出題校にインタビュー!
共立女子中学校
2025年11月掲載
共立女子中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.テキストで学ぶだけでなく、身近なことからも学ぶ習慣を身につけよう
インタビュー3/3
学校周辺で日本の歴史が動いている!
この立地が社会科とつながることはありますか。
宮島先生 千代田区役所が近いので、選挙管理委員会で本物の投票箱をお借りして、高2で毎年模擬投票を実施しています。直近の国政選挙を題材にして、政党を比較し投票します。実際の選挙と異なってしまうと、逆に借りられなくなってしまうのですが…
面白いですね。他に何かありますか。
菊地先生 裁判所にしても、どこに行くにしても、近いので、それはメリットかもしれませんね。ある日、部活に遅れてきた中3の生徒に理由を聞くと「裁判所見学に行ってきました」と言うのです。そんな距離感なんですよね。
宮島先生 人数が多いので、全員で行くのは、なかなか難しいので裁判所の見学は希望制で行っています。
菊地先生 少し前には皇居に連れて行ったこともありましたよね。江戸城は歴史がらみですけど。社会科とは関係ありませんが、最近、学年の企画で中2が神保町散策に行きました。それはリーダーシップ教育のプログラムです。神保町をよりよくするための企画を考える活動で、町内会の人に来ていただき、各クラス代表チームは講堂でプレゼンをしました。そこにカレーグランプリをやっている町内会の方が来てくださり、お話してくださったみたいです。ですから、校内には神田カレーグランプリの冊子が置かれています。ポスターも貼ってあります。
社会科以外でも、つながりがあるのですね。
菊地先生 そうなんです。結構そういうプログラムを学年で実施しています。歴史でやるとしたら、昔の神保町は、というところから、「学校の住所は一橋で、徳川慶喜の家がすぐそばで……」と、大河ドラマにつながる話をしたり。「歴史総合」の授業では、世界史選択の生徒にも日本史を教えなければいけません。その中で、桜田門外の変が久しぶりに出てきたんですね。生徒は皇居がすぐそばにあることはわかっているので、「それが起きたのはその辺だよ。学校のすぐ近くで日本の歴史が動いているってすごくない?」と言うと、みんながうなずいていました。
共立女子中学校 校舎
考える種は身近にある
菊地先生 社会科が本領を発揮するのは中3の関西修学旅行や、高2の九州修学旅行です。以前は5~6時間かけて事前指導をしていました。
宮島先生 「歴史の授業で触れたものを実際に見てくるよ」ということで、それが事前のオリエンテーションになっていましたね。
菊地先生 今も学年所属の社会科の教員が、資料を作ったり、授業の中で取り上げたり、現地でも生徒の質問に応えたりしています。
宮島先生 今年の中3は、社会科にこだわらず、「事前に『?』をたくさん出して、現地で『!』に変えてこよう。発見してこよう。調べてこよう」ということでやりました。「?」はいろいろです。例えば、「抹茶はどのくらい美味しいのか?」とか、「八ツ橋はどんな種類があるのか?」とか、「関西弁を実際に聞くとどんな感じか?」などなど。生徒たちにとって本当に身近な「?」です。ただし、「現地で確認して来れるものにしよう」ということで、実際にお話を聞いてきた生徒もいます。「伏見稲荷の鳥居は何本あるか」という「?」は、実際に行ったものの、思っていた以上に数が多くて数えることができなかったという生徒もいました。
実際に自分で足を運んで、見てこようというのが、今年度のテーマでした。今年は、新しい探究プログラムに最初に取り組んだ学年なので、自分で問いを立てる練習として行いました。
菊地先生 「考える種は身近なところにあるよ」ということをわかってほしいという思いがあるんですよね。毎日の学校生活はもちろんのこと、学校行事もそうですし、学年で行った神保町での学習もそうですが、そこで社会科的な学びがヒントというか種になるといいなと思っています。
共立女子中学校 瑞香庵
いろいろなことに興味関心をもってほしい
生徒さんには、どんな力をつけて巣立ってほしいと思っていますか。
宮島先生 今、菊地先生が話したことと重なるのですが、やはり知ろうとすること、なんでだろうと疑問を持つこと、考え続けることですね。「これが答えだ」ってスッキリ終わるのではなくて、本当にそうかなと、粘り強く問い続けることは、社会科の力で重要なことかなと思っていますし、そういうことを授業を通じて、また日常生活通じて生徒たちに身につけてほしいと考えています。
菊地先生 それこそ中2ぐらいからは発表系や調べ学習系が多くなるので、単純にネットで拾った情報をバンと貼りつけただけではなくて、それは使っていい情報なのか、どう使うのか、というところをきちんと判断して、自分のものにしてもらいたいなと思っています。大学に入るにあたっても、そういう部分は必要だと思います。
宮島先生 今はいろいろなことに関心を持ってもらいたいと思います。幸い、生徒数が多いということもあって、いろいろな人とつながりを持てますし、いろいろな価値観に触れることができるので、たくさん関わりを持ってほしいなという思いはありますね。
共立女子中学校 メモリアルホール
常に疑問をもって勉強しよう
最後に、小学生に向けてメッセージをお願いします。
菊地先生 覚えるだけで満足しないでもらいたいなと思います。「なんでこうなったの?」とか、「この言葉ってどういうこと?」とか。常に疑問を持って勉強してもらいたいなということです。社会科でも、いろんなことを知りたいとか、いろんなことを楽しみたいとか、いろんなものに触れたいとか。そういう興味関心というものを大事にしたいと思っています。そういう姿勢をもっているお嬢さんに入ってきていただき、勉強のほうでもその姿勢を活かしてもらいたいと思っています。
机上の学習だけでなく、外に連れ出すと、スーパーでも学習できることはたくさんあります。テレビを見ると、ニュースに取り上げられている国が、意外と入試でそのまま聞かれることもあります。そういう机に向かって勉強する以外の部分が、社会科は特にためになるというか、受験勉強になる科目なので、息抜き半分で大切にしていただけるといいかなと思っています。私たちも、そういうことが生徒のためになるような問題を作るように努力しております。
宮島先生 私もお伝えしたいことは同じで、そういうメッセージを入試問題を通じて、伝えられるといいなと思っております。
菊地先生 共立は「東京一出会いの多い女子校」です。社会科の教育や授業にも、人数が多いとか、リーダーシップを発揮できるとか、プレゼンができるとかその特徴が少し反映されているとお考えいただければありがたいです。
インタビュー3/3
1886(明治19)年、当時の先覚者たちが創立した共立女子職業学校が前身。2006(平成18)年に高等学校からの生徒募集を停止、中高の校舎も一体化した新校舎となり、完全中高一貫校に。「女性の自立」という建学の精神と「誠実・勤勉・友愛」の校訓に基づき、どのような場所・場面においても輝き、翔ばたくことができる女性を育成。比較的生徒数が多いこともあり、学校生活は活気に満ちていて、行事もとても盛ん。