シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

頌栄女子学院中学校

2026年02月掲載

頌栄女子学院中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.良い文章と出会ってほしいから、生徒に寄り添い本を選ぶ

インタビュー3/3

年間5冊の課題図書。その内容を考査で問う

先ほど話題に出た「課題図書」は、どのような課題ですか。

下保先生 年5回の考査の中で問うことが多いですね。5月、7月、10月、12月、学年末考査で、それぞれ課題図書が1冊ずつ設定されます。課題の本を読んでおかないと解けない問題を出すので、それまでに本を読んで、内容を把握しておく必要があります。

神先先生 結構中学のときの課題として読んだ図書の内容を、高校になってからも覚えている生徒もいます。生徒にとって、かなり印象的な作品が選ばれているのかなと思います。

年間5冊もの課題図書を選ぶのは大変じゃないですか。

松本先生 基本的に国語科には本が好きな人が集まっているので、そこまで大変ではないと思います。自分の趣味も入れつつ、探しているのではないかと思います。

中学入試用の作品と課題図書とは別に探すのですか。それとも、常に頭にあって、課題図書を選んでいる中で見つけることが多いですか。

下保先生 そこまで意識はしていませんが、生徒がすすめてくれた本を読んでみるということはあります。

松本先生  僕も意識はしていませんが、書店に行った時に、入試のことも考えながら本を探すことはありますし、今まで読んできた作者や作品を思い出しながら、家の本棚を眺めてみたりすることはあります。

頌栄女子学院中学校 正門

頌栄女子学院中学校 正門

図書館も全教員のお勧め本を紹介

下保先生 図書館から毎月、購入予定の本のリストが送られてくるので、あらすじを読んで、気になった本にチェックを入れると、早めに貸し出しをしてもらえます。

松本先生 毎年1回、図書館から全教員に向けて「おすすめの本を紹介してください」という依頼がきます。紹介すると、それをまとめたものを生徒に配布してくれるんですね。生徒たちはその案内を見て、本を借りに行きます。各教科に関わる本が出てきますし、どの先生がどんな本を勧めているのかもわかるので、興味があるようです。

神先先生 その時期は図書館内にコーナーが設置されます。中にはかなり難しい本などもありますが、生徒たちは頑張って読んでいます。

下保先生 図書館では生徒の購入希望も受け付けています。また、図書館の先生と一緒に、新宿の書店に行って、気になる本を購入できる「ブックショッピング」というイベントも行われています。読書が好きな生徒は楽しそうにしていました。

頌栄女子学院中学校 校舎

頌栄女子学院中学校 校舎

入試とは関係なさそうな経験も大事にしてほしい

最後に、小学生に向けてのメッセージをいただけますか。

松本先生 個人的には、読書がいろいろな学習の基本になると思います。受験とは関係なく、今はいろいろな本を読んでほしいですし、お家の中で感想を言い合ったりすることは、見えない力を養うことにつながると思います。音読なども、ぜひやってほしいです。正確に読むことが大切だからです。助詞を1つでも読み飛ばしたら意味が変わってしまうので、そういうところも含めて、日常から言葉を大切に過ごしてもらえるといいと思います。

神先先生 私も、本はぜひたくさん読んでほしいなというのが1つ。そして本だけでなく、受験勉強という大変なものがある中でも、例えば小学校の授業ですとか友だちとの関係ですとか、そういった日常の些細なことだったり目の前のことだったりと、しっかり向き合って、いろんなことを考えて、日常の中で色々たくさんのものを吸収して、インプットして、かつそれをアウトプットする機会も大切にしていってもらえたら何よりです。

下保先生 私もお二人と同じようなことになりますが、友人との会話や、家族との会話を大切にしてほしいと思っています。スマートフォンの普及もあって、画面上でやり取りをしがちですが、そうではなくて、実際に顔を合わせて、言葉を尽くして、気持ちを伝えてください。自分の思いや考えを口にすることが恥ずかしければ、ノートや日記帳などに書いてもいいと思います。

