出題校にインタビュー!
横浜翠陵中学校
2025年05月掲載
横浜翠陵中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.生徒との関係を緊密に
インタビュー3/3
中1から高3まで年4回、面談を実施
生徒さんが志望する学部・学科は、変わってきていますか。
田島先生 ここ数年、大きな変化はありません。本校の場合、進路を決定するまでによく面談をします。担任の先生との面談が最低年4回(2者面談2回・3者面談2回)必ずあって、そこで「何がやりたいの?」といった話がよく出ます。高大連携の前からキャンパスツアーに行ったり、オープンキャンパスに行くための宿題を出したり、ということはやっていました。オープンキャンパスの経験から、この大学に行ってみたい、という気持ちをもつ子は多いと思います。
この大学に行きたいから行く。そのためにどの方法が一番的確なのかと、担任の先生と一緒に進路を決めていきます。
その面談は、何年生からですか。
田島先生 中1から高3まで最低年4回、基本的に定期試験ごとに、試験の後にやります。中学生は、まずは目の前のことができるように、下地を作っていきます。テストの点数とにらめっこしながら、「チャレンジノート」というスケジュール帳に記載した勉強時間や内容も一緒に見ながら、話していきます。「チャレンジノート」には勉強時間を書く欄があり、綺麗に0分、0分、0分、0分と書いている生徒もいます。「正直でよろしい」と言ったりもしますが。「さすがに0分だとね……」と話しながら、進めています。「この隙間時間で、学習時間を何分作れそうだね」とアドバイスしたり、保護者の方が来る時は「この時間にぜひ勉強させてください」「夕食時間をなるべく固定してあげてください」とお願いしたり。中学生の場合、やっぱり保護者の方との関わりが大事だと思うので、そこも大事にしています。
年に4回、面談やる学校は多くないですよね。
田島先生 私も最初、びっくりしました。40人×4回ですから、年160回です。小規模校だからこそできることではないかなと思います。「チャレンジノート」も、週に1回、担任に提出しなければいけません。朝回収して、担任の先生が絶対にコメントを書いて、夕方に返却します。必ず全員が出すとは限りませんが、40人学級で、30人~35人は出しますから、結構な数です。夕方に返さないと家で書けなくなってしまうので、朝、回収したノートが先生のデスクの上にタワーになっている。それが、本校の風物詩の一つです。
横浜翠陵中学校 教室
自学自習の習慣づけに役立つ「チャレンジノート」
田島先生 入職したばかりの20代の頃。「担任の先生が全部やっているんですか」と言ったら、「なんでそんなに驚くの?」「当たり前ですよ」と言われて、「そうですね、すみませんでした」と謝りました。説明会でも「うちは一人ひとりとしっかり向き合います」と言っています。
「チャレンジノート」は、以前、「スクールライフ」という名のノートだったようですが、教員が一から考え、EXCELで作って、印刷業者さんに作ってもらった、いわば手作りのノートなんです。
- 1週間分(月曜日から始まり日曜日まで)が見開きで一覧できます
- 毎日、時間割・放課後の活動・家での行動、1日の振り返りを記入します
- 計画やTO DOリストを記入する欄もあります
- 何の科目を何分勉強したかを、ぬり絵方式で書き込む欄もあります。一目で教科バランスを把握できます。
- 1週間の振り返りとTO DOリスト、担任先生からのコメントを記入する欄もあります。
後ろのほうには、ポートフォリオとして学校行事などで何をしたかなどを収めるところもあります。 - 試験前に時間割、科目と試験範囲、目標を記入。試験後に各試験の点数を記入し、振り返りができる欄があります。
きちんと書くと本当にいいです。ノートをきちんと書いてる子は、本当に成績が伸びます。中学生は面談までに書かせています。「年4回の面談でどんなことを話したかも忘れないように書いておこうね」とも話しています。
横浜翠陵中学校 チャレンジノート
ノートに相談事を書いてくれる生徒も
中1からだと6冊揃うんですね。大人になってから見たら面白いでしょうね。
