シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

東京女学館中学校

2024年12月掲載

東京女学館中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.生徒には「なぜ?」「どうして?」と探究心を持って考える力を在学中に身に付けさせたい

インタビュー3/3

御校の理科の先生として、生徒にはどんな力をつけてもらい、将来どんな人に育ってほしいと考えていますか?

阿部先生 楽しむ中で自分自身の将来や「こういうことをやっていきたい」と思うことを、中学・高校時代にいろいろと考えてみる場にしてほしいですね。本校は中高一貫なので、高校受験を気にせずに思いっきり学べる時間があります。ですので、理科に限ったことではありませんが、いろいろと試行錯誤してもらって楽しんでもらう機会を数多く持ってもらいたいと思いますし、その先で本校にて身につけたいろいろなことを活かしてもらいたいです。

また、人とのつながりも楽しんでほしいと思います。卒業した生徒の中には、「大学の友達とは違う中学・高校の友達ならではの関係ってあるよね」と言っている子もいます。これは、中学・高校の6年間でいろいろなことを体験する中で抱いた率直な気持ちだと思いますので、そういったものを大切にして人とのつながりを学んでいってほしいです。

飯田先生 生徒には「なぜ?」という疑問を常に持ち、探究心を持って考え続けられるようになってもらいたいです。単なる自分の思い込みではなく、しっかりとしたエビデンスに基づいてきちんと分析できることはとても大事なことです。そこから多角的な視点を持って考えられるスキルが身に付いていけば、実社会に出た時にきっと役に立つはずですので、そこにつなげていってもらえればうれしいですね。

東京女学館中学校 生物室

東京女学館中学校 生物室

「楽しい」と思えることを数多く体験してもらうのが教員としての使命

最後に東京女学館中学校を目指す受験生に向けたメッセージをお願いいたします。

阿部先生 いつも学校説明会では、受験生に「待っているからね」とお伝えしています。理科では、お子さんに実験を体験してもらうのがオープンスクールの定番のひとつで、親御さんも含めて遊びに来ていただけます。そういった体験をひとつのきっかけとして、ぜひ理科に興味を持ってもらいたいですね。

今は理科が「苦手だ」とか「面白くない」と思っている子たちも、中学校に入ると今までとは違った体験ができるようになります。本校は実験もたくさん行っていますので、合格した時の自分を思い描いて、「入学するのが楽しみ」と思いながら受験してもらえたら嬉しいですね。その思いに応えられるよう私たちも頑張りたいと思います。どうか楽しむ気持ちをいつも忘れずに頑張っていただけたらと思います。

飯田先生 繰り返しになりますが、本校でぜひ「楽しい」と思える体験をたくさんしてほしいと思います。それは遊びを通してでもいいですし、実験を通してでもいいです。実験や観察を「楽しい」と思える気持ちが大切だと思っています。

今現在理科が「楽しい」と思っている子はもちろん大歓迎です。一方で受験のための勉強をしていく中でだんだん嫌いになってしまった子でも、本校に入学してくれたらまた「理科が楽しい」と思ってもらえるはずです。そんな仕掛けを用意してみなさんの入学をお待ちしています。

坂田先生 最近は理科に力を入れている女子校も多いように感じていますが、施設が充実していることも大事とは思うものの、結局そこにいる生徒や教員がどういう関係を築いて行けるかが本質的でかつ大事なところだと思っています。教員が生徒の興味を刺激する実験や講座に取り組んでいることも本校の特徴のひとつだと思いますので、さまざまな経験を通じて成長したい、と考える受験生に入学してもらいたいです。

広報室長/坂田 充先生

広報室長/坂田 充先生

インタビュー3/3

東京女学館中学校・高等学校
東京女学館中学校・高等学校伊藤博文が創立委員長として発足した「女子教育奨励会」が母体となり、1888(明治21)年に設立。建学の精神は「諸外国の人々と対等に交際できる国際性を備えた、知性豊かな気品ある女性の育成」です。インクルーシブ・リーダーシップ(共生し協働する力)を養うために、生徒会、クラブ、さまざまな行事を生徒による実行委員会方式で実施。
「国際学級」は英語・異文化理解に特化したカリキュラムで、実践的な英語運用能力を養成。一般学級でも英語習得を中心とした国際教育を重視。英語の授業は習熟度別で実施。アメリカ文化研修は、働く女性の職場から家庭まで密着するというユニークな文化交流。さらに、日本の文化にも力を入れ、茶道・華道体験、歌舞伎や能楽の鑑賞、京都・奈良への修学旅行(高2)などを実施。中3の修学旅行は広島で、平和や環境問題を学ぶ。
白のセーラー服に青いリボンの制服は1930(昭和5)年に制定され、「品性を高め、真剣に学ぶ」精神を象徴。中1では60歳以上の卒業生へのインタビューも交えたスクールアイデンティティ学習を実施。体育大会では、17世紀のフランス宮廷ダンス「カドリール」を高3が制服で踊るのが伝統。クラブではオーケストラ、ダンスが人気。茶道部は表千家・裏千家がある。食堂の手作りパン、ソフトクリームは大人気。