シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

春日部共栄中学校

2025年06月掲載

春日部共栄中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.先生と生徒の関係性を築いて、各自が望む進路実現につなげていく

インタビュー3/3

外部の方と関わる機会が増えて人に伝える力がついた

中村先生 あるいは、少し先駆けというか、春日部共栄高校の志望理由書を書いてみるといったことも行っています。実際には、なぜその学校を志望したかを論理的に説明ができないと合格ができないですよね。感情的な理由しかなくて、「他の学校でもよくない?」と問われたら、納得せざるを得ません。自分の長所と志望する学校をいかに絡められるかは、今後、高校生になってから必要になってくるので、それを中学生で1回やってみようという学習活動です。これは、得意な子と苦手な子にはっきり分かれます。苦手であっても、こういうものが苦手だと自分で認識できれば、それだけでもやった甲斐はあるかなと思っています。

いろいろなことをやっているのですね。

中村先生 自分で考えて文章を作り、周りに発信して、お互いに評価をし合って、といった学びを3年間繰り返したおかげか、自分の意見を言うことに抵抗がなくなってきました。自分が話していることがいかに人に伝わらないかを実感し、「それってどういうこと?」と周りから質問されて、頑張って説明するという経験を積み重ねた成果が出ている気がします。
中3では、企業に電話して訪問させてもらい、職場体験させていただくという活動を実施したのですが……。その時もあまり抵抗がなく番号を調べたら、その場で電話をかけていました。マニュアル的なものは一応あるので、生徒はそれを読みつつ、聞かれたことに対して頑張って正しい敬語で答えることができるようになっています。

春日部共栄中学校 図書室

春日部共栄中学校 図書室

自分の言いたいことを正しく伝える

図表の問題は、結構早い時期から出していますよね。

中村先生 そうですね、共通テストに変わって、資料問題が云々みたいなところから、割と意識して入れていたとは思います。最近は、複数テキスト的なものを増やしています。2つのグラフから読み取れることはなんですか?この情報から言えることは何ですか?などといった問題です。

社会や理科でも、こういう図・グラフの読み取り問題はありますが、国語でやる意義、意図はどんなことでしょうか。

中村先生 自分の言いたいことを正しく伝える、というところでしょうか。理科や社会の知識的な読み取りではなく、ここから言えること、考えられることを「自分で述べてください」というところは、思考力であり、大学受験でも社会に出てからも、自分のことを自分で言えなければいけないので。自分の伝えたいことを、論理的にきちんと相手に伝えられるかといった点は、入試でも見ておきたいと思っています。

資料の読み取りの採点は、どんなところがポイントになりますか。

中村先生 読み取りは、解答を見て、確かにそうだね、となったらにします。ここの変化に注目してほしいということは特になく、このグラフから読み取れることは非常に幅広くあるので、読み取りの時点からその幅広さに対応しなければいけません。意見も実際に「無理じゃない?」ということを書いていても、意見なので、とりあえず問1に関わる情報の読み取りから自分で考えたことであれば点数をあげています。

春日部共栄中学校 図書室

春日部共栄中学校 図書室

多様な目標に向けて頑張る

高校生ではどのような感じで進むのでしょうか。

遠藤先生 中学でやってきたことを、中3から高1にかけてまとめて、発表する練習をしながら、まとめた成果を高1で出していきます。それを高2、高3の2年間で、国公立大学の推薦入試などでも使えるものにしていきます。
理系・文系の選択は、今はちょっと理科が好きだから理系といったところで、通用するものではないので。我々としては「きちんとそのあたりを明確にして、理系・文系に分かれた上で学んでいきましょう」と言っています。その中で国公立大の受験に向けて頑張っていきましょう、というところが、一応、学校の第1目標です。

高2から理系文系が分かれるのですか。

遠藤先生 はい。高1までは理系・文系に分かれず、一応このコースがそのまま続いていくようなイメージです。

以前は「スポーツが強い学校」というイメージを持たれた方も多かったと思うのですが、近年は、勉強もすごいという口コミも多いですよね。

遠藤先生 本校は欲張りです。文武両道も大事ですし、その中でも頑張っている子たちは、本当に頑張っているので。別にスポーツを縮小する、部活を縮小するつもりもなく、結構大変ですが、両方とも上げていきます。

一人ひとりが文武両道という考え方。この子は勉強、この子はスポーツという考え方ではなく……。

遠藤先生 それはそうですね。部活動も、よく保護者の方から「どのぐらい加入しているのか」と質問されます。偏った見方だと、スポーツが盛んとか、部活が盛んだから入るのが当たり前なんでしょうと見られがちですが、そういう学校ではありません。自然と90%か、高校あたりもそれぐらい高いです。

スポーツが強い学校だから、集めたクラスがありそうなイメージがします。

遠藤先生 そこは、全然違います。(スポーツクラスを作らないのは)いいことだと思います。高校で1番上の、選抜クラスにいる生徒でも、全国大会に行く子がいます。いろいろな競技で。片や音楽で全国に行って、そのまま東京音大に進学したり、野球部で甲子園に出たピッチャーが明治大学に行ったり。そういうことができる面白い学校でもあると思います。

春日部共栄中学校 校舎内

春日部共栄中学校 校舎内

インタビュー3/3

春日部共栄中学校
春日部共栄中学校「自主自律・明朗勤勉・協調奉仕」という三つの校訓に則り、次の資質、能力の育成を目指している。「文武両道」をモットーに、生徒個々の夢の実現に向けた教育活動を展開する。高校は1980年に創立し、中学は2003年に設立された。
2020年度より、中間考査を廃止し、各学期の定期考査を期末試験のみとしている。それに伴い、短い期間で単元ごとに振り返る単元テストを適宜実施しながら、スパイラル学習の中で着実な内容理解と定着を図る。これによってアクティブラーニングや探究活動、部活動や学校行事等の機会を充分に設けることが可能になった。探究活動については、本校独自の探究テキスト「共栄探究BOOK」を軸に、学力に留まらない。総合的な能力の育成やキャリアデザインを行っている。
2022年から2コース制の導入。「政経コース」では、圧倒的な英語力を身に着けることで、国際的な政治やビジネスシーンでリーダーシップを発揮する人材を育てる。ビブリオバトルや模擬国連に取り組む一方、金融教育も行う。「IT医学コース」では、圧倒的な数学力を身に着け、各専門分野の研究者や開発者としてリーダーシップを発揮する理系人材を育てる。プログラミング教育や理科実験の他、メディカル入門講習、メディカル論文講習(高校)も行う。
本物に触れることを重要と考え、自学力を育てる「グローバルリーダーズプログラム」を設定している。第一人者による講演会、英語は毎朝のリスニングや英語検定、国語は文学散歩や文章検定、数学は数学オリンピックや数学検定など、通常の授業以外のプログラムも充実。 中3では、サマーイングリッシュプログラムと、約1カ月にわたる希望制のバンクーバー語学研修を実施している。現地大学の寮に宿泊しながらのESLとホームステイが体験できる。