田島先生 前期14回、後期16回、提出します。本校の先生は、このコメントを書き、ちゃんと相談受けてくれるので、本当に頭が上がらないというか。説明会に来てくれた方には、説明会資料として、お手本みたいなものをお見せしています。
もちろん大事なのは、勉強を可視化するというところで、昔よく言われていたPCDAサイクルをさせようというところが発端です。その裏には先生との密なコミュニケーションがとれるノートという役割もあって。中にはここに部活の悩みなど、相談事を書いてくれる子もいます。
菊地先生 ノートを通して、いろいろと打ち明けてくれると嬉しいです。うちは30人ぐらいのクラスで、一応、ノルマが年間で30回、提出なんですけれども、うちのクラスは、基本、毎週出すのでもう、35回ほどになります。生徒は「早く返して」といった感じなので、その日のうちに返すようにしています。
今、スマホの時代ですが、小テストの範囲などをメモする、ということも推奨しています。
田島先生 このノートで日々のコミュニケーションが取れるので、面談のときも「あのとき、ああ言っていたけど、どう?」と、結構言いやすくていいです。普段のコミュニケーションも、もちろん会話が一番いいとは思いますが全員とはなかなかできないですから、便利に使っています。
とある中学生が勉強時間をあえて塗りつぶして、ゲーム時間90分、90分、90分…と書いてきたこともありました。これは半分、私の主観ですが、それに対してがみがみ怒らないというところはあるかもしれません。嘘を書いても何も生まれませんから。正直に書いてくれたほうが、こちらはアドバイスしやすいので、生徒が自己開示してくれるような関係性を築けるよう、心がけています。
横浜翠陵中学校 校舎内
算数を、数学を嫌いにならないでほしい
最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。
菊地先生 難しい問題があった時に、それができないことは確かにあるかもしれないですけれども、そうだとしても、その難しい問題というのは絶対に基本から成り立っているものなので、今、それができなかったとしても焦らずに、計算や一行問題などを徹底してやっていく。そこで、算数を、数学を嫌いにならないでほしい。それがメッセージです。
あと(付け加えるなら)、身近なものはほとんどが自然科学の算数や数学の考えからできているので、いろいろなものに関して、「なんでこうなっているのだろう?」と、疑問に思ってほしいです。例えば、ここに椅子が置いてありますが、昨日、教員室の椅子が全部新しくなりました。「椅子は全部、先生たちが組み立ててください」と言われて、昨日、国語の先生と私とで組み立てたのですが、ネジの中に六角ネジがあり、(国語の先生に)「なんでこれ六角形なんですか?」と聞かれました。それにもきちんと理由があって、六角形か三角形じゃないと組み立てられません。緩んでしまいます。五角形ではダメな理由があるのですが、それも自然科学の算数と、理科なんですよね。
菊地先生 別に理由がわからなくてもいいので、いろいろなことを見た時に、疑問を持つことが、すごく大事だと思います。別に勉強ができなくても、いろいろなこと(事象)に対して「なんで?」と感じるところを大事にしてください。高校生になると、受験勉強でいろいろ出てきますけれども、小学校の時にきちんと勉強して、中学校で基本的なことを勉強していればそれも楽しめるのではないか思います。
インタビュー3/3
1940年、学園創立者の堀井章一先生が示した建学の精神は「考えて行動のできる人の育成」。1986年に校訓「考えることのできる女性(ひと)」を掲げて横浜国際女学院翠陵高等学校が堀井学園3番目の学校として開校した。当時としては先を行く「国際理解教育」と「英語教育」を実践し、現在までの翠陵の教育の土壌が形成された。1999年には中学校を併設。その後2011年には、男子にも翠陵の門戸をあけるべく中高同時に共学化。校訓は「考えることのできる人」、校名は横浜翠陵中学・高等学校と改める。「翠(みどり)豊かな三保の陵(おか)」であるこの環境は開校当時から変わることなく生徒達の成長を見守り続けている。