シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

サレジオ学院中学校

2026年01月掲載

サレジオ学院中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.試験問題にはサレジオ学院中学入学への想いがたっぷり詰め込まれている

インタビュー2/3

サレジオ学院の数学の授業の特徴について、先生方はどのように考えていらっしゃるのかについてお聞かせください。「こんなふうにみんなやってるよ」とか「こういう力を育てていきたい」と思ってやっているんだといったものはありますか?

倉知先生 基本的に、入学試験問題の中には入学後に本校で学んでもらいたいエキスや想いが込められています。文科省が言っている「知識」の部分に関してはまずしっかり身につけてほしいと思っていて、中学に入学したあともその知識を元にしていろいろ考えてできるようにしてもらいたいと考えています。

まずはしっかり教科書の内容をできるようにしないと、難しい問題をやろうとしても武器として使えるものがないので、そこは授業の中でしっかり定着させていきたいですし、プラスして「思考力」と言われる問題にもトライしていってほしいと思います。

たとえば私の場合ですと、一つの授業だけではなく中間までのいくつか節ごとにスタンスを分け、2~3時間をこの節で取ろうとまずは決めます。そして、1時間または2時間ぐらいかけて知識の部分を繰り返し定着させ、その後難しい問題を出して「どうやってるのか」確認していくといった授業を行っています。

亀田先生 私の場合、生徒は楽しくないかもしれないですが、私自身楽しくやるようにはしているつもりです。たとえば、自分が高校生だった頃に「面白いな」と感じていたことは、同じように今の生徒に共有できればいいなと思っています。

先生方独自のプリントを作ったりすることもありますか?

倉知先生 担当教員が生徒に合わせて、かつ生徒が理解しやすいようにそれぞれ工夫してやる方針で授業が展開されています。進度に関しては「この時期までにここまで進みましょう」というのを事前に決めておくぐらいです。

数学科/倉知 栄作先生

数学科/倉知 栄作先生

昔と今の教育スタイルの変化

授業において「対話型」とか「グループワーク」の取り組みは行っていますか?

亀田先生 今から6年前ぐらいの生徒たちは、大学入試改革が叫ばれていろいろと言われた学年だったと記憶していて、その頃は「アクティブラーニング」や「グループワーク」を取り入れてみた時期もあったのですが、今は、その時のようにはやっていません。

ただ、その時にやってきたことで今も取り入れていることがあります。これまでは説明しながら板書して、といったオーソドックスな授業をしていたのですが、解く時間を生徒にあげてその間に板書を穴埋め形式で書いておく、といった具合に説明しながら穴埋めする感じにした授業を行うようになったりと、多少のマイナーチェンジはできたように感じます。

あとは、身近な題材で数学を使った問題解決場面とか、共通テストに出てくるような題材を授業の中で取り入れるようなことをするようになりましたね。それが昔との違いかなと思います。

サレジオ学院中学校 食堂

サレジオ学院中学校 食堂

生徒同士の教え合いは効果的

「アクティブラーニング」を取り入れてみた効果は、他にはありますか?

亀田先生 当時はたくさんの研修会に参加しました。授業に取り入れるのはなかなかしっくりこず、やりにくいことも多かったのを覚えています。

ただ、アクティブラーニングを通じ、補習の時間にできなかった子同士で教え合うといった光景を見るようになってきました。それまでは一方的に教員が説明し、わからなかった子に順番に説明するといったスタイルでしたが、できない子同士といってもある生徒ができないことと別の生徒ができないことは違っていたりすることは当然あるわけです。それに、苦手な子の場合は説明していても途中で寝てしまったり飽きてしまったりするので、お互いに補完し合うなどしてグループで解決していき、それでも本当にわからなかったことだけを説明する形式に変えていきました。その点はアクティブラーニングを行ったことが良かったと感じるところです。

なるほど。確かに生徒同士の教え合いはすごくよいと皆さんおっしゃいますね。

サレジオ学院は理系比率がやや高め

理系に進む子と文系に進む子の割合はどれくらいの比率ですか?

倉知先生 例年理系に進む生徒がやや多い感じです。数学がものすごくできてこちらが「もう勘弁してくれ」って思うぐらいの生徒も中にはいます。

すごくできる生徒がいる一方で、きちんとサポートしてあげないといけない子もいると思います。基本的に御校の場合はきちんとやっている生徒が多いように感じるのですが、できない生徒に対するサポートはどのような形で行っているのですか?

倉知先生 できていない箇所がある生徒には、ほぼ全員に対して補習を行い、ケアしていくように努めています。とはいえ、他校のことはよく分かりませんが、よく頑張っているなとは思います。

サレジオ学院中学校 ラーニングカフェ

サレジオ学院中学校 ラーニングカフェ

それぞれの教員が独自のスタイルで生徒をサポート

先ほど進度は揃えるという話はお聞きしましたが、「ここはみんなで一緒にやろう」といったものはあるのでしょうか?

倉知先生 それはないですが、どの教員も負けず嫌いなので「他の学年に勝とう」といった意識は非常に強いかもしれません。とはいえ、補習を行ったり宿題のチェックや小テストを実施したりすることについては、どの学年もやっていると思います。

教え方もそれぞれ異なりますから、プリントを自分で配って穴埋めさせている先生もいます。担当教員が教えやすいように、かつ生徒が理解しやすいように工夫してやっていますので、すごく雰囲気はいいですね。

インタビュー2/3

サレジオ学院中学校
サレジオ学院中学校ドン・ボスコ(1815年北イタリア生)が設立したサレジオ修道会が、1960(昭和35)年に目黒サレジオ中学校を創立。75年に川崎市鷺沼へ移転。91(平成3)年にはサレジオ学院へ改称。95年に港北ニュータウンに新築移転を果たす。大阪星光学院もサレジオ会により創立された姉妹校。
港北ニュータウン内に位置し、校地は約4万8千平方メートルの広さに及ぶ。そのなかにグラウンド、テニスコート、体育館、サブ・グラウンドを配するなど、校地の大半以上を充実したスポーツ用地が占め、大きな魅力のひとつとなっている。ほかにドン・ボスコシアター、サレジオホール(食堂)、コンビニエンスストア、サビオ館などの施設がある。
少人数の家庭的な雰囲気のなか、キリスト教精神に基づく情操教育を実践。週1時間の宗教の授業(中1は2時間)「朝のはなしの放送(人生の道しるべの話)」「カテキスタ(宗教教育を担当する人)」によるカウンセリング、生徒が自分らしく、いきいきと過ごせるコミュニケーションルームの設置などを通じて豊かな人間形成を目指す。
中学では学習姿勢を養うことを重点におくが、高3ですべての教科で演習中心の授業ができるようなカリキュラムを構成。英語は『New Treasure』を使用。中学の英会話も2分割授業を行うティームティーチングを実施。高1までは4クラス編成、高2から文理分けし、6クラス編成として1クラスの人数を減らし、きめ細かな指導をする。補習は中学では英・数を中心に必要に応じて実施。夏期・春期講習は指名制・希望制で行い、高2・高3では約1週間の勉強合宿もある。大学受験も学校の授業だけで十分対応できる体制を整えている。夜9:00まで使用できる自習室がある。
サレジオ学院の基本方針「アッシステンツァ(ともに居ること)」のもとで明るく家庭的な校風が築かれてきた。学校行事は多彩で、四季折々のプログラムが用意されている。特に感謝祭、慰霊祭、クリスマスの集いは学校の個性が表れる。そのほか林間学校(中1)、スキー教室(中2)、研修旅行(中3、全員、イタリア)、フィリピンの語学研修(高校、希望制)、文化祭、秋季校外学習、マラソン大会など。クラブ活動は文化部11、体育部9、同好会3あり、活動は週3日。中学テニス部は2年連続全国優勝の快挙を成し遂げた強豪だ。他にも、カトリック研究会では、ボランティアやフェアトレードコーヒーの販売などを行っている。