シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

開智中学校

2026年04月掲載

開智中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.他者理解ができる生徒を育てたい

インタビュー3/3

時代がすごい速さで変化している現在、御校の生徒さんにはどんな力つけて、大学そして社会に巣立っていって欲しいか、国語科の先生として何か考えるところがあれば教えてください。

渡辺先生 本校は「心豊かな創造型・発信型の国際的リーダーを育成」という理念を掲げていますが、ここでいうリーダー、言い換えて「心豊かなリーダー」って何か?を考えた時に、国語科としてできることは「他者理解」ができる生徒にすることではないかと考えています。

たとえば、授業でもいろいろな文章を読みますし、自分が知らない世界への興味を増やしていくような授業を心掛けています。私も宮入先生も古典を専門にしていますが、古典も自分が見たこともなければ、会ったこともないという人の心にアクセスできるわけですし、そういった部分を尊重して大切にしてほしいというのは教科として思うところです。

どうしても、どこかで大学の進学実績や入試の偏差値に目が向いてしまうと思うのですが、「大学進学が目的のすべてではないよ」という意識は生徒たちに持っていてもらいたいと思いますし、いろいろ発信をすることを通じて自分という人間について伝えることの難しさに向き合える力は大事にしてほしいと思います。

宮入先生 私は、語彙を大事にしてもらいたいと思います。「心豊か」というのも、言葉が駆使できてからこそだと思うので、教員としてその手伝いができればと思いますし、これからChatGPTなどの生成AIが使えるようになるにはどうしたらいいのか?を考えた時に「問いを立てる力」は大事だと思います。

問いを立てるには、言葉を知らないといけませんし、さらには状況を知らないとできません。ですから、場面に応じた問いがきちんと立てられる力を育てていければいいなと思っています。それ自体は、授業の中で対話を重ねることでできると思うので、人とのやりとりを大切にしてほしいな、と思いながら授業をしています。

開智中学校 賞状・トロフィー

開智中学校 賞状・トロフィー

親子で読書体験をすることが本好きの子どもを育てる

いろいろな学校の国語の先生から「読解力を高めるのに読書は大事」といった話を伺います。ただ、今の子は本をあまり読まないと感じます。そんな中、親御さんがどうやって子どもに本を読ませるのが良いと思われますか?

渡辺先生 読解問題対策として「しっかり読書をしよう」と言われて、本を読もうとする受験生もいると思いますが、なかなか「これが出るかもしれない」という気持ちで読もうと思っても読書を楽しむのは難しいのではないでしょうか。やはり、楽しく読書することが第一ですから、たとえば、同じ経験をするという意味で親御さんがお子さんと同じ本を読んでみてもいいかな、と思います。

その際に、大人が「これを読もう」といって読む本というよりは、子ども向けの文庫や、子どもが「これ楽しい」と思える本を通じて同じ読書体験をしてみるとよいのではないでしょうか。本は文学作品に限らず漫画やアニメのノベライズでもいいと思います。そして、読んだ本について親子で話してみる。そうすることでお子さん自身も成長できますし、他者目線も学べます。親御さんにとっても新たな発見があると思います。

宮入先生 私の父は漫画収集と本収集に熱心だったこともあって、父の漫画部屋にある漫画を、子どもの頃にたくさん読みました。自ずと小説にも手が伸び、司馬遼太郎作品やSF小説なども読みました。

身近に本がたくさんあると必然的に選択肢が増えるので、本を読みたくなるかもしれません。その経験から子どもを本屋によく連れて行きます。

ですので、お子さんを本がたくさんある場所に連れて行って「世の中にはこんなに本があるんだよ」と見せてみるのもよいのではないでしょうか。

よく「子どもがゲームばかりして勉強しない」という声もあると思いますが、私も子どもの頃からゲームをしてきて、ゲームで覚えた漢字や語彙も多いので、ゲームを否定したくないです。ある程度ゲームの中にストーリーがありますから、ストーリーを追っていけるのなら本も読めるだろうと思うので、アニメだろうとゲームだろうとなんでも興味あるものはさせて、ストーリーを追えるようになることが大事だと思いますね。

最後に、今後開智中学・高等学校を目指す受験生に向けてメッセージをいただけますでしょうか?

