シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

学習院女子中等科

2025年12月掲載

学習院女子中等科の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.学力・多様性・協働力を育てる環境

インタビュー3/3

理科の授業を通して、生徒さんにはどんな力をつけて大学や社会に出て行ってほしいとお考えですか?

増渕先生 大学などの高等教育機関に進んだ際には、そこで中心となって活躍できるような生徒になってほしいです。そのために十分な学力を付けさせる点においては、我々が責任を行っていく必要があると思っています。

あとは、なるべく幅広く勉強していってほしいですね。もちろん専門の力は必要ですし、ないといけないものだとは思うのですが、多様性が求められる時代には、それだけでこれからグローバルに活躍していけるのか?というと、いろいろな分野の知識を持っていたり通じていたりするものがないと、そこは難しいかなと感じます。

あと友達との学びあいも大切ですね。本校は一人一人をダイヤモンドの原石と考え、互いに学びあうことを大切にしています。互いを尊重しあいながら、いい関係で勉強できる生徒が多いと感じますので、友達との関係も大事にしてほしいと思っています。

学習院女子中・高等科本館 すべてのHR教室(5クラス×6学年)は南向きに配置され、吹きぬけやルーフテラスなど、採光を重視したつくりになっている

学習院女子中・高等科本館 すべてのHR教室(5クラス×6学年)は南向きに配置され、吹きぬけやルーフテラスなど、採光を重視したつくりになっている

子どもと一緒に「面白い」と感じるものに興味・関心を抱いてみる

普段の日常生活において、理科への興味・関心を育む方法として、親が子どもに与えられるものとしてはどのようなものがあると思われますか?

増渕先生 親も子どもと一緒に不思議と感じたり、何でも面白がってみることが大切だし、忙しいからと考えることを断捨離しないことも大切ではないかと思います。本校の生徒でも、実験をすると「これってどうなんですか?」って、こちらが思いもよらないようなことを聞いてきたりします。教員も分からないことは分からないで生徒と一緒になって考えたりしていると、いろいろなを気付きをもらえることがありますし、生徒も先生と一緒に探究活動をしている心持ちにもなるようです。

栗原先生 私の娘は、二人とも文系で、親としては理科の楽しさを伝えられなかったかもしれませんが、親が勉強している姿や本を読む姿を見せる、普段の会話にニュースを取り入れるといったことは大切だと思います。

あとは面白そうなものに向かっていく姿勢を、何歳になっても子どもに見せられると良いですね。点数を取るための勉強ではなく、もう少し世界が広がっていくような勉強をする。それが結果として自分の受験勉強の役に立ったり、中学・高校になったところで「こういうことだったんだな」というのに繋がっていったりするのかな、と思います。

最後にこれから学習院女子を目指す受験生に向けてのメッセージをお願いいたします。

増渕先生 理科に関して言いますと、物化生地という4つの分野があり、それぞれ講義の教室と実験の教室があって、施設や設備、環境面で本校は申し分ないと思っています。

そういうところで、知的な好奇心をたくさん持ち、さらに深めてみようと思っているほかの生徒たちと一緒に勉強できる環境は整っています。学校の在り方や姿勢に関心を抱いていただけましたら、学校説明会や文化祭などにお運びいただき、志願していただけましたらありがたく存じます。

一学年200人の学校でそんなに大きくはありませんが、とはいえ女子だけ200人いると考えると結構な人数の生徒がいるともいえます。同じような目的を持った人とともに活躍ができますし、今は本当に趣味や思考が多様だと思いますが、本校には必ず仲間がいます。

それに加えて、ロールモデルとなる仲間も本当にたくさんいます。生徒は、「あの先輩のようになりたい」といった憧れの意識が強く、モデルを見つけて成長を加速させていくんですね。卒業生も含めてロールモデルになりそうな先輩や同級生がたくさんいますので、本校でダイヤモンドの原石である自分自身をしっかり磨いてほしいと思います。

地学実験室の廊下に展示されている標本は直接手に取って観察できる。壁には生徒が持ち寄った地球科学に関する新聞や雑誌の切り抜きが「かわら版」として掲示されている

地学実験室の廊下に展示されている標本は直接手に取って観察できる。壁には生徒が持ち寄った地球科学に関する新聞や雑誌の切り抜きが「かわら版」として掲示されている

インタビュー3/3

学習院女子中等科
学習院女子中等科1847(弘化4)年、京都で開講された公家の学習所がその起源。1885(明治18)年に華族女学校開校、創立140年を迎える。1906年学習院と合併し、学習院女学部となる。1918(大正7)年に学習院から女学部が分離して女子学習院となる。1947(昭和22)年、宮内省の所管を離れ、私学として現校名に。1999(平成11)年から高校募集停止。
重要文化財でもある鉄製の正門を入ると、四季折々の自然が望める6万6千m2の広大な敷地に女子中・高等科と2026年より学習院大学国際文化交流学部となる校舎がある。理科・芸術科・家庭科は科目ごとの専用教室があり、コンピュータ室や、2つの体育館、温水プール、テニスコート、グラウンドなど施設も充実。沼津游泳場など校外施設もある。官立から普通の私立として再発足してから80年に及ぶ歴史をもつ。「広い視野、たくましい創造力、豊かな感受性」を教育目標とし、世界的視野に立って、広く国際社会に貢献できる積極的な女性の育成をめざす。校内は気取らず明るく活発な雰囲気。
実験や実習を多く取り入れた授業を展開。特に創造性に富む表現力、情報を的確に伝える論理的構成力を育てるため、国語の作文、理科や社会のレポート作成などに力を入れる。中1の国語(古文・表現)、中1の数学(数量)・中2の数学(図形)・高1の数学Ⅰ、中1の技術家庭では1クラスを2分割。中1・中2の保健体育(水泳)、中2の技術家庭、中3の社会(公民)では1クラスに2人の教員が入るT.T.の形をとっている。また、英語はすべての学年で少人数制の授業。帰国生を除き、中等科では均等分割をして基礎力を強化し、高等科からは習熟度別授業を行う。高等科ではドイツ語・フランス語も履修できる。高2で文系・理系のコース制を導入。高3では卒業レポートを作成。55%程度が学習院大学へ推薦入学するが、最近は国公立大や早慶上理や医歯薬系への合格者も伸びている。海外の大学への進学者も増えている。
校長を科長、ホームルーム担任を主管と呼び、あいさつは、常に「ごきげんよう」である。「ことば」の尊重とともに芸術教育も盛ん。道徳の時間には、正式な作法教育も取り入れている。林間・臨海学校、運動会、文化祭、学芸会、スキー教室など行事も多い。クラブは文化部20、運動部11、同好会3と活発。特にテニス、ブロックフレーテ・アンサンブルは好成績を収める。運動部1と文化部1、または文化部2の合計2つまで入部可。オーストラリアの姉妹校メソディスト・レディーズ・カレッジで英語を学ぶ研修旅行や中3・高2希望者対象のイギリス・イートン校でのサマースクールなどがある。