シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

広尾学園中学校

2026年05月掲載

広尾学園中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.たくさんの資料から適切な情報を処理する能力を問う

インタビュー2/3

次に入試問題全体についてのお考えをお聞きしたいと思います。実際どのようなことをお考えの上で作問されたのでしょうか?

町田先生 本校の社会科の問題構成は、地理・歴史・公民が均等配点となっています。そして最後に大論述という形で論述問題を設定しています。

日頃の受験対策の学習の場面では、地理の学習においては地図帳やデータ集、歴史においては原典資料や歴史年表を見ていく。そういったことを通じながら普段の学習で知識を定着させていってもらいたいと考えています。知識そのものはもちろん大切ですが、単に一問一答式のものだけで知識を得るのではなく、それぞれの知識のつながりや「なぜそうなるのか?」という部分に意識を持って勉強に取り組んでほしいですね。

時事的なテーマに関していうと、その年に話題となったもの、またそれに関連する内容を出題しています。受験生には日頃からニュースにしっかりと関心を持ってもらいたい、そして、常に社会や身の回りで起きていることを自分ごととして捉えて考えてもらいたいというのがメッセージとして含まれています。

なお、大論述問題は大問4で出題しており、第1問と第2問と合計2題あります。すべてが時事的というわけではなく、歴史に関連するような論述問題もあれば地理的な内容を問う論述問題もあります。時事的なテーマに関連するものだと子どもたちからしても理解しやすい部分でしょうし、こちらとして考えてもらいたい内容も多くありますので、その手の問題は少し多めに出題しています。

広尾学園中学校 エントランス

広尾学園中学校 エントランス

全4回分計8問の論述問題は自信作

最後に大きな論述問題が2つ出題されていますがこの出題意図はどのようなものですか?

町田先生 知識が社会科において極めて大切なものではあることは否定できません。しかし、ただ単純に知識を得て、それを一問一答的に解答していくだけではなく、その場でしっかり物事を考えて、それを記述する力を見ていきたい、という想いから論述問題を必ず出題しています。

5~6年前までは1題だけでしたが、その後2題に数を増やしました。難易度も少しずつ上がっていると思います。何が課題なのかを問題文から見つけ、その課題に対する解決策は何なのかを解答上でしっかり自分の言葉で示していく。論述問題はそのような力を測るのに適した問題ではないかと思います。

実際の入試問題作成の際には、論述以外の一般的な問題も検討会は行うのですが、ほとんどの時間を論述問題に割いていると言ってもいいぐらいです。社会科の教員たちが自分で作ってきた問題を出し合って、議論をいろいろ戦わせて残った全4回の8問ですし、その8問をさらに「ここはよくない」「あそこはよくない」と修正に修正を加えて出来上がった問題ですので、本校としても自信を持って出せる問題だと自負しています。

社会が好きな子であれば、問題を解いていて「こんなことだったんだ」と面白みを感じてもらえるのでは?と思いながら作問していますね。

ちなみに、用語を書かせる問題、たとえば今年だと三世一身法を書かせる問題がありましたが、この解答をもし算用数字で受験生が書いてきた場合、採点はどうなりますか?

町田先生 基本的に出題者側がこだわりがある部分に関しては「漢字で」と指定を設ける場合がほとんどですので、それをこちらが指定せずに出題している場合、間違えているわけではないので○にしています。漢字の留めはねについても厳密な採点基準とはしていません。

その点については、本校においてはインターナショナルコースがあるなど、ある種の風土も関係しているかもしれません。インターナショナルコースの生徒だと日本語を難しいと感じる子も実際いますので、そういった細かいところにこだわるよりは、別の観点で見ていくことに主眼を置いています。

広尾学園中学校 グラウンド

広尾学園中学校 グラウンド

インタビュー2/3

広尾学園中学校
広尾学園中学校1918年、板垣退助(伯爵内務大臣)、夫人絹子たちを中心に大日本婦人慈善会により、順心女学校が創設された。2006年度の特進コース(中学、高校)設置、学習支援センターの始動によって、本格的な進学校への道を歩みだす。2007年度の共学化、それにともなう校名変更、インターナショナルコースの設置と大きな話題を呼んだ。現在は、国公立・難関私大をめざす「本科コース」、国内外の医系・理系大をめざす「医進・サイエンスコース」、トップレベルの国際人をめざす「インターナショナルコース」の3コース制をとっている。
9階建ての校舎は、最新設備を完備し、豊かな教育環境を提供している。エントランスを入ると右手に見えるカフェレストラン。昼食時、休み時間、放課後、生徒たちの明るい笑い声で賑わう。また、晴れの日はけやきの下でオープンカフェも楽しめる。校舎6階に化学、生物、物理、それぞれ3つのサイエンスラボが並んでおり、研究室レベルの最新設備を備えた環境で、中学・高校の授業の枠にとらわれない実験を体験することが出来る。
基礎学力定着の要として、生徒一人ひとりの学習進度に対応して実施される小テストが「P.L.T.」。朝のP.L.T.が終わると答案は学習支援センターに運ばれ、翌日、テスト結果に基づいた不得意分野の解消と学力定着のための課題が作成される。苦手分野を克服し、確実な基礎学力を身につける。週の終わりには1週間の成績表を生徒各自に配布し、週ごとに学習理解度を確認する。
英語では、「聞く・話す(プレゼンテーションする)・対話する・読む・書く」の5技能をバランスよく身につけるため、「英語は実技教科」という意識を持ち、英語を実際使うことを重視している。年に5回行うスピーキング試験、P.L.T.(Practical Listening Test)、授業中の英語発表などの機会を通し、生徒たちは使える英語を身につける。インターナショナルコースでは英語でプレゼンテーションも行う。
勉強だけではなく、部活動も活発だ。広尾学園の教育理念である「自律と共生」の力を身につけるために、部活動に打ち込むことを奨励されている。ダンス部、吹奏楽部、チアリーディング部、ディベート部などは、全国大会・関東大会のレベルだ。