今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
江戸川学園取手中学校
2026年03月掲載

2025年 江戸川学園取手中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
「観光産業の振興(しんこう)」について、ある観光地では、観光客をさらに増やすために新しい取り組みを検討しています。町長は次の三つの政策案を考えました。下のグラフを見て、問に答えなさい。

(問)あなたが町長だとしたら、(ア)〜(ウ)の三つの政策のうち、どれを選びますか。解答欄の政策の記号に丸をつけたうえで、理由を資料のデータを使って説明しなさい。また、その理由に照らし合わせたもう一つの新しい政策案を述べなさい。
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この江戸川学園取手中学校の社会の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答例
選んだ記号(ア)
(理由)50代、60代以上の観光客割合はとくに多くはないものの、平均消費額が多いので、この年代向けの政策を行うことで観光客が増え、観光収入をより増やせるから。
(政策案)何度も来てもらえるように温泉スタンプラリーを作成し、町の特産物を景品として配布する。
解説
政策(イ)を選んだ場合は、その理由として、例えばもともと多い20代の観光客や10代後半の観光客を増やせることがあげられます。政策(ウ)を選んだ場合は、その理由として、例えば、子育て世代である30代や40代とその子どもとして10代前半の観光客増加と、消費額増が見込めるとも考えられます。さらに、解答例にしめした政策(ア)に対する政策案のように、政策(イ)や政策(ウ)に対しても、もう一つの新しい政策案を考えましょう。その際、理由にあった内容になっているか、観光客が増えるような政策になっているかどうか、に着目しましょう。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
2025年にはインバウンドが過去最多を記録するなど、観光産業は人口減少社会に突入した日本において、なくてはならない産業です。地方の観光地では国内外からの観光客の消費行動によって大きな利益が生まれています。しかし、観光客は日本各地にまんべんなく行くわけではなく、地域ごとに観光収入の差があるのも事実です。
この問題では、観光客の年代別構成と平均消費額から、さらに多くの観光客を呼び込む政策を町長として考えます。町長だとしたら、という問題の文章から、独りよがりな考えは求められていないことがわかります。グラフを見ると、観光客の年代ごとの割合にも平均消費額にも差があることがわかります。この差があるところに着目し、政策を選んだ理由を記述します。どの年代に何を売り込むか考えることで、その観光地の特色や強みが明らかになります。また、消費額に着目することで見込める市場規模や利益がわかってきます。どこに着目してもどの政策でも、理由は書くことができる問題になっています。
しかし、問いにしめされた政策以外に同じ理由でもう一つ新しい政策案を、となると、悩んだ受験生が多かったのではないでしょうか。この問題では、題材はある観光地とされ、観光資源も特に制限がないことから、新たに観光資源を自分で考えることも可能です。また、新規の観光客を呼び込む案もあれば、リピーターを再度呼び込む方法もあります。理由に照らし合わせて、という条件以外は枠にとらわれず、自由な発想で考えることもこの問題では大切にされていることがうかがえます。
このように観光を題材にして、経済活動、地方創生などに幅広く目が向き、社会科において大切な考え方の一つである、多角的な視点で状況を分析することにつながる内容であることから、日能研はこの問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにいたしました。