中たくさん出回っている状態なので、どれもが同じような文章になってしまっている気がします。
岩谷先生 やはり人が書く文章とAIが書く文章は全然違います。読んでいて心に響くもの、心が通じ合うものは人が書いてくださるものだと思うので、ぜひ生徒にはそこを学んでほしいなと思います。
ちなみに本校の図書館は結構充実しているのですが、教室だけでなく図書館とも連携しながら教育を行っています。そして本の大切さや文章の大切さもしっかりと生徒に伝えています。
横浜共立学園中学校 制服
授業では五感をフル活用してもらうことを重視している
時代が変わってきて、動画や映像から情報を取ることが多くなっていますが、その点はどう思いますか?
岩谷先生 情報は視覚から入るものが80%と言われていますので、理科では特に視覚以外の感覚もしっかりと最大限に使ってほしいなと思います。実験の短い動画を見せることはありますが、長時間見せることはあまりないです。
図書館の香りなども気に入っている子や、本もやはり紙がいいという子も多いです。パラパラめくっていると思わぬところで止まって「あっ!」っていう思わぬ発見がありますから。デジタルだとそれがなく、見たいところだけを見ることになりますので、寄り道するってすごく大事だなと思います。
最近は小学校でもあまり実験しないようで、火を使うのも危ないからと、マッチを使ったことがない子も多いのだとか。マッチがおそらく家にもないのでしょうね。
眞田先生 その点、本校ではマッチにこだわっていて、ガスバーナーも全てマッチで点火します。生徒も最初は怖がったりするのですが、「大丈夫、こうやれば平気だから」「すぐそこに水が置いてあるから、もし何か怖いと思ったらそこにマッチを入れればいいから」と話してやらせていますね。
時代が変わっても世の中的になくしてはいけないものってあると思うので、「とにかく実験はやろう」と行っています。中1では最初にガスバーナーの火をつけるところから始まり、2人で協力して順番にマッチを擦るところからやってもらっています。
怖さを知るのも大事ですよ。「火はこういうものなんだ」と知ることも必要ですし、火は熱いものだと感じてもらえればよいです。経験から「こうしたら危ないんだ」とか「火はこのぐらいまでなら熱さも平気だ」「ガスの量はこのぐらいがベスト」といったことも、何回かやっていくうちに慣れて学んでいきます。
年一で「グラウンドで星を見る」授業を実施
理科としてどこかに出かけることはありますか?
眞田先生 地学では、出かけることはないのですが、唯一中2の地学の授業の一貫として「グラウンドで星を見る」ことは行っています。人工芝のグラウンドにみんな寝転んで夜空を見ていますね。
毎年11月から2月ぐらいの間に行っていて、今年は12月になる予定です。満月は明るすぎてクレーターがよく見えないですし、地球照という太陽光が地球に当たってその反射光で月が丸く見える現象を見せたくて、上弦までの月齢で日程を組んでいます。天体望遠鏡もグラウンドに出しますので、木星や土星といった何かしらの惑星が見える時も併せて日程を決めています。
岩谷先生 部活だと、生物部の場合はいろいろ外に出かけていきます。その年のテーマにもよりますが、まずここに行きたい、という場所を生徒から募り、その後旅行会社と相談しながら決めていきます。生物部は30人ぐらいいます。生物部に入りたくて本校に入学した子も実際にいるんですよ。そんな小さな活動情報もじわじわと広まって受験するきっかけとなっていることが、とても嬉しいです。
横浜共立学園中学校 校舎内
インタビュー2/3
1871(明治4)年、米国婦人一致外国伝道協会から派遣された3名の婦人宣教師により「アメリカン・ミッション・ホーム」として創立。戦前の女学校時代を経て、戦後、横浜共立学園中学部、高等学部に。1951(昭和26)年、学校法人へ組織変更し、現校名に改称。