シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

江戸川学園取手中学校

2026年03月掲載

江戸川学園取手中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.江戸取生には多角的に物事を見ることができる人間になってほしい

インタビュー3/3

今後江戸川取手中学高等学校の生徒さんにどのような力をつけてもらい、大学さらには社会に進んでもらいたいと思っていますか?

袴田先生 たとえばニュースを見たときでも、最近は一方向的な感想だけで終わってしまう人が多いように感じています。ですから、本校で一緒に学ぶ生徒は一つの事象だけを見て判断するのではなく、できるだけ多角的に物事を考えてほしいと思っています。そういう姿勢を持った生徒を育てていきたいと思いながら、日々授業を行っています。

江戸川学園取手中学校 武道室

江戸川学園取手中学校 武道室

生成AIは使い方次第で役にも立つがそうでないケースにも注意

昨今、生成AIがブームとなっている中、おそらく御校の生徒も生成AIを使う機会はあると思われます。その点についてはどのようにお考えですか?

袴田先生 生成AIについては、自分の考えを持たないままそのまま使うのであれば、私はあまり賛成できません。ただ、使い方次第では非常に有効なツールになるとも思っています。

実際のところ、中高生の場合、アイデア自体は浮かんでいるのにそれをどう言葉にすればいいのか分からないという生徒は多いです。そういう時に、まず自分なりに考えをまとめたうえで、「これを文章にするとどのような表現になるのか」を生成AIに聞いてみる、といった使い方はありだと思います。表現のバリエーションを知るために使ってみたり、考えがまとまらずとりあえず思いついたことを羅列したものの整理ができない時に、その整理の部分だけを生成AIに手伝ってもらったりするといった使い方ですね。

また、先行研究を探す場面でも生成AIが役立つかもしれません。探究活動などで先行研究を調べようとしても、生徒自身が探すのはなかなか難しいことがあります。私自身も、「このテーマに関する先行研究にはどのようなものがあるか、できるだけ多く挙げてほしい」といった形で生成AIに聞くことがあります。ただ、その中には古い情報が含まれていることもあるので、本当にそれが最新の研究なのかどうかは自分で確認しなければなりません。

ですから、使い方次第では生成AIも十分に役立つものだと思うのですが、思考そのものをすべて任せてしまうような使い方には、あまり賛成できません。あくまで自分で考えることを前提に、その補助として使うのが望ましいと思っています。

最後に、今後江戸川学園取手中・高等学校への入学を検討している受験生に向けたメッセージをお願いします。

袴田先生 「たくさん覚える」とか「できるだけ早く正解にたどり着く」といった力ももちろん大切だとは思います。ただ、小学6年生の段階ではまだ難しい部分もあるかもしれませんが、物事をそのまま鵜呑みにするのではなく、一度立ち止まって「なぜだろう」と考える視点を大切にしてほしいと思います。

現在の大学入試では、総合型入試や総合問題などで、単に知識を問うだけではなく、いくつかのプロセスを踏みながら考えないと解けない問題が増えています。だからこそ、まだ小さいうちから「なぜ?」という視点を持つこと、そして「自分で考えてみよう」とする姿勢を身につけておくことが大切です。

さらに、自分の考えだけでなく、「もし自分とは反対の立場だったらどう考えるだろうか」と想像する力も、ぜひ鍛えてほしいですね。そうした力を身につけたうえで受験に臨んでもらえると、学びの幅も大きく広がるのではないかと思います。

江戸川学園取手中学校 校歌レリーフ

江戸川学園取手中学校 校歌レリーフ

インタビュー3/3

江戸川学園取手中学校
江戸川学園取手中学校1978年の創立以来、「心豊かなリーダーの育成」を教育理念として、将来、国際社会に貢献できる有為な人材の育成に取り組む。心力と学力と体力のバランスのとれた三位一体の教育を目指している。2014年4月には、江戸川学園取手小学校が開校し、茨城県初の小中高12ヵ年一貫教育校となった。また、2016年度から中等部が医科ジュニアコース、東大ジュニアコース、難関大ジュニアコースの3コース制となっている。
「心力」の教育は、具体的には「道徳の授業」、「ロングホームルーム(LHR)」、「合同ホームルーム(合同HR)」で行う。教師が講話をし、生徒はそれを聞き、メモを取り、自分の感想文を大学ノートに1ページ書く。それに対して担任からコメントが返る。このやりとりが6年間継続し、人格形成の基本を身につけていく。
「授業が一番」をモットーに講義一辺倒の授業ではなく双方向授業を重視し、思考力や判断力、表現力を重視した授業を行う。また、オーディトリアムで行われるイベント教育は、世界の第一線で活躍している著名人の講演会や世界的な音楽家の演奏、古典芸能鑑賞などを行う。イベント教育を通して、ものの見方や考え方に広がりと深みを与えられるように工夫と趣向を凝らしている。
放課後には生徒が主体的に選ぶ150にも及ぶ「アフタースクール」を実施。自分の個性や適性に気づき、自らの手で可能性を広げていくことは進路を照らすことはもちろん、「生きる力」に繋がっていくという考えからだ。アフタースクールは、学習系、英語4技能、実験系、合教科系、芸術系、アクティビティー系、イベント系、プレゼン系、PBL系(企業と連携)、講演会・出前授業(大学の先生が実施する宇宙教育プログラムの講座)など、じつに多種多彩なプログラムとなっている。
中2生での校外探究学習では、学校を離れ2泊3日の宿泊探究学習を実施。再度江戸取生としての自覚を深め、最高峰を目指す生徒集団にふさわしい広い視点からの学習する。八子ヶ峰ハイキング、飯盒炊爨体験、班毎の環境学習(2日目、3日目)が中心。豊かな自然や風土が今なお多く残る白樺湖周辺の地が、生徒にたくさんのことを教えてくれる。