出題校にインタビュー!
共立女子中学校
2025年11月掲載
共立女子中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.共立の学校生活をイメージできていると解答しやすい問題づくりを意識
インタビュー2/3
全教科で思考力や表現力を問う問題を出題
入試問題全体の特徴をお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
菊地先生 ものすごく難しいテキストに小さく書いてあるようなことは出さないようにしています。ただ一問一答的に覚えていると、違う聞かれ方をされたときにその答えが出てこないなど、答えを知っているのに解答できないということがあり得ます。そこに気をつけて、必要な知識を勉強してきてもらえれば、ある程度得点が取れる試験になっていると思います。
また、今回の問題もそうですが、社会科の入試問題には、共立の学校生活をある程度イメージできていると解答しやすいところがあります。それは本校のことをわかっているお嬢さんに入ってきていただけるとありがたいという思いがあるからです。また、おそらく一生懸命テキストを見て覚えて、入試に臨んでいると思いますが、そこで学習したことはあなたの身近な世界とつながっているんだよ、ということを、入試問題を通じて感じてもらいたいなという思いがあります。
順番は決まっていますか。
菊地先生 そうですね。歴史が1問、地理は2問。1問は主に世界地理です。もう1問は日本のこと、と少し世界地理がらみで、データを活用した問題が多いです。あまり世界のことを聞くと乱暴な出題になってしまうので、読み取りなどの問題になっています。最後に公民系が1問。時事的なものは適宜散りばめられるところに散りばめているかなという感じですね。あとはグラフの読み取りと、文章を書く問題も必ず入っています。どの教科も同様に、思考力や表現力をある程度測れる出題になっていると思います。
広報部副主任・社会科/菊地 裕文 先生
考えるヒントになる言葉が散りばめられている
他の問題でも、こうした手がかりを入れていますか。
菊地先生 地理の問題では、リード文にヒントとなるような文言を入れています。大学入試でもそうですが、選択肢だけでもわかるというような問題にはしないことを心がけています。きちんと本文を読んだ上で、展開を踏まえて考えたほうが解答しやすいというか、答えが決まりやすい問題も設定しています。全部文章だと読むのが大変なので、地図と図版だけの問題なども作ってバランスを取っています。
漢字指定についてはどうお考えですか。
菊地先生 漢字で書けるように準備はしてきていただきたいのですが、全部漢字で書いてもらうには無理があるので、菅原道真など間違いやすいものについては、差をつける意味で漢字指定にすることもあります。打ち合わせをしながら決めています。
共立女子中学校 図書室
いろいろな糸口から答えを見つけてほしい
地形図などを出す意図を教えてください。
菊地先生 社会科特有の情報処理というと地形図と雨温図になると思います。その辺は毎年、どちらかの日程で、ないしは両日、出すこともあります。グラフや表の読み取りについては、1つの方針でもあるので、社会科であればこういうものを読み取れる力をつけてほしいというメッセージとして出題しています。理科の実験結果のような、単純な表やグラフだけではなく、地図など、社会科らしいものをもっと出したいのですが、中学受験の範囲を逸脱してはいけないので、地理分野の問題で、地形図と雨温図を出させていただいています。
最近はそれを踏まえて解く問題や、標高がヒントになるような問題が出ていましたね。
菊地先生 気温や降水量だけでなく、雨温図や地図で場所まで示しておいて、その地図からの情報や、雨温図からの情報など、「いろいろな糸口から答えを見つけてごらん」というメッセージですね。
共立女子中学校 図書室
2月1日、2日に関連性のある問題を出題
入試は3回ありますが、3回ともコンセプトは同じですか。
菊地先生 1日、2日は一緒です。本校の入試の特徴として、1日、2日に関連性のある問題を出すことが多い点だと思います。もちろん全く同じ答えが出る問題ではありません。1日に答えだったものが、2日の問題部分に入ってくるというようなことを意識しています。繰り上げ合格もありますので、複数回受けていただく場合、社会科は1日の問題をもう1回、復習していただくと、次の日の問題が解きやすい場合があります。例えば、1日に人の名前を聞いたとすると、2日目はその人が何をしたかを聞くとか。必ずそうしなければいけないわけではないのですが、そういう意識をもって作っています。
ICTの視覚教材や資料を使う授業が増えている
続いて、社会科の授業の特徴についてお話いただけますか。
菊地先生 今、全教室に電子黒板が入っていますし、全員タブレットも持っていますので、写真や図版なども使いながら、ICTの視覚教材を使いながら興味を持ってもらうということを、どの教員もやっています。パワーポイントのスライドや、写真をタブレットで見せるとか、デジタル教科書を使っている教員もいます。
宮島先生 デジタル教科書は教員向けのものを黒板に映して使っています。私の場合は、授業で黒板に何かを書くということはほぼしていません。それでも生徒たちは、今までと比べて困ることはないですし、逆に資料を見せやすくなって助かっています。
私は公民を担当しているので、プラスアルファの資料として、例えば3分程度のNHKニュースの映像などをさっと見せることが多いです。新聞記事などの資料は、ロイロノートで送ると、生徒も手元で見られるので、よく使っています。本校は「日経電子版 for Education」を導入していて、生徒たちも自由に日経新聞を閲覧できるので、公民分野に関しては、「日経電子版でちょっと調べてごらん」というような使い方をしています。資料に触れることによって世界が広がるということを意識して授業を行っています。
共立女子中学校 エントランスホール
中1、中2は話を聞くことを重要視
ノートに文字を書く機会は減りましたか。
菊地先生 私は最近、高校の授業を担当することが多いのですが、数年前に中1の授業を担当したときは、あえてアナログの板書まとめにしました。中学の授業を持つ教員に話を聞くと、「中学ではきちんとノートを取れるようにしたいよね」という話をする教員が多いです。
特に中1や中2の担当者からはそういう話を聞きます。「板書でまとめたものに加えて、先生のメモを書き加えようね」「そういうことを意識して話を聞いてね」などと言って授業をやっているようです。タブレットに書いている生徒もいますが、求められている能力は前と変わらないと思いますね。
宮島先生 生徒は使い分けていますね。高校では「常にiPadを開けておいてね」と言うことも多いのですが、同じ公民の授業でも、中3の場合は教員の話をしっかり聞くことに注力させたいので、iPadを閉じている状態で授業を進めるようにしています。「資料送ったから、ちょっと開けてみて」と声をかけて、初めて開けるという形です。高校生はそういうことを気にせず、話を聞きながら、気になったことがあれば、どんどん調べていいと思いますので、使い方は、学年や成長段階に応じて変えています。ただ、日常生活では本当にいろんな場で活用しています。
共立女子中学校 食堂FooZoo
インタビュー2/3
1886(明治19)年、当時の先覚者たちが創立した共立女子職業学校が前身。2006(平成18)年に高等学校からの生徒募集を停止、中高の校舎も一体化した新校舎となり、完全中高一貫校に。「女性の自立」という建学の精神と「誠実・勤勉・友愛」の校訓に基づき、どのような場所・場面においても輝き、翔ばたくことができる女性を育成。比較的生徒数が多いこともあり、学校生活は活気に満ちていて、行事もとても盛ん。