シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

頌栄女子学院中学校

2026年02月掲載

頌栄女子学院中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.授業でも取り組む〝俳句づくり〟を入試で出題

インタビュー1/3

生徒にとって魅力的な俳句を問題に

この問題の出題意図からお話いただけますか。

下保先生 テレビ番組の題材になっていたり、小学生でも扱われていたりするため、俳句を実際に作ってみる問題にしたら面白いかもしれないと思いました。頭の中で浮かんだイメージや、自分が実際に感じたことを、自分の中だけにとどめるのではなく、五、七、五の限られた17音の中で、表現して、その俳句にこめた思いを自分の言葉で他者に伝えられるかを見たいと思いました。

授業でも俳句を作るのですか。

下保先生 中2、中3では俳句を作る授業があります。普段国語に苦手意識を持っている生徒も、俳句を作る授業の時は生き生きとしています。教員が生徒の作った俳句を作者を伏せて発表したあと、投票する句会のような授業もありました。授業後には俳句を詠んだ人を予想し合うやりとりも教室で聞こえるんですよ。

生徒たちにとって魅力的なものであれば、受験生も緊張感がある中でも、少し肩の力を抜いて取り組むことができるのではないかなと思いました。

国語科/下保 明日香 先生

国語科/下保 明日香 先生

桜の色に注目した俳句が印象的だった

受験生は楽しく作っていましたか。

神先先生 受験生もそのようであったというお話が面接官から聞こえてきました。「試験はどうでしたか」という質問に対して、「『国語で俳句を作る問題が出て面白かった』というような声があった」という話を結構聞きました。こちらとしては、受験本番のすごく緊張している中でも、少しでも楽しんで解いてくれたらいいなという気持ちがあったので、実際そのように感じてくれた受験生の方がいたと知って、すごく嬉しかったです。

印象に残っている俳句はありますか。

下保先生 入学試験で出したので、受験に関するものが多いのかもしれないと思っていたのですが、予想に反して、桜の景色や、出会いと別れを詠んでいる受験生が多かったです。あまり予想していなかったのが、桜の色に注目した俳句です。

国語科/神先 綾乃 先生

国語科/神先 綾乃 先生

俳句づくりと解説文をセットにした問題

俳句だけでなく、解説文を書かせるというアイデアは、どのようにして生まれたのですか。

神先先生 最初から解説文というアイデアがあったわけではなかったのですが、俳句を書いてもらいたいとなったときに、俳句だけだと、どうしても主観や感性の部分など、点数では測れないところがあるので、いかに試験という形に落とし込むかと検討した結果、解説文というアイデアが出てきたという感じです。

下保先生 最初は制限をなにも設けずに出すという話もしていたのですが、限られた時間の中で作るので、ある程度のルール、制約があったほうが取り組みやすいかと思って、五、七、五の字数制限をしたり、テーマも受験生にとって比較的身近な桜を選ぶことにしたりしました。ただ、我々の予想に反して、桜色から連想されることをテーマで俳句を作っている受験生もいたので、制約がありつつも、その中で受験生が自由に自分の考えや体験をもとに作れたと思います。

どのように採点しているのか、可能な範囲で教えていただけますか。

下保先生 今回は五七五の17音というところと、「桜という言葉を必ず使ってください」という設定があるので、そこは最低限クリアしてもらう必要があります。ですが基本的には解説文が実際に作った俳句の説明になっているかという部分を見て、採点しました。

頌栄女子学院中学校 校舎内

頌栄女子学院中学校 校舎内

言葉の大切さが伝わる文章を選んだ

文章は下保先生が選んだのですか?

下保先生 読んですぐにこれにしよう、と思い、神先先生と相談して決めました。言葉の大切さ、美しさがよく伝わる話だなと思いました。最近の中学生を見ていると、「やばい」などの単語で、人との会話を完結させようとする傾向があると思います。ですが自分の思いを伝えるときは、できる限り言葉を尽くしてほしいです。単語だけでは伝わらない思いはあると思っているので、そのような部分を省略せずに、自分の気持ちを文章化してもらえたらいいなという思いがありました。

神先先生 小学校でも、最近、俳句を作る活動が増えていると聞いていました。受験勉強に一生懸命向かっている中でも、一見受験勉強とは関係なさそうな、小学校での言語活動や表現活動を大切にしてくれているかどうか。そういう面も、この問題を通して少し垣間みられたらいいなという思いがありました。

インタビュー1/3

頌栄女子学院中学校
頌栄女子学院中学校岡見清致の信仰に基づく教育事業として、頌栄学校を1884(明治17)年に開校。1947(昭和22)年に中学・高校となり、64年に頌栄女子学院と改称。94(平成6)年から高校募集停止、中学・高校6年間を通した教育をおこなっている。
プロテスタント系キリスト教主義の学校で、聖書の教えを徳育の基礎におく。女性にふさわしい教養を身につけることが方針で、高雅な品位や豊かな国際感覚を備え、社会に奉仕貢献できる人間形成を志す。校名の「頌栄」は神の栄光をほめたたえるという意味。自慢の制服も同校の教育方針に沿い、国際感覚にマッチするものとした。言動、身だしなみについては日常きめ細かく指導している。帰国生との交流により、多様な価値観をも育んでいる。
区の保護樹林に指定される木々に囲まれた運動場など緑にあふれる校内には有名な建築家ライトの高弟の設計による記念堂をはじめ、礼拝堂と講堂をかねるグローリアホールなど施設も完備。ホワイトハウスと呼ばれる校舎や新体育館も近代的。南志賀高原と軽井沢に山荘をもつ。食堂は高校生から利用可(テイクアウトは中学生も利用可)。パン類の販売あり。
中学では英・数の多くがクラス分割などの少人数制授業。このなかでは高校で学ぶ内容も取り入れられている。英・数は時間数も標準より多い。聖書の授業も週1時間組み込まれている。中3以上の数学・高2以上の英語では習熟度別授業を導入。中3では卒業論文を制作、夏休み前から準備し、6000字以上でまとめる。高2からは文科と理科、さらに高3では理科コースが2つに分かれる。進路に応じた選択科目も多数用意されている。中学では主要教科を中心に昼休み・放課後に補習を実施、高校では長期休暇中にも受験講習を行っている。ICU、青学、早慶などに推薦枠があるのも大きな魅力だ。
2期制で、土曜日は休日としている。1日は礼拝で始まり、中学・高校とも週1回の合同礼拝もある。高校では礼法の授業がありしつけにも厳しい。タータンチェックのスカートの制服はあまりにも有名。校内にはイギリスの学校の雰囲気が漂い、生活スタイルも校舎内で革靴を履いたまま過ごす欧米流。クラブ活動ではハンドベルクワイヤや弓道部が知られている。花の日礼拝、イースター、クリスマスなど礼拝形式の行事が多く、そのほかキャンプ、コ・ラーナーズ・デイ(研究発表会)、頌栄フィールド・デイ(運動会)、カナダとイギリスの語学研修など盛りだくさん。奉仕活動にも力を入れている。