シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

山脇学園中学校

2025年10月掲載

山脇学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.入試問題に使用する文章の選定には細心の注意を払っている

インタビュー2/3

ここからは、入試問題の全体構成についてのお考えをお聞きしたいと思います。

岡野先生 毎年作問者同士で話し合っているのが、「文章選定が大切」という点です。入試問題を作る際に一番難しいのが、出題する文章を選ぶことです。問題を作ることも大事である一方で、受験生に「こういうことについて考えてほしい」とか「こういう文章を読んでほしい」「読書体験を積んでほしい」といった想いの強い文章を選定していきます。

受験生も試験を解く際には集中して文章を読むでしょうから、とても大事な読書体験のひとつになると思いますので、そういう場にふさわしい文章を選ぶのはすごく大事です。問題を作成したあとに、文章選定からやり直すこともあります。時間と労力をかけています。

先生方は、新作の本が出版されたら手当たり次第読んだりするのでしょうか?

岡野先生 新しく出た本も読みますが、逆に少し古いものでも再度読み直してみたら今読み直す意義があるのでは?と思ったものを選ぶこともあります。

堀江先生 とにかく受験生には意義のある読書体験を積んでほしい、というのが文章選定の最優先項目となっています。山脇に入学する前に読んでほしい0時間目の授業と考えています。

国語科/堀江 綾先生

国語科/堀江 綾先生

模範解答作りもこだわりを持って対応

入試で出題された文章が気になって「この続き読みたい!」とお家の人に買ってもらう子がいるかもしれないですね。
ちなみに問題構成は例年同じですか?

堀江先生 そうですね。本校では、1番が説明文、2番が物語文、3番が説明的な短い文章で、知識と読解の総合問題、4番が知識問題といった構成になっています。

一般入試は大問4題構成で出していますが、こちらはコツコツ受験勉強してきた受験生がきちんと力を発揮できるような問題を意識して作っています。一方で1日午後の一科入試に関しては、一般入試より10分長い60分で、読解がほぼメインの構成となっています。漢字の問題が少しあるものの、基本は説明文と物語文の読解のみといった形です。

理想的なのは、問題を解きながら作品理解が深まるような構成。「一歩踏み込んだ読みをしてくれるといいな」「理解が深まってくれるといいな」「興味が持ってもらえるといいな」といったことを常々教員同士で話しています。

岡野先生 出典がある文章に関しては、「本当にこれはこの解釈で正しいのだろうか?」という議論からやっていますので、模範解答を作るのもかなり時間をかけています。「てにをは」にもかなりこだわっています。

出題するからには模範解答も「模範としていいものにしたい」という想いがありますので、当日まで「こっちの方がいいんじゃないか」と議論し、採点しながら模範解答自体を変更することもあります。

山脇学園中学校 カフェテリア

山脇学園中学校 カフェテリア

インタビュー2/3

山脇学園中学校
山脇学園中学校1903年に山脇玄、山脇房子夫妻により牛込白銀町に設立された。3年後には赤坂檜町に新校舎を建設し、移転とともに高等女子實脩学校となった。1908年には高等女学校令にあわせて山脇高等女学校と改称し、1935年には東洋一の女学校の校舎と称された白亜の新校舎を、現在の地である赤坂の丹後町に建設、移転した。
初代校長山脇房子は、建学の精神を「高い教養とマナーを身につけた女性の育成」とした。創設当時、明治という時代の中にあって、「良妻賢母」が女子教育の目標とされることが多い中、夫妻の理想は、欧米諸国のレディに見劣りしない教養ある女性を育成することにあった。2023年で創立120周年を迎え、豊かな教養と高い人間性を育む伝統の継承と、未来社会で活躍する力の育成をめざしている。
国際社会で活躍する志と資質を育成する「イングリッシュアイランド」、科学を通じて社会に貢献する志を育てる「サイエンスアイランド」、蔵書を収納する書架に加え、グループワークやプレゼンエリアを備えた探究活動の拠点となる「ラーニングフォレスト」のほか、最大300の自習席を配置した「セルフスタディアイランド」など、施設も充実している。これらの施設も活用し、人文・社会・自然の各分野の視点を融合した「総合知」をコンセプトに、探究活動や教科横断型授業で、社会で活用できる実学的な学びを実施している。
中学1年では「琴」、中学2年で「礼法」を習う。ダンスは体育とは別で6年間必修である。体育祭で踊る、中学3年の「メイポールダンス」と高校3年の「ペルシャの市場にて」は、山脇学園の伝統となっている。