出題校にインタビュー!
大宮開成中学校
2025年09月掲載
大宮開成中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.算数の比率が大きいので、勝負を決める科目であることに間違いはない
インタビュー2/3
入試では5つの力をまんべんなく出題
受験生にはどういう能力を身につけてきてほしいですか。
松田先生 本校としては全部の入試を含めて「基礎知識」「計算力」「図形処理能力」「読解力」「論理的思考力」これら 5つの力をまんべんなく入試で出題させていただきます、という言い方をさせていただいています。もちろん、以前に比べれば文章量が増えて、読解力も必要になっています。ルールがあるところでは、論理的思考能力も必要になっています。それから計算力も見させてもらっているところです。
問題を作成するときも、その5つの力のどの辺りが絡んでいるのかというようなことも考えつつ、作成しているのですか。
松田先生 そうですね。5つの能力をまんべんなく試すことを意識して問題を構成しているつもりです。もう少し詳しくお話すると、大問1番は計算力。大問2番は基礎知識。大問3番が図形処理能力、そこまでは分かりやすく作っています。4番以降の大問に関しては、1番、2番、3番よりも難しい問題になってきます。もちろん基礎知識もふんだんに入れているつもりですが、この問題のように読解力を必要とする問題もあります。図形問題に関しても、大問7番はやはり大問3番に比べれば解きづらい問題を出題させていただいているという状況です。
合否を分けるためにちょうど良い問題なんですよね。
松田先生 そうですね。学校説明会でも「(1)はできるだけ取ってください」「(2)は得意なところを攻めてください」とお話しています。もちろん全部できるのが理想ですが、時間なども考えると、全部の問題を解くことは厳しいので、どう優先順位をつけていくかが大事になります。図形が得意な子は図形からやるでしょうし。それこそ、この大問5番がすっと入ってくれば、そこに専念するのもいいと思います。「そこは作戦次第です」とお話しています。
大宮開成中学校 校舎
特待合格を目指すには(2)を2、3題正答してほしい
「場合の数」は全般的に苦手にしている子が多いと思います。飛ばす子もいたかもしれません。
松田先生 深く考える問題である大問4番、5番、6番、7番の(2)に十分時間をかけてもらいたくて、2年前に問題数を減らしました。現在は16問構成です。以前の20問構成の時は、大問7番の無解答がそれなりにあったので、最後まで解いてほしいという意味を込めて小問を減らしました。
毎回、話題になりそうな問題を大問5番に入れていますか。
松田先生 そこを狙って5番に入れたわけではありません。以前から大問7番、最後の問題は図形にしましょうという認識があります。大問6番は速さの問題。速さの問題は、差ができやすいところではあるので、速さの問題をやりましょうというところが決まりました。大問4番から飛ばしすぎてしまうと、そこで時間切れになってしまう受験生がいると思うので、結果として大問5番が適切なんじゃないか、ということになった経緯があります。
合格者は(1)だけ取っていればいいわけではないんですよね。
松田先生 合格される方は、1つは取っているイメージが強いですね。厳密に言うと、本校には3種類の合格があります。Sクラス合格、Tクラス合格、特待合格となるわけですが、特待合格を目指すなら、少なくても(2)を2題か3題ぐらいは取らなければいけません。意外と大問1から大問3も、なかなか満点を取る受験生は少ないんですよね。小学生の特性なのかもしれませんが、どこかで間違えるといったことを前提で考えると、やはり大問4番、5番、6番で、小問を2、3題は取らないと、Tクラス合格や、特待合格に関しては厳しいのではないかと思います。算数は配点が大きいうえに高得点を取れる受験生と算数を不得手とする受験生の差も大きいので、勝負を決める科目であることに間違いはないと思います。
大宮開成中学校 展示
数学オリンピック参加を推奨。中1で数検3級に挑戦する生徒も
数学の授業の特徴をお話いただけますか
松田先生 我々がやるべきことは、中学1年生から高校3年生までしっかり成長させていくこと。もちろんゴールとして大学入試がありますけど、成長させていくと言ったところに関しては、いい意味でやることは以前と変わっていないのかなと思っています。
今、私は中1を担当していて、数字を楽しませるということに腐心していますし、中2は加納が担当していて、授業内容が難しくなっていくなかでも引き続き数字を楽しませようとしています。ですから、数学オリンピックもどんどん参加を推奨していますし、数検に関しても本来、中1は5級でいいのですが、本校だと4級を受けられる。なんなら3級にチャレンジする生徒もそれなりの数はいるという状況です。そのような取り組みに関わっていきたいと思っていますし、相変わらず、私は廊下にクイズの問題を貼り出しています。そこに生徒が群がっています。そのような形で、もちろん基礎力は基礎力でつけていくところは変えずに大切にしています。
授業のやり方は各先生方にお任せするスタイルですか。
松田先生 各学年にしっかり任せています。基本的に各学年の教員の熱というのがとても強いので。生徒ファーストで考えていますね。だから小テストもガンガン作ります。本テストと再テストだけを作れば良いところを小テストを4本作ったり、想定していなかった再テストを生徒の状況にあわせて作ったりします。そこは生徒のことを考えて、適切に各学年で考えて動いていきます。ただし、「各学年の中では内容を揃えるように」と私は指示を出しています。要はA組とB組が別のことやっているということはありません。
大宮開成中学校 展示
大学入試に対応。高校数学のテキストを変えた
1つの学年を何名の先生で受け持っているのですか。
松田先生 数学の担任教員は、中1が2名、中2が1名、中3が2名です。カリキュラムの細かいところは各学年の色が関わっていますけれども、使う教材は決めています。今年、実は開校から21年目なんですが、20年間ずっと「体系数学」でした。しかし、今年から中1、中2では「体系数学」、中3では「NEXT」という数研の教材を使っています。現在の高2までそれでやってきたのですが、今年から「体系数学」ではなく、同じ出版社の高校用の教材を使うことにしました。そういう最低限のことは決めていますが、プラスアルファに関しては、先ほど言いましたように、各学年にある程度任せているということです。
今まで使っていた教科書を変えるというのは、勇気のいることなのでは?
松田先生 若手の教員の熱に押されてそうなりました。今まで、文系の生徒は数学ⅠAと数学ⅡBをやればよかったのですが、数Cが入ってきました。確率、統計という新しい単元も入ってきました。それが「体系数学」にはうまく入ってなかったところ、噛み合ってないところがあり、「変えたい」という声が挙がっていたのです。私は「体系数学」派なのですが、若手の先生からの要望が強かったですね。かなり熱っぽく言われたので、新しい風を吹かせるためにと思い、承諾しました。
大宮開成中学校 校舎内
インタビュー2/3
1942年設立された大宮洋裁女学校が創設し、7年後に大宮開成高等学校が設立された。中高一貫部が開校したのは2005年。大宮駅からバスで7分、徒歩19分のところに位置する。2016年の新図書館につづき、2018年、新体育館が完成した。