渡辺先生 登場人物の気持ちを考えながら本を読んだりすることはすごく大事なことだと思います。楽しく読書をしてください。それに加えて、一つアドバイスするならば、漢字を大事にしてほしいです。漢字や語彙について苦手な生徒が多くなってきているようにも感じますので、ぜひしっかりと学んでおいてほしいですね。

今はパソコンなどでタイピングする機会が多いからかもしれませんが、なんとなく雰囲気は合っているものの正確ではない字を書くという答案が増えていますので、漢字はしっかり勉強して受験に臨んでほしいと思います。

今後の受験の方向性として、基本的な漢字や熟語の力を見たほうがいいのかなという意識を持っています。努力してできる部分、しっかりと力としてつけられる部分はぜひ身に付けておいてほしいですね。基礎固めに関しては、本校としては入学後も低学年時にはやっていきたい部分です。読解力も語彙力も両方大事にしてもらいたいと思っています。

開智中学校 展示

開智中学校 展示

インタビュー3/3

開智中学校
開智中学校1997年に岩槻に開校して以来、「平和で豊かな社会を作ることに貢献できる、創造型・発信型の国際的リーダーの育成」を教育理念とし、探究型の学びを中心とした新しい学習のあり方を模索し推進している。
岩槻キャンパスの自然豊かな敷地にある一貫部棟校舎は中央に5階までの吹き抜けがあり、開放的な空間となっている。その一階部分にはテーブルが複数置かれ、生徒たちが自習やミーティングなどで使用している。蔵書3万冊を超える図書室、広大なグラウンド、バスケコート二面がとれる体育館のほか、ステージ発表や講演などが行われるホールが複数あり、自習室にはブース式の学習スペースが140席程度用意されている。昼食は中2まで弁当持参だが、希望者には給食弁当もある。中3からは食堂などが利用できる。
入学時に入学者自身が自らの志望に応じてIT(目標の大学が決まっている人のコース)、MD(医療従事者を目指す人のコース)、GB(グローバルな仕事を志望する人のコース)、FD(志望をこれから考えたい人のコース)の4つのコースのいずれかを選択する。加えて、全員がS特待生で構成される「創発クラス」を2024年度入学から設置。創発クラスでは数学の特別授業「ガウス数学チーム」など各教科でより発展的な授業を展開する。この4コース制と創発クラスは高1までで、高2からは志望大学別のクラス編成となり、医学部を目指す医系クラスも設置される。高2からは放課後の特別講座が開始され、生徒の多くが塾や予備校に頼ることなく難関大学への進学を目指す。さらに国際バカロレアのディプロマ・プログラムの認定校ともなっており、今後はこの資格を利用しての海外有名大学への進学も視野に入る。
開智の教育の核となる探究活動は、中1から生徒全員が個人のテーマを決め、疑問・仮説・検証・考察のサイクルを何度も繰り返し、考察を深めていく。毎年行われる探究発表会ではポスター発表、スライド発表など様々な方法で生徒全員が発表を行う。フィールドワークは、中1は磯、中2は森で「はかる」「くらべる」をテーマにグループワークを行う。中3は関西をフィールドとして地域調査を行う。高1では首都圏で個人の探究テーマに関わる調査を実施し、高2ではイギリスの大学で現地の大学生を相手に探究の成果を発表する。中2~高1の希望者対象にオーストラリア・アメリカ・シンガポールなどへの語学研修もある。
生徒の自主性を重んじる校風で、生徒主体で作られた委員会や部活動もある。それ以外でも生徒の自主的な活動が活発で、SDGsなどの活動も盛ん。部活動は運動部19、文化部14、同好会1。ディベート部や文芸部かるた部門などは全国レベルでの活躍もある。