シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

日本大学藤沢中学校

2024年08月掲載

日本大学藤沢中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.一人ひとりが輝ける環境を、がコンセプト。自分らしい人生をつくろう

インタビュー3/3

大学との連携は今後ますます活発に

大学との連携もされていますか。

池田先生 中学と高校、両方とも大学と連携しています。隣の生物資源科学部は農学系なので、グラウンドの裏に畑があります。その大学の畑を使わせてもらい、大学の先生や大学生と一緒に、種植えから収穫まで農作業のフィールドワークをしています。自分たちで作ったものを食べるという、食育もしております。

大学の存在を、中1の時点から意識することができるのも特徴ですよね。

池田先生 高校生も、隣の学部を含む、8学部にお邪魔して講義を受けることにより、より具体的な進路選択の一助にしてもらうような取り組みを行っています。それも大学付属校のメリットだと思います。

沼尻先生 コロナ前は、もっといろいろなことをやっていたのですが、だいぶできなくなってしまったので、少しずつ元に戻しているところです。本校の生徒による大学見学ツアーも、その一つです。そろそろ復活しようと、話を進めているところです。
隣の生物資源科学部に行った大学生との交流会も、以前行っていたのですが、それも今年、あるいは来年あたりから復活させたいという話もしています。

池田先生 実は今日も、大学の学部の先生方に来ていただいていて、個別進学相談コーナーを設けていただいています。三者面談期間なので、面談後に立ち寄れる形にしています。

また、他大学の説明会も実施しています。高校生の「特進クラス」には「特進プログラム」というものがあって、難関大学に進学されている学生さんをここにお呼びして、スモールグループでディスカッションをします。進路選択や学部系統の話など、いろいろ聞いてもらって、高い目標やモチベーションに繋げてもらう取り組みも行っています。日大以外の進路を希望している生徒にも、きちんと対応しています。

日大の推薦権を持って、他大学を受験することはできますか。

池田先生 国公立大学の一般受験であれば可能です。ただ、全部の学部学科が対象ではありません。日大にない学部学科、例えば看護や初等教育系(幼稚園・小学校の教員免許取得)ですね。小学校の教員免許は、文理学部で取れなくはないのですが、玉川大学さんと提携しています。

広報部主任/池田 直哉先生

広報部主任/池田 直哉先生

世の中の役に立てる人材に育ってほしい

生徒さんにはどんな人に育ってほしいですか。どんな力をつけて巣立ってほしいですか。

沼尻先生 最初に申し上げた力を、全部身につけて巣立ってほしいですね。特に、国語だけでなく、総合的な探究の時間も交えて、論理的に考えて説明できる力を習得してほしいです。実際には、相手の立場を考えて説明できるという、いわゆるコミュニケーション能力になるんでしょうかね。

あとは、どうしても大学入試のことを考えると、知識系のところは必要なところになりますので、入試で問われるような、基礎から応用、発展につながるような知識ですね、これを身につけてほしいです。また、本校の校訓「健康・有為・品格」の「有為」は、役に立つ人間になる、という意味です。国語の面では論理的な思考力、説明力、コミュニケーション力だと思うので、国語の学びを通してそれらを身につけて、世の中の役に立てる、必要とされる人材になってほしいと思います。

この体験学習(ホスピタリティ教育)も珍しいのでは?

沼尻先生 ある企業にお願いして、思いやりのある働き方を学ばせていただく機会を設けています。生徒参加型なんですよ。いろいろなスライドを用意して、「この場合はどうしますか」などと言って、書かせて、発表させるとか。実際にお客様ともてなす側の役になって演じてみるとか。座学だけではないので、生徒は楽しく取り組んでいます。

日本大学藤沢中学校 グラウンド

日本大学藤沢中学校 グラウンド

誰もが輝ける学校で自分を磨こう

最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

池田先生 先ほど進路の話をしましたが、日大藤沢は様々な可能性を秘めている学校だと思います。「一人ひとりが輝ける環境」をコンセプトとしていますので、獣医学を学びたいなど、将来の目標が決まっている子ももちろんですが、まだ決まっていない子たちも中高6年間の生活の中で自分が輝けるものを見つけて、それを輝かせて社会に羽ばたいてもらえるといいなと思っています。

沼尻先生 国語の面で言うと、本校では日本語を大切にしています。保護者の方に共感していただけないと、お子さんが好きになりません。中学受験は子どもの受験ではなく、ご家庭での受験と言われるのは、そうした背景があるからだと思います。ですから、日本語を大切にしているご家庭に受験していただけると嬉しいです。

日本大学藤沢中学校 図書室

日本大学藤沢中学校 図書室

インタビュー3/3

日本大学藤沢中学校
日本大学藤沢中学校日本大学生物資源科学部に隣接し、緑あふれる約115,412平米のキャンパスには、最新の教育施設を備えた新校舎をはじめ、各種の教育施設が設置され、私学として明るく創造性に富み、心身ともに健康で心豊かな人間の育成を目指した、質量ともに充実した教育環境を形成している。平成21年度より併設の中学校を設立し,付属高等学校・中学校の特性を活かし、大学・高校・中学校十か年一貫した展望とゆとりのある教育を実践されている。
先生方の指導はきめ細かく、放課後の補習など常に生徒の傍でサポートしている。進路指導においても、日本大学進学を希望する生徒は[全員進学]を目標とした受験指導を行い、日本大学以外の国公立・難関私大の受験など、進路の多様化に対応したクラスや講座も設けられている。
さらに、国際的素養を磨くため、カナダへの修学旅行やオーストラリアでの語学研修、英国ケンブリッジ大学への語学研修、優秀な留学生と学ぶ国内語学研修などを実施している。単なる語学修得だけでなく、真の国際人としての基礎を築いている。
フィールドワークへの積極的な取り組みも特徴的。たとえば、「食」について、農場での野菜の栽培や、ソーセージなどの食品加工も体験する。いずれも専門知識を持つ大学スタッフの指導のもとに、食品づくりのシステムや安全性を学び、大学の学習そのものを体験することで、大学進学への意欲を高める。生物資源科学部に隣接するメリットを生かしたプログラムだ。
運動部には高校19部・中学11部もの武道やスポーツのクラブ活動があり、全国制覇を狙う競いの場から趣味の活動を広げる場まで、それぞれの環境で同じ志を持つ仲間達と切磋琢磨して心と身体を鍛えることができる。中学では野球部などが活躍。高校の水泳やサッカー、ウエイトリフティング、女子ソフトテニスは関東・全国大会レベルだ。