シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

フェリス女学院中学校

2025年08月掲載

フェリス女学院中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.知的な楽しさと出会えるフェリス女学院

インタビュー3/3

長文記述問題が解けるようになるために、生徒にはどのようなアドバイスをされるのですか?

先生 記述問題の特徴として、「すごく長い文章を書いてしまう子」「短い文章になってしまう子」と2つのパターンがあると思っています。もちろん、ケースバイケースではありますが、一般的に文章が長くなってしまう生徒は、ポイントを絞ったりするのが苦手であったり論理的に組み立てるのが苦手だったりする傾向にあります。その手の生徒には「簡潔に言うとどうなの?」「骨組みは?」といった質問を普段の授業では投げかけるようにしています。

反対に短い文章しか書けない生徒には、「ここはもう少し詳しく言うとどういうことなの?」とか「こことここは論理的につながっていないし飛躍しているから、つなげる文脈がいるよね」といった助言をしたりします。

大事なのは「自分を知る」こと。自分が長文記述問題を解く際にはどういう癖があって、どういう傾向にあるのかを早い段階で知っておくことは重要です。それから自分に見合った対策を立てていくことが必要だと感じます。

フェリス女学院中学校 体育館

フェリス女学院中学校 体育館

多彩なジャンルの文章に触れる機会を与える

大学入試に向けた準備としては、どのようなことを行っていますか?

先生 大学入試は、小手先のテクニックだけで合格を手にすることはできません。当然教養がないといけませんし、言語技術も高い水準で身に付けていないといけない。そういった意味では中高一貫校でいろいろな幅広いジャンルの文章を6年間かけて段階を追って読み続けることは非常に強みに感じています。

今の大学入試問題はかなり難解ですので、いろいろな文章に触れていることがのちのち効いてくるでしょうし、文章の中で語彙力をつける必要があります。高3にもなると過去問を演習して解いていくわけですが、国語力は一朝一夕で身につきませんので、低学年からこつこつ時間をかけてやっていかないといけないと感じています。

確かに今の大学入試問題は、以前に比べると格段に難しくなっていて、抽象的な文章や哲学的な文章が出てくるようですね。

先生 どのような文章でも正確に速く読みこなす実力を養うことが前提ですがテーマに関する知識がある方が内容理解には断然有利です。本校では倫理をはじめどの科目でも深く学ばせます。知識がある状態で難解な文章に触れることができるのは、国語を教える上でも、とてもありがたいと感じます。

他校とは一線を画したフェリス女学院ならではの探究

御校における探究について、特に国語科が果たしている役割などあれば教えてください。

先生 探究では、自分で問いを立てて、情報収集・整理を行い、その後発表するといったプロセスがありますので、その中で国語科が果たすべき役割はとても大きいと思っています。

たとえば、問いを立てる段階から言語の技術が必要となりますし、情報収集・整理は論理的にいかに読み解き、構成していくかということに他なりません。また、アウトプットではスピーチをしたり、ポスター発表したり、論文やレポートを書くなどさまざまな方法があります。読解力、論理的思考力、表現力を磨くのは国語科の真骨頂です。

本校ではPBLといって「今から○○の技術を教えますよ」といったものではなく、プロジェクトに取り組むプロセスで各自が主体的に自然にスキルを身につける、という方法を採用しています。

フェリス女学院中学校 模擬講座

フェリス女学院中学校 模擬講座

アカデミック・スキルズの修得をサポート

先生 特に中1、中2では、「アカデミック・スキルズ」の修得支援に力を入れています。

具体的には、「文献調査」「新聞を読む」「レポートを書く」「講義ノートをまとめる」「インタビューする」「ポートフォリオを作る」「チームで合意形成する」といったことを行っていきます。これらのスキルは、生涯にわたって自ら学び、自ら考える自律した学習者の土台となります。なお、中1では「ジェンダー」、中2では「生命」を年間テーマとし、中3になると、企業から出されたミッションに取り組むビジネス探究を、高1では、マイテーマを決めて好きなことを探究させています。自分で探究したテーマが、高2、高3と大学に向けた進路につながればいいなと思っています。

最後に、フェリス女学院中学を目指している受験生に向けたメッセージをお願いします。

先生 フェリス女学院中学は、知的に楽しいことにたくさん出会える学校です。生徒たちの様子を見ていても「入学後に社会問題について語り合える友達ができた」とか、「真面目なテーマや話すのが恥ずかしいテーマであっても、本気で何時間でも語れる友達ができた」と言っている生徒は数多くいます。

入学したら「自分はどう生きるのか?」「どういうことが好きなのか?」「自分ってどんな人間なんだろう?」とか、そういったことを6年間かけてゆっくり考えていける場所だと思います。

今は受験勉強ですごく大変だと思いますが、入学後は自由でのびのびした環境で、友達と一緒にとことん考える、そんな学びの醍醐味を、ぜひ楽しみにしていてほしいと思っています。

インタビュー3/3

フェリス女学院中学校
フェリス女学院中学校フェリス女学院の教育理念“For Others”は、誰か特定の人によって提案されたものではなく、関東大震災後に、誰が言い出すともなくキャンパスに自ずとかもし出され、フェリス女学院のモットーとして自然に定着したものだということです。フェリス女学院では、“For Others”という聖書の教えのもと、「キリスト教信仰」・「学問の尊重」・「まことの自由の追求」を大切にしています。そして、生徒一人ひとりが、6年間の一貫教育を通して、しなやかな心を育み、つねに与えることができる、“For Others”の精神を持った者へと成長することをめざしています。校章には、盾に創設時の校名Ferris SeminaryのFとSの二文字がデザインされています。盾は外部の嵐から守る信仰の力を表し(「エフェソの信徒への手紙」6章16節)、白・黄・赤の三色は信仰、希望、愛(「コリントの信徒への手紙一」13章13節)を表しています。
外国人墓地や歴史的な建造物の多い異国情緒あふれる地域にある、落ち着いた雰囲気の学校です。創立者メアリー・E・ギターがこの地に開学して以来の歴史が、校舎を包む木々などから感じられます。2000年の創立130周年において新校舎建築となり、2014年には新体育館、2015年夏には新2号館が完成しました。中高の図書館には、図書・視聴覚資料・雑誌・新聞などの多くの資料があります。授業の課題制作や調べものや自習のほか、昼休みや放課後にも多くの生徒が利用しています。書庫は開架式で、図書を手に取って自由に選ぶことができます。
クラブ活動がたいへん盛んで、同好会、有志も合わせると約60近い団体が活動しています。中学生では、ほぼ100%の生徒がクラブに参加しています。ほとんどのクラブが中1から高2まで一緒になって活動し、同学年だけでなく、先輩・後輩という他学年との人間関係が築かれています。中3からは、クラブ以外でも、気のあった仲間同士で同好会や有志を結成して文化祭に参加するなどの活動もあります。