出題校にインタビュー!
佼成学園女子中学校
2025年11月掲載
佼成学園女子中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.数学科では「サポート講習」や「講習室講習」といった補習授業が充実
インタビュー2/3
現在、理数教育が重要だと言われる時代に入っていますが、佼成学園女子中学の数学の考え方や授業の特徴はどんなところにあるのかを教えてください。
西口先生 私は本校4年目で現在中3の担任をしていますが、中学の特徴としては「サポート講習」が特色のひとつとしてあるのかなと思っています。サポート講習は数学が苦手だったり、点数が取れない生徒に対して行う講習で、特に中学数学は高校数学につながっていく内容ですから、ここで基礎をしっかりと固めていこうといった内容になります。
習熟度別のクラスとなっており、上位クラスだと、たとえば文章題を考えてみたり、「普段の生活にこういった形で出てくるよ」といった内容を絡めたような授業が多いです。普段の生活と絡めた授業は中学数学のほうがやりやすく、中学ではそういったテーマを扱っています。
サポート講習はチューターではなく先生がされるのですか?
西口先生 そうですね。サポート講習といっても実は中学生でサポート講習が嫌だという子はあまりいなくて、「今日はサポート講習だ!」と楽しみにしている子も多いです。中には「今日もあるのか…」みたいな生徒もいますけど、大半は楽しく参加しているので、普段の授業でできない個別指導に近い形で補習ができるなど、生徒にとっては手厚く補習が受けられる環境となっています。
それとは別に「講習室講習」というものもあります。講習室講習は、特に数学の場合は復習クラス、先取りクラスといったようにレベルにあった講習が受けられるものです。
授業の中で「生活に関するものを扱う」とのことですが、何か具体的な例はありますか?
西口先生 私が授業で実際にグループワークとして行ったケースだと、連立方程式で佼成学園女子に絡めた文章題を作ったことがあります。本校にはカフェテリアがあるのですが、「ラーメンが〇円、ポテトが〇円の時に、このグループは何個ラーメンを買ったでしょう?」みたいな問題です。1限まるまる時間を使うのではなく、最初の10分にこういった話をしてみることは常に意識していますね。
先生方の間で授業中行っている内容は割と共有されているのですか?それともそれぞれの先生にお任せしている感じですか?
西口先生 比較的共有をしていると思います。特に同じ学年を教えている教員は、習熟度別で同じ内容を取り扱っていくのでかなり議論します。週1で教科会もやっていますので「うちの学年はこういうところまで進んでいるんだ」みたいな話もしますよ。
二木先生 昨今、ICT化が進む中で、教材を共有フォルダに入れ、教員が自由に閲覧できるようにしています。そのため、「昨年はこのような題材を使ったから、今年は違う題材にしてみよう」といった工夫が、以前に比べて格段にしやすくなったと感じています。
数学科/西口 克洋先生
数学嫌いな子にならないような指導を心掛けている
生徒が中1、中2、中3と学年が上がっていくにつれ、どのようなプロセスを歩んでいくのですか?
二木先生 本校には、数学に苦手意識をもつ生徒も確かにいますが、少人数制・習熟度別のクラス編成を行っているため、そうした生徒であっても数学を嫌いにならないよう、教員が丁寧な声掛けをしながらサポートしています。基礎学力や計算力を着実に身につけられるよう、段階的な指導を大切にしています。
本校では高校2年次に文系・理系の選択を行いますが、数年前までは理系に進む生徒は全体の1割程度と非常に少なく、多くの生徒が英語教育やグローバル教育に力を入れている背景から文系志望でした。
しかし近年、「このままではいけない」という問題意識のもと、理数教育の充実に力を入れ、生徒が理系分野に興味・関心を持てるような取り組みを進めてきました。現在では、AIやデータサイエンスなど、文系・理系の枠を超えた分野や職業も増えており、それに伴って大学でも関連する学部・学科の新設が進んでいます。こうした社会の変化を踏まえ、理系分野に進む生徒の割合を増やしていきたいと考えています。
その結果、現在では高校1・2年生の理系選択率は35%まで増加しました。今後も、「数学は面白い」「身の回りには数学とつながる題材がたくさんある」「数学はとても便利な学問だ」と感じてもらえるような授業を展開し、生徒一人ひとりが自分の希望する進路へ進めるよう、引き続き支援していきたいと考えています。
楓先生 コースによっては半分が理系となっていて、特進コースの2年生だとほぼ半々です。
二木先生 理系生徒を増やしたいという思いから生まれた取り組みの一つとして、本校では毎年12月に「サイエンスDAY」というイベントを実施しています。大学の先生やIT企業の方々をお招きし、さまざまな講座を開講しています。特定の学年に限定せず、中学1年生から高校3年生まで、興味のある生徒であれば誰でも参加できる形式としている点が特徴です。
この企画は数年前に始まりましたが、年々参加生徒は増加しています。特に中学生の参加が多く、私たち教員側も良い意味で驚かされました。早い段階から理系分野に触れる機会を設けることの大切さを、改めて実感しています。
具体的な内容としては、高大連携校である東京都市大学や東京工科大学の先生をお招きし、ジャイロシステムを実際に体験する講座や、ドローンを操作しながらその仕組みを学ぶ講座などを実施してきました。体験を通して学ぶことで、理系分野への興味や理解を深めることを狙っています。
佼成学園女子中学校 エントランス
課題達成ごとにスタンプが獲得できるといった遊びの要素も学習に効果的
男子校と女子校を比較すると、数学の授業の雰囲気が割と大きく異なる印象を受けます。女子校だと割と丁寧にきちんと教えていかないとなかなか生徒もついてこないといった声も聞きますが実際はどうなんでしょうか?
二木先生 男子生徒と比較すると、女子生徒は学習内容を「勢いで進める」というよりも、一つひとつを整理しながら理解していく傾向が強いと感じています。特に、ノートをまとめることを得意とする生徒が多く、学んだ内容を言葉や図で整理し、ポイントを明確にしながら書き留める作業が、理解の定着につながっているという実感があります。
また、女子生徒は「分からないまま先に進む」ことに不安を感じやすく、納得できるところまで丁寧に確認したいという姿勢が見られます。そのため、指導の際には、単に解法を示すのではなく、「なぜそうなるのか」「どこが大事なのか」を言語化しながら進めることを意識しています。
一方で、意欲が高まると非常に粘り強く取り組むのも女子生徒の特徴です。本校では習熟度別にクラスを編成し、基礎レベルのクラスには基礎を着実に身につけるためのプリントを、中堅レベルには段階的に考えさせる課題を、最上位クラスには応用問題や入試問題を用意しています。自分のレベルに合った課題に取り組めることで、「できた」「分かった」という成功体験を積み重ねやすくなっています。
さらに、取り組んだ量が目に見えるように、プリントの枚数をチェックしてスタンプを押すなど、達成感を感じられる工夫も取り入れています。「よく頑張ったね」「ここまでできたね」といった声掛けを重ねることで、生徒自身が学習の手応えを実感し、次への意欲につながっていきます。こうした指導を通して、女子生徒は安心感のある環境の中で力を発揮し、主体的に数学に向き合う姿勢を着実に育んでいると感じています。
佼成学園女子中学校 展示物
インタビュー2/3
1954年に立正佼成会を母体として開校した学校であるが、宗教教育は行っていません。「平和社会の繁栄のために貢献できる人間」の育成を教育理念に掲げ、挨拶や思いやりの実践など、日常生活の中で大切にしたい「5つの実践」を重視しています。