出題校にインタビュー!
獨協埼玉中学校
2025年07月掲載
獨協埼玉中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
1.日常生活に関連した問題は、説明文を理解する力が不可欠。
インタビュー1/3
思考力の問題として作成
この設問の出題意図からお話いただけますか。
渡部先生 本校では日常生活に関連した問題を多く出そうという意図で出題しています。子どもたちがいろいろな場面で考えるきっかけになればいいという思いがあるからです。
私は中学バスケットボール部の顧問なので、シュートの得点と本数を題材に考えさせてもらいました。作問においては、よくある定番問題ではなく、しっかりと考えて解く問題にしたいという意図もあり、少し難易度の高い問題に仕上がったのではないかと思います。状況を子どもたちが理解して、パターンを分析しながら考えることができるかを問う、思考力の問題として作成しました。
顧問という立場で考えた問題なんですね。
渡部先生 そうですね。私は学生時代ずっと野球をやっていました。バスケットボールの経験がないので、競技規則や指導の仕方を勉強していました。その中で、シュートを打つ場所によって確率が違うということに目を向けたのです。例えば「ゴールに近いところからの2点シュートは得点の確率が高い。
一方、スリーポイントシュートまではいかない、遠いところからの2点シュートは確率が低いからあまり打たないほうがいい」という記事を読んだ時に、バスケットボールというスポーツはよくできており、とても面白いスポーツだなと感激しました。そこで、入試問題にできるのではないかと思い、試行錯誤しながら作問しました。
数学科/渡部 聖人先生
鍵は問題の意図を読み解けるかどうか
「難易度の高い問題」とおっしゃっていましたが、実際にはいかがでしたか。
渡部先生 正答率はそこまで高くないのではないか?と思っていたのですが、記述問題ではなく選択問題であり、選択する個数も教科の中で話をしながら2つという縛りを設けているので、わからない子も解答用紙に記入していると思います。
この問題の意図を読み解けた子にとっては比較的チャレンジのしやすい問題だったと思いますが、読み解けない子はどうやって考えたらいいのかが、そもそも分からなかったのかなとも思います。
今年度中学1年生を担当している数学の教員が、入学した生徒に確認したところ、「わかる生徒はすぐに取り組めましたが、わからない生徒は何をすればいいのかというところで止まってしまっていた」という回答をもらったとのことでした。
私は今、高校生の授業を担当しています。取材の機会をいただいたので、高校生はどのように解くのかと思って出題してみたところ、数Aで勉強した反例(成り立たない具体例)を考えればいいんだということが瞬時にわかって、Bが勝つパターンが1パターンでも見つかれば、選択肢を消していけるということを理解して解いていました。
獨協埼玉中学校 校舎
正答率は40%、50%
思っていたよりもできたということでしょうか。
渡部先生 はい。僕は20%程度しかできないと思っていたのですが、正答率は40%、50%程度ありました。
その場で考える力を見られる問題ですよね。
渡部先生 教科内でも「難易度が高いのではないか」という話が出ました。本校の算数の問題は全体的に難易度が少し高く、時間がかかってしまうため、大問である[3]や[4]の(1)(2)は問題文にそっています。数字に変化をつけない形にしたので、1番がわかれば、2番を0から考えなければいけないというわけではありません。いろいろと数字を合わせるなど、時間がかからないような形を追求した結果、このような形の出題になりました。
最後の問題で30、40%の正答率はちょうどいい難易度ですよね。
渡部先生 この問題は定番問題ではないのですが、他の大問に関しては、やってきたことがしっかりと反映されるような大問になっていると思います。特に大問の[1]に関してはしっかりと解いてほしいという意味も含めて作っていますが、(1)の計算から少し複雑な形をしているので、そういったところで算数の点数が比較的ばらついて、それが合否と相関が見られる形になっているのかなと思います。
獨協埼玉中学校 掲示板
記述問題の採点は非常に大変
採点は、どのように行っていますか。
渡部先生 毎年毎年、別解をできる限り用意するのですが、採点中に新しい検討材料が出てきた時には、教科のその役割の者と確認をして、それに見合った配点基準を決めています。それとは違う計算が出てきてしまったり、意図がわかっていないのにその数値が出てきてしまったりしている場合もあります。そういうものも含めて、途中点としてそれを認めてもいいのか、いけないのか、というところを吟味しながら配点を作っているので、採点は非常に大変です。
方針を立てて採点を進める中で、難しい解答が出てきたらその都度、話し合うということですか。
渡部先生 その都度、話し合って決めています。全く新しい解法に関しては特に、1人で正しいかどうかを決めるのではなく、教科で共有しながら、本当にそれは一般化できるのか。塾で教えている計算のスキル的なものもありますので、そういうものを調べながら進めていく形になります。
何度か採点の確認をするのですが、1回目の後半あたりに採点に影響のあるものが判明すると、やり直しになります。例えば、意味のある数値だったことがわかった場合、その数値が書かれていて、解き方を理解している解答に関しては、部分点をあげたいという気持ちが全教員にあります。
採点で困ったことはありませんか。例えば、答案用紙の裏まで書いてあるとか。
渡部先生 そういう解答は見たことがないです。解答がはみ出しているパターンはありますが、何年かに1、2回程度です。記述問題を最後に設定してしているので、そもそもそこまでたどり着けてない受験生もいますので、そこまで多くを書こうとはしないのかもしれません。
例えば答えを間違えていても、ここはわかっているのかという解答には途中点をあげていると思います。逆に、答えは合っていても、記述の中にこれじゃ答えは出ないはずなんだけどな、みたいな内容がもしあったとしたら、どうなりますか。
渡部先生 減点します。「考え方を書きなさい」としている以上は、どんな形で書いているかにも点数を置いているので、例えば計算ミスで答えが合ってしまっているパターンなども、式が書かれていて間違っている場合に減点対象になります。
獨協埼玉中学校 視聴覚室
インタビュー1/3
1881(明治14)年にドイツを主としたヨーロッパ文化を学ぶことを目的とした獨逸学協会としてスタートし、以後120年間のうちに獨協大学、獨協医科大学、姫路獨協大学、獨協中学・高校を有する総合学園に発展。獨協埼玉高校は1980(昭和55)年に開校。2001(平成13)年に待望の中学校が開校した。