シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

品川女子学院中等部

2025年09月掲載

品川女子学院中等部の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.学びで得たさまざまな知識を活用し問題解決できる生徒を育てていける学校に

インタビュー3/3

大学受験に向け、品川女子学院の社会科として生徒にどんな力をつけてもらいたいと考えていますか?

名越先生 社会科だけというわけではありませんが、今は知識偏重型の学習スタイルでは大学受験突破が難しいのかな、と感じます。たとえば、たくさんモノを知っているからといって使い方がわからなければ意味がありません。ですから、蓄積した知識をうまく使いながら問題解決していける生徒をしっかりと育てていきたいです。

学校としていろいろな取り組みを通して学んでもらいつつ、社会科としてはきちんと知識を活かせる人間になってもらいたいという想いはあります。

品川女子学院中等部 校舎

品川女子学院中等部 校舎

誤った情報や不正確な情報を見抜ける力を身に付けてほしい

グラフや数値を読み解くのも大事になってきますよね?

名越先生 そういった問題も多くなっていますし、正しく読めることが大切だと思います。

たとえば、テレビなどでもグラフを使ったデータをよく見ますが、分母がない分子だけのグラフを出されても「それはグラフとして成り立ってないよね」といったものが世の中には多く存在します。気づいたら知らないうちに意図していない答えに誘導されてしまうこともありますので、データを見て「こういう理由で間違っているのでは?」と気付くことができる人間になってほしいと思います。

昨今の風潮でChatGPTなどの生成AIを使用する子も増えていると思います。なかには、その情報が正しいか正しくないかよくわからないまま「正しい」と思い込んで学習している生徒もいるのではないかと思いますが、御校の場合、生徒が生成AIなどを活用して得た情報が正しいかそうでないか判断できているかについて、どのように指導されているのでしょうか?

名越先生 先日、起業体験プログラムのプレゼンがあったのですが、その際に「どこの資料を持ってくるのかしっかり調べなさい」と生徒にはアドバイスしました。おそらくChatGPTやGeminiといった生成AIでも情報を拾ってくれると思いますが、「出典はどこなの?」「どこの数字なの?」という点を私たちは重視します。そうしないと、噂話程度の数値を鵜呑みにしてしまうかもしれません。

「取得したデータが企業やホームページから取ってきた正規のデータかどうか、出典やリソースがどこのものなのかきちんと書いておかないと数字として真実にならないよ」という点は厳しく指導しています。

ウィキペディアはNGです。ウィキペディアは人が主観として書いているものですから絶対参照してはダメだよと言っています。

品川女子学院中等部 あゆみ

品川女子学院中等部 あゆみ

チェンジエージェントを目指せ

最後に、これから品川女子学院の受験を目指す受験生に向けてのメッセージをお願いできますでしょうか?

平川先生 今年、本校は100周年を迎えました。創立の理念として「社会で活躍する女性を育成する」という命題があるものの、それは次の100年も変わらないものですので、ぜひ理念に共感してくれる子に入学してきてもらいたいと思います。

先ほど「起業マインド」の話もいろいろとしてきましたが、組織の変革を推進する役割を担うチェンジエージェントになっていってほしいですね。トップリーダーというよりは、身近なところで「もっとこうだったらいいな」を実践できるような人に育ってほしいと願っています。

本校にはいろいろな場面で活躍するチャンスがあります。チャレンジして失敗しても叱られませんし、それよりもチャレンジが奨励される学校ですので、そんな環境の中で頑張ってもらえる「チャレンジ精神が旺盛な方」にぜひ受験してもらいたいですね。

品川女子学院中等部 校歌

品川女子学院中等部 校歌

インタビュー3/3

品川女子学院中等部
品川女子学院中等部1925(大正14)年に荏原女子技芸伝習所が開設。戦後、品川中学校・高等学校となる。1990(平成2)年には制服を新しくし、1991年に現校名に。2004年には高校募集を停止し、完全中高一貫体制に移行。受験にも十分対応できるシステムで学力の向上をはかる。創立100周年を迎える2025年には新校舎が完成した。新校舎は学年ごとにフロアを分けており、廊下が広く、さまざまな活動ができる。
「世界をこころに、能動的に人生を創る日本女性の教養を高め、才能を伸ばし、夢を育てます」というミッションのもと、社会の問題を発見し、多様な人を巻き込みながら解決に向けて一歩踏み出す「起業マインド」を育てる。そして、「28歳になった時に社会で活躍できる女性を育てる」という「28プロジェクト」に取り組んでいる。総合学習での社会人との協働や起業体験は、学習への動機付けともなっている。平日の補習・講習と年4回の担任面談で、きめ細かい進路指導をおこなっている。
コミュニケーション能力の育成や、国際社会で活躍するための基礎となる英語能力の育成に力を入れ、英検指導もおこなう。完全中高一貫体制で、独自のシラバスに沿って高2までに無理なく大学進学に対応できる学力を身につけ、高3で進路に応じた選択科目や演習によって実践的学力を養成する。中学では基礎力を鍛えるため、補習や講習もきめ細かい。高校生は20:00まで学校で自習が可能。
国際化教育プログラムも充実しており、海外留学生のうけ入れ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドの姉妹校への留学、中3の修学旅行(ニュージーランド)などで「生きた英語」「異文化」を学ぶ。宿泊行事、合唱祭、文化祭、体育祭、芸術鑑賞、校外学習など行事も多種多彩。茶道・華道・着付けの指導もある。クラブは38あり、バトン、ダンス、吹奏楽部などが部員が多い。利用者の多い図書館の蔵書は40,000冊。