頌栄女子学院中学校 クリスマス

頌栄女子学院中学校 クリスマス

面白い本、興味が湧く本に触れれば読書は身につく

子どもが本を読まないことに悩んでいる保護者の方が多いので、なにかヒントをいただけないでしょうか。

下保先生 本を読んでいない人に「読みなさい」と言われても説得力がないですよね。
子どもは、読んだ作品について話し合うことが好きなので、保護者の方も同じ本を読んで、子どもと一緒に語り合えたらよいのではないかと思います。本が会話のきっかけになることもあるかもしれません。

神先先生 私は、おすすめの図書を選ぶとき、半分ぐらいはおそらく本が好きな子が手に取ってくれるであろう中~上級者向けのものを選んでいます。一方、本が好きではない子には、入り口としてアニメ化、あるいは映画化など、映像化されたものの原作であったり、アニメの小説版であったり。そういう手を伸ばしやすい本を選んでいます。図書館にも積極的に置いてもらっています。入口はどのような形でもいいので、まずは本や文章に触れる機会を広く持つことが大切だと思っています。

松本先生 最初は本当になんでもいいと思います。高尚な作品や、難しい文章をいきなり読む必要はないと思います。単純に読んでいて面白いもの、興味が湧いてくるもので良いと思います。そういうものに触れることができたら、続くのではないでしょうか。

インタビュー3/3

頌栄女子学院中学校
頌栄女子学院中学校岡見清致の信仰に基づく教育事業として、頌栄学校を1884(明治17)年に開校。1947(昭和22)年に中学・高校となり、64年に頌栄女子学院と改称。94(平成6)年から高校募集停止、中学・高校6年間を通した教育をおこなっている。
プロテスタント系キリスト教主義の学校で、聖書の教えを徳育の基礎におく。女性にふさわしい教養を身につけることが方針で、高雅な品位や豊かな国際感覚を備え、社会に奉仕貢献できる人間形成を志す。校名の「頌栄」は神の栄光をほめたたえるという意味。自慢の制服も同校の教育方針に沿い、国際感覚にマッチするものとした。言動、身だしなみについては日常きめ細かく指導している。帰国生との交流により、多様な価値観をも育んでいる。
区の保護樹林に指定される木々に囲まれた運動場など緑にあふれる校内には有名な建築家ライトの高弟の設計による記念堂をはじめ、礼拝堂と講堂をかねるグローリアホールなど施設も完備。ホワイトハウスと呼ばれる校舎や新体育館も近代的。南志賀高原と軽井沢に山荘をもつ。食堂は高校生から利用可(テイクアウトは中学生も利用可)。パン類の販売あり。
中学では英・数の多くがクラス分割などの少人数制授業。このなかでは高校で学ぶ内容も取り入れられている。英・数は時間数も標準より多い。聖書の授業も週1時間組み込まれている。中3以上の数学・高2以上の英語では習熟度別授業を導入。中3では卒業論文を制作、夏休み前から準備し、6000字以上でまとめる。高2からは文科と理科、さらに高3では理科コースが2つに分かれる。進路に応じた選択科目も多数用意されている。中学では主要教科を中心に昼休み・放課後に補習を実施、高校では長期休暇中にも受験講習を行っている。ICU、青学、早慶などに推薦枠があるのも大きな魅力だ。
2期制で、土曜日は休日としている。1日は礼拝で始まり、中学・高校とも週1回の合同礼拝もある。高校では礼法の授業がありしつけにも厳しい。タータンチェックのスカートの制服はあまりにも有名。校内にはイギリスの学校の雰囲気が漂い、生活スタイルも校舎内で革靴を履いたまま過ごす欧米流。クラブ活動ではハンドベルクワイヤや弓道部が知られている。花の日礼拝、イースター、クリスマスなど礼拝形式の行事が多く、そのほかキャンプ、コ・ラーナーズ・デイ(研究発表会)、頌栄フィールド・デイ(運動会)、カナダとイギリスの語学研修など盛りだくさん。奉仕活動にも力を入れている。