今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
青山学院横浜英和中学校
2026年02月掲載

2025年 青山学院横浜英和中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
光の進み方や見え方について、次の問いに答えなさい。
(問1)光には、[A]:反射、[B]:屈折(くっせつ)、[C]:直進の3つの性質があります。
次の①~⑤は身のまわりで起こっている現象で、[A]~[C]のいずれかの性質に深く関わりがあります。
①~⑤に最も関わりの深い光の性質を、[A]~[C]からそれぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。
① 夕方、太陽を背にして立つと、自分の長いかげを見ることができる。
② 川岸から見て、川が浅いと思い入ったら、見かけよりも深かった。
③ 静かな水面に、景色がうつって見える。
④ 水を入れたコップの中にストローを入れると、折れ曲がって見える。
⑤ 鏡を使うと自分の顔をうつして見ることができる。
(問2)ある種の鳥は水中の魚を捕まえるとき、下の図のように自分の真下に魚が来たときに水中に飛び込む習性があります。
なぜ、斜めに飛び込まないで真下に飛び込むのでしょうか。
その理由を、光の性質をもとに答えなさい。

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この青山学院横浜英和中学校の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
(問1)① C ② B ③ A ④ B ⑤ A
(問2)例1 斜めから水面に飛び込むと、魚からの光が水面で屈折して進むので、魚が実際にいる場所には見えないから。
例2 水面に対して垂直の方向から魚を見ると、魚からの光が水面で屈折せずに直進して目に届くので、魚が実際にいる位置に飛び込むことができるから。
解説
(問1)①でかげができるのは、光が直進する性質が関係しており、光を通さないものにさえぎられて、その後ろに光が届かなくなるためです。一方、②と④で水面下の見かけの様子が実際の様子とは異なるように見えるのは、水面で光が屈折し、実際とは異なる方向から光がやってくるように見えるためです。また、③と⑤で水面や鏡面に像が映って見えるのは、なめらかな面で光が規則正しく反射しているためです。
(問2)鳥が魚を捕まえるときに真下に飛び込む習性は、光の屈折の影響をなるべく受けないようにするための工夫と考えることができます。水面で光がどのくらい屈折するのかは、光が水面に入る角度によって変わります。光は、水面に近い方向から入るほど屈折しやすくなり、水面に対して垂直に近い方向から入るほど屈折しにくくなります。そのため、鳥が水中に斜めに飛び込んでしまうと、水上から見える魚の位置と実際の魚の位置の差が大きくなり、鳥が水上から見える魚の位置にめがけて飛び込んでも、飛び込んだ位置に魚がおらず、魚を捕まえることができません。しかし、真下に飛び込めば、鳥が水上から見える魚の位置と実際の魚の位置の差がなくなり、魚を捕まえやすくなると考えられます。

- 日能研がこの問題を選んだ理由
物を見るということは、目に届いた光を感じるということです。光源から出た光は直進します。光は物に当たると反射したり、空気中から水中など異なる物質を進むときには境目で屈折したりします。身のまわりで起こっている現象には、光の「直進」「反射」「屈折」のどの性質が大きく関係しているのでしょうか。
この問題では、「ある種の鳥が水中の魚を捕まえるとき、斜めではなく真下に飛び込むのはなぜか」という理由を、光の進み方と結びつけて考察していきます。鳥のこのような習性についての知識は、持っていない人が多いかもしれません。しかし、問題で示された情報から鳥が魚を捕まえるときの状況をとらえ、その状況での光の進み方を結びつけることで、鳥が真下に飛び込む理由を論理的に説明することができるのです。
この問題に取り組むことによって、学んできたことがらをもとにしながら、初めて見る生物の習性についても筋道を立てて考えるという経験ができます。また、このように論理的な思考をすることで、「あの生物の行動は、このような理由だったのか!」「なぜ、こんな現象が見られるのだろう?」というように、さらに興味や関心がふくらみ、科学的な視点でさまざまな事物や現象をとらえていくきっかけになるのではないでしょうか。
このような理由から、日能研ではこの問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにしました。