シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

佼成学園女子中学校

2025年11月掲載

佼成学園女子中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.高大連携により「探究授業」も実のあるものに

インタビュー3/3

御校では探究の授業があると伺っていますが、具体的にはどのようなものですか?

二木先生 本校の探究活動は中学段階から体系的に位置づけており、中学ではクラス単位で担任が中心となって探究活動に取り組みます。

高校1年生では、高校からの入学生も多いため、改めて「探究活動とは何か」を学ぶプレゼミナールを実施し、探究の基礎を丁寧に確認します。

そして高校2年生になると、内容はより本格的になり、1人の教員につき7〜8名程度の少人数制ゼミナールを編成します。各教科から選出された教員の専門分野を生かしながら、生徒は提示されたテーマの中から興味・関心のあるものを選び、「一人1テーマ」で課題研究を進めていきます。

私自身も探究活動を牽引する役割として、6〜7年にわたり「先端技術・高大連携理系ゼミナール」を担当しています。理系の生徒の中でも、特に先端技術に強い関心をもつ生徒が集まり、意欲的に学んでくれています。

本校では、複数の大学と高大連携協定を結んでおり、文系では成城大学・桜美林大学・白百合女子大学、理系では東京都市大学、東京工科大学などと連携しています。高校ではなかなか実現できない高度な課題研究について、大学の先生方から専門的なサポートを受けられることが大きな特徴です。

他に授業で何か工夫されている点はありますか?

西口先生 私個人としては、デジタルでグラフを動かしてみることなどは意識しています。あとは、日常のことと絡めながら授業をしたり、習熟度別の少人数で学習する際には生徒と対話をしたり、できるだけ一方通行の授業にならないようには気を付けています。

現在、上のクラスの生徒たちを受け持っているのですが、何も教えなくても「これ、こうすればいいんじゃない?」といったことがクラスの中で行われているのを見ると、進歩を感じて嬉しく思います。一方で下のクラスの子たちも、簡単な問題を解いて「スタンプ押して」っていうことが競争につながっていたりするので、楽しい雰囲気でやれているんじゃないかと感じます。

佼成学園女子中学校 グローバルセンター

佼成学園女子中学校 グローバルセンター

数学ができなくても「嫌い」にはならないでほしい

御校ではグローバルな社会に世界内で活躍できる人を育てていこう、という使命があると思われます。数学の先生として、生徒にはこれからどんな学びを経て力をつけてもらい、社会に出て活躍してほしいと思われますか?

二木先生 本校が特に力を入れている教育の一つが「英語教育」です。建学の精神の中に「世界平和に貢献できる人材の育成」を掲げており、その実現に向けてグローバル教育を推進しています。編入試験や帰国生入試を実施し、他国籍の生徒を受け入れるなど、多様な文化や価値観に触れられる環境づくりを大切にしています。

そして、もう一つの柱が「探究学習」です。本校では2020年から本格的に取り組んでおり、これからの時代を生きる生徒にとって本当に重要な学びだと考えています。単に正解を求めるのではなく、知識や技能、思考力・判断力・表現力を身につけながら、身近な題材に目を向け、「これはどうなっているのだろう」「もしかしたら、こういうことなのではないか」と自ら問いを立てられる力を育てていきたいと考えています。

西口先生 私は、生徒の数学嫌いが将来の進路の幅を狭めてほしくないといった想いをとても強く持っていますので、中学から数学を楽しく学んでもらいたいです。数学ができなくても「嫌いじゃない」「好き」というような気持ちを伝えてくれるのはとても嬉しいので、そういう想いで高校に進んでほしいと思っています。

最後に、これから佼成学園女子中学校に入学したいと考えている受験生の方に向けたメッセージをお願いします。

二木先生 本校では、さまざまな個性を持つ生徒に入学してもらい、それぞれの良さを伸ばしていきたいという想いを、入試問題にも込めています。数学に限らず、「楽しい」「面白い」と感じていることを、ぜひとことん深く追究してほしいと思います。

佼成学園女子中学校には、複数の入試方式がありますので、「これで挑戦したい」と思える形式でチャレンジしてください。入学後は、私たち教員が責任を持って、生徒一人ひとりの成長を支えていきます。皆さんとお会いできる日を、心から楽しみにしています。

楓先生 中学受験って親の受験だとも言われていますが、「我が子の中高6年間をどういう風に過ごさせるかが、その後の80~90年の人生に大きく左右する」という保護者の方の期待感から中学受験を考えるのではないかと思います。

そう考えると、初めは進学実績を重視されると思うのですが、いざ通うとなった場合に幸せで充実した6年間を過ごせるような学校かどうかが非常に大事になります。これから中学受験をする子たちは2100年代を見ることのできる人材なわけですから、グローバルに英語が共通言語として使えるだけではなく、データやAIといったことも世界共通言語として身に付けておかなければなりません。

そんな感覚を早い段階から養っておくという点では、本校では数学の教員がこれだけ先端技術やテクノロジーを取り入れた問題を作問してくれていますので、最新技術の知識を身につけた子たちが世の中に出ていってもらえたらうれしいですね。

佼成学園女子中学校 展示物

佼成学園女子中学校 展示物

インタビュー3/3

佼成学園女子中学校
佼成学園女子中学校1954年に立正佼成会を母体として開校した学校であるが、宗教教育は行っていません。「平和社会の繁栄のために貢献できる人間」の育成を教育理念に掲げ、挨拶や思いやりの実践など、日常生活の中で大切にしたい「5つの実践」を重視しています。
2020年度より固定担任制を廃止し、中高6学年を通した「チーム担任制」を導入しました。複数の教員が多角的な視点で生徒を見守ることで、トラブルを早期に把握・対応できる体制を整えています。また、生徒が話しやすい先生を選んで面談できる点も、大きな安心材料となっています。
グローバル教育にも力を入れており、英語に「楽しく浸かる」機会が授業内外に豊富に用意されています。中学1年生では、音楽・美術のイマージョンプログラムを含め、週10時間にわたって英語関連の授業を実施しています。全校行事として年2回行われる「英検まつり」も特色の一つです。中学3年生の1月にはニュージーランドへの修学旅行があり、希望者は3月まで現地に残ってターム留学に参加もできます。
2025年度からは、中学校に「グローバルコース」を新設し、「リベラルアーツコース」との2コース制となりました。「グローバルコース」では、高度な英語力の育成に加え、第2外国語やジャーナリズム基礎などを学びます。両コース共通で探究学習にも力を入れており、中学1年生から高校2年生まで、毎年3月に開催される「Presentation Day」で研究成果を発表します。さらに理数プログラムの強化も進め、早い段階からサイエンス的な視点を養っています。
クラブ活動も盛んで、ハンドボール部やダンス部は全国大会レベルの実績を誇ります。バスケットボール部も関東大会に出場するなど、高い競技力を発揮しています。校訓である「行学二道」のもと、中学生と高校生が共に活動し、学業と課外活動の両立を実践しています。