今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
横浜共立学園中学校
2026年06月掲載

2026年 横浜共立学園中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
日常会話の中にかくれている科学についての会話文より一部抜粋
私:確かに、この間さばいた①イワシも背中は暗い青色なのにおなかだけ銀白色に光っていたわ。
友:何でだろう…。放課後、図書館で調べてみよう!
私:本にこんなことが書いてあるわ。
本:……一部の魚は隠(かく)れる場所のない海水中で、
②カウンターシェーディングを利用して自身の姿をカムフラージュさせており……


(問) 会話の下線部①と下線部②について、カウンターシェーディングという現象により、多くの魚は敵からおそわれないようにしていると言われている。
上の図のようにトリ目線(A)とサメ目線(B)で水中の魚を見たとき、どのように見えていると考えられるか。上の(ア)~(エ)からそれぞれ選びなさい。
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この横浜共立学園中学校の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
トリ目線(A)エ
サメ目線(B)ア
解説
会話文中にある本の引用部分より、カウンターシェーディングとは、自身の姿をカムフラージュさせる現象であることが読み取れます。カムフラージュとは、周囲の環境に同化したり、他の物体に似せたりして、存在を目立たなくする手法です。身を隠す場所がない海水中で生活する魚は、体の色を巧みに利用して、天敵から身を隠しています。
トリ目線(A)で海上から海を見下ろす場合、海は暗く深い青色に見えるので、イワシの背中側が暗い青色になっていることによって、エのように海の色と同化して、イワシの姿が目立たなくなると考えられます。また、サメ目線(B)で海中から水面を見上げる場合、海面は光が差し込み明るく光って見えるので、イワシの腹側が銀白色になっていることによって、アのように明るい海面に溶け込んで目立たなくなると考えられます。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
海にはさまざまな色の魚がいますが、イワシやアジ、サバ、マグロなど、背中側は暗い色、腹側は明るい銀色をしたものが多く知られています。いったいなぜこのような色をした魚が多いのでしょうか?
この問題に取り組む中で、子どもたちは、文章や図に示された情報を読み取り、海の浅いところを泳ぐ魚を「トリ目線」と「サメ目線」で見た場合に分けて考察します。問題を通して、私たちが図鑑やスーパーなどで魚を目にするときのような「ヒト目線」とは異なる視点があることを知り、その視点に切り替えて考えてみることで、魚の巧みな生存戦略に気づくことができます。また、その奥深さや面白さに興味・関心を持ったり、身のまわりにある他のことがらや現象に対しても問いを立てて探求したりすることにもつながるでしょう。
この問題をきっかけとして、日常的に見聞きしていて当たり前のように感じていることや、これまで疑問を持たなかったようなことの中にも、たくさんの科学がかくれていることを実感できるのではないでしょうか。
このような理由から、日能研ではこの問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにしました。