シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

青山学院横浜英和中学校

2024年11月掲載

青山学院横浜英和中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.中高6年間という長いスパンの中でいろいろなことを考えたり体験したりしてほしい

インタビュー3/3

社会科の先生たちが中心となって行っている行事的なものはありますか?

市川先生 社会科としてあまり特徴的なものはないものの、学校としては新しく「キャリア塾」といったものを行っています。これは実際に働いている方を呼んで話を聞いたり、「働くってどういうことだろう?」と考えたりする機会として、総合やロングホームルームの時間を使って年に数回各学年で取り入れているもので、これまでにはJALや日産、野村証券をはじめとした名だたる企業の方に来ていただきお話を伺いました。そこと社会科とうまくリンクしてくれればいいとは思っています。

青山学院大学に行く子が多く、かつ他大学に進学する子もいるこの状況の中、社会科の先生として生徒にどんな力をつけて、どんな人に育っていってもらいたいとお考えですか?

市川先生 自分で社会を動かす原動力になれる人を目指してもらいたいです。元となる考えとして、本校には「心を清め人に仕えよ」という言葉があるので、最終的には人のために何かできて、社会の仕組みを知り、さらには社会を動かす力を持つ、そんな人になってほしいです。またその力を誰に使えて、どうよくしていくかを6年間で考えて見つけてほしいとも思いますし、その見つけた道を大学から社会人になるにしたがって、邁進できるような学力と考える力を持たせたいです。

御校から青山学院大学に進学する生徒が結構いる中、当然他の学校からも進学してきます。おそらく、先生方としては、青山学院大学の中でリーダーシップを発揮してほしいと思われているのではないかと思うのですが?

市川先生 真面目にサボらず一生懸命できる子であってほしいですね。大学で新たに何かをやると決まった際には、率先して手を挙げたり、逃げずにやり続けてくれたりしてほしいとは思っていますし、さらには何が正しいかをしっかり自分で考えて、その正しさが人のためになることだときちんと理解したうえで動ける子になってほしいですね。

最後にこれから御校を受験したいと考えている受験生へのメッセージをいただけますでしょうか?

相田先生 本校は中高一貫校なので、6年間というスパンで考えていただきたいです。そうすると、実にいろいろなことができます。たとえば、グローバル教育などにおいては、世界各地に姉妹校や提携校があって春休みや夏休みに行くことができます。もちろん2~3週間で英語が得意になるわけではないですが、いろいろな体験や経験を通して学べることも多いです。また、体育祭や合唱コンクールなど、さまざまな行事もありますので、なにかしらやりたいことを見つけて頑張ってほしいと思います。

受験勉強って問題を解いて合格ラインを超えることが目標となってしまいがちですが、中学校に入ると身近にある「なぜ?」みたいなものを学んでいくことができます。発表する機会もたくさんあるので、そういった好奇心や興味・関心みたいなのが中学に入ってから見つけられるといいのですが、6年間を通して見つけてもらったうえで、大学や社会に出ていく際につながっていけば嬉しいですね。

市川先生 私は、あまり受験一辺倒でなくてもよいと思っていて、いろいろなものに関心が持てたり、人のために行動できたりするような子にぜひ来てほしいと思います。本校であれば、将来人のために何ができるのかについて6年間の中で見つけるチャンスがたくさんあると思います。たとえば行事や学校の生活の中で、「人のために役立つって何かな?」ということを常に考えさせられる体験ができますので、何かしら自分なりの答えを見つけられると思います。「自分の将来を見つけたい」という子にはおすすめの学校と言えるかもしれません。

入試広報部長/相田 賢二先生

入試広報部長/相田 賢二先生

インタビュー3/3

青山学院横浜英和中学校
青山学院横浜英和中学校横浜英和学院は、1880年(明治13年)、アメリカ人宣教師H・Gブリテンによって、横浜山手居留地に創立された。1916年に現在の蒔田の丘へ移転し、100年後の2016年4月より青山学院大学系属校となり、2018年度からは共学校となった。
「キリスト教に基づく人格教育を行う」という建学のもと、今後の社会を、希望と喜びをもって他者と社会に貢献していく人格の育成を、教育方針としている。「神を畏れる」「自立する」「隣人と共に生きる」の3つの教育目標は、キリスト教教育、キャリア教育、グローバル教育として、6年間の教育プログラムの中で具体的に実践されている。
神の前に自立した自己として立つこと。お互いを大切にし、認め合いながら相互理解を深めること。この2つのことを、今後彼らが活躍する社会やコミュニティーで生きていくための準備教育として大切にしており、「自分らしさ」、「私らしさ」を探求し、神から与えられている賜物を用いて、謙虚に自分の使命に生きる人生を志向していく人を育てることを目指す。
青山学院大学との系属校化により、大学出張講義や学問入門講座への出席、渋谷キャンパス、相模原キャンパス訪問、キャリアガイダンスの実施や青山学院大学への系属校推薦など、高大連携事業も年々より確かなものとなっている。
毎日の授業は、プロジェクターとスクリーンで展開。生徒は1人1台chromebookをもち、学びに活かす。講義形式の授業だけではなく、生徒自らが考えてつくる授業を展開しており、総合学習や海外研修報告、英語のレシテーションや各教科の研究発表などchromebookを用いて発表する機会が多くある。
給食があることも大きな特徴。栄養のバランスを考えた温かな食事を、クラスでみんなと一緒にとる。生徒も教職員も同じメニューで、クリスマスのケーキなどの特別メニューが出ることもある。幼稚園、小学校、中学校、高校、職員、1700食以上を管理栄養士と調理員計16名で作っている。