今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
学習院女子中等科
2025年12月掲載

2025年 学習院女子中等科入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
四季のある日本では、1年を通してさまざまな花が咲(さ)きます。花は、花粉を運ぶ動物を呼び寄せるための目印でもあります。花粉を運ぶ動物は送粉者と呼ばれ、送粉者によって運ばれた花粉が受粉することで、はじめて子孫を残すことのできる植物もいます。送粉者をおびき寄せる必要のある花は目立つ色をしています。例えば、深紅色の花に鳥が近づくのは、その色に鳥がびん感だからだと考えられています。また、送粉者としてよく知られるハチ類は、むらさき色に強く反応し、ハエ類は白や黄色を好むけい向にあります。右図は、日本とニュージーランドの高山で花を訪れた送粉者の割合を示したものです。夏になると、高山には「お花畑」と呼ばれる草原が広がります。日本の「お花畑」では色とりどりの花が咲き、様々な送粉者が訪れます。

(問)ニュージーランドの「お花畑」にはどのような特徴(ちょう)があると考えられますか。また、そのように考えた理由も答えなさい。
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この学習院女子中等科の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
(特徴)白や黄色の花が多い。
(理由)送粉者の多くを占めるハエ類が白や黄色を好むから。
解説
日本とニュージーランドの高山で花を訪れた送粉者の割合を示したグラフより、日本ではハエ類が65.6%、ハチ類が32.0%で、ニュージーランドではハエ類が90.3%、ハチ類が5.8%であることが読み取れます。また、ハチ類はむらさき色に強く反応し、ハエ類は白や黄色を好む傾向にあることが、問題文中で説明されています。これらのことから、送粉者の約9割がハエ類であるニュージーランドの高山では、ハエ類が好む白や黄色の花が多く咲くと考えられます。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
ニュージーランドは、多くの子どもにとって未知の土地でしょう。
しかし、この問題では、子どもたちが理科を学ぶ中で身につけてきた動物と植物の共生関係についての知識をもとに、問題に示されたグラフと文章を結びつけることで、ニュージーランドの高山に広がる「お花畑」の様子を推測することができます。グラフは、花粉を運ぶいろいろな動物の割合を示していますが、文章中にある、それぞれの動物が反応したり好んだりする色の情報を結びつけると、動物の割合を高山で見られる花の色の割合に置き換えてとらえることができます。
このように、直接示されていない情報を見つけ出すことで、見たことのないお花畑の景色を思い浮かべることができるのです。また、「今、目の前に広がる景色には、その景色をつくり出す原因となるものがある」という見方に気づき、いろいろなものを見るときの視野が広がるきっかけにもなることでしょう。
このような理由から、日能研ではこの問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにいたしました。