今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
開智中学校
2026年04月掲載

2026年 開智中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
(問) 「偶然」は、「たまたま(偶)」と「そのようである様子(然)」という意味を持つ漢字を組み合わせて作られた熟語です。このような「〇然」という熟語を、それぞれの熟語の意味に合うように適切な漢字を空欄A〜Dに当てはめて完成させます。AとB、Cと Dを組み合わせると、それぞれ二字熟語が完成するので、その完成した二字熟語を解答欄(i)、(ii)に書きなさい。
(例) a判然……①明らかなさま。明瞭。②はっきりとよくわかること。
b断然……①きっぱりと。決然と。②なみはずれて。ずばぬけて。
a+b➡判断……物事の真偽・善悪などを見極め、それについて自分の考えを定めること。
(i)
A然……別々のものがまじりあって一体となり、区別がつかない状態であるさま。
B然……違いがないこと。また、そのさま。
A+B➡(i)
①区別しなければならないものを同一のものとして扱うこと。
②まじり合って一つになること。
(ii)
C然
①表だったさま。おおやけであるさま。一般に知れわたっているさま。
②不特定または多数の人が知り得るようなさま。
D然……落ち着いて物事に動じないさま。
C+D➡(ii)
①すべてのものを同じように扱うこと。
②特定の人のえこひいきをしないこと。また、そのさま。
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この開智中学校の国語の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
(i)混同(ii)公平
解説
(i)自分が知っている熟語を思いうかべながら考えてみましょう。「別々のものがまじりあって一体となり、区別がつかない状態であるさま」を、「混然」といいます。また、「違いがない」ということを「同然」といいます。「混」と「同」を合わせると「混同」という言葉ができます。「公私を混同する」などの文で使われます。
(ii)書かれている二つの意味にあてはまる熟語をさがします。①と②のどちらかの意味から思いつく熟語が、もう片方の意味にもあてはまるかどうかと検証していきながら考えていくこともできます。「表だったさま」「不特定または多数の人が知り得るようなさま」を「公然」と表します。また、「落ち着いて物事に動じないさま」を「平然」といいます。ここから、「公平」という言葉が(ii)にあてはまります。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
設問で示された熟語の意味を手がかりに、「〇然」という形の二字熟語の「〇」にあてはまる漢字を思い起こし、思い起こした漢字を使って新しい熟語を作ります。一見、たくさんの熟語を知っていなければ解答できない、知識量を問う問題のようにも思われますが、実際に解いてみると、提示された情報どうしのつながりを探ることで、要求されている答えにアプローチできる問題であることが明らかになります。
これまで学んだことを生かして、設問の流れ通りに、示された熟語の意味から「〇然」という形の二つの熟語を特定し、解答する受験生はいたことでしょう。一方で、初めから答えとなる「A+B」、「C+D」の熟語について考え、「〇然」という熟語が二つ作れるかどうかで自分の答えを検証し、解答する受験生もいたのではないでしょうか。小学6年生だけでなく、5年生以下の子どもたちも、自分が知っている熟語が入試問題になっていることを知り、これまで以上に漢字や熟語に興味を持つのではないかと思います。
知識だけを問うのではなく、意味や組み立てといった複数の角度から熟語を観察し、自分なりの解き方を見つけて考え進めていける楽しさがあるこの問題は、子どもたちの主体性を生かせる問題であるという点において、「生徒の自主性を育てる」という開智中学校の教育の柱を感じます。また、こうした姿勢を大切にして学んでいこうという、入学後の学びへの誘いであるとも感じられます。
このような理由から、日能研ではこの問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにいたしました。