出題校にインタビュー!
神奈川学園中学校
2024年07月掲載
神奈川学園中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.グループワークやペアワークを通じ一緒に学びあえる環境で学べる
インタビュー3/3
教育方針については普段から先生方で話し合ったりしていますか?
須山先生 そうですね、普段から「この単元で何かいい教材ない?」といった話をしたりしますし、普段からよく喋っているからかもしれないですが、なんとなくの方針が教員同士一緒であると感じます。教員同士で話すタイミングとしては、授業の空き時間に会った人同士で話し合ったり、教科会議が終わった流れで話すこともあります。かしこまって「話しましょう」といったスタンスではないのが本校のよさではないかなと感じます。
藤澤先生 日常的に授業の題材だけでなく、「今授業でこんな風にやっているのだけど、生徒に理解してもらうのにどうしたらいいだろう?」みたいなことをフラットに話せる文化が脈々と培われてきているので、それ自体が本校のひとつの財産にもなっていますね。
秋間先生 本校では活動が多いので、必然的にグループワークが多くなります。普段もペアワークでお互い答え合わせするような授業をしているので、特に何も言わなくても教え合う雰囲気は生徒間にありますね。数学だけでなく他の科目でもペアワークは普通に行われているので、のちのち受験勉強をしていく時でも一緒に学び合える関係性が作れるのではないかと思っています。
広報室長・数学科/藤澤 里悠太先生
社会に出てから使える数学的な考え方を育てていきたい
数学科としてさまざまな活動に取り組んでいらっしゃると思いますが、これからの時代、御校の生徒たちが社会に出て活躍してくためにはどんな力をつけさせてどんな人に育っていってほしいと思っていますか?
秋間先生 進路によっては数学を使わなくなってしまいますが、数学を学ぶ中で培われる考える力や物事を筋道立てて考えられる力、あとはペアワークやグループワークを通じて誰かと一緒に協働しながら問題解決に向かう力などを身に付けさせていくことが、生徒たちの将来につながっていくのかなと思っています。数学の学びだけでなくそういった部分も意識して授業を展開しています。
須山先生 何かを示された時に「こうだからこう考えるのか」といった瞬発的に判断する力は、数学の中から育つものがあると思っています。
あと文系・理系に関係なく、何をするにしても目標を設定することは必要です。自分がこういう行動を取ったらこうなるかもしれない、といったように結果を推測することや考えることは大事です。目標に到達するために何が必要かを検証する考え方は、つまるところ論理力だと思います。
今はAIやChatGPTが話題になっていますが、それを生み出すのも人ですし、チェックしているのも人が介在しています。修正は人の手であると考えた場合、手を動かすことはとても大事です。自分がどこでミスしているのかを考える、ミスの傾向を捉えるのも大事かと思うと、実は普段学んでいる数学の学習一つ一つが、我々大人が普段している行動の中に活きているのではないかと思います。生徒が大人になるまでに一つ一つがちゃんと繋がっていることを伝えていきたいですね。
中高生で特に数学が好きではないという生徒にいくら「将来数学は役に立つんだよ」と伝えたところで抽象的過ぎて、具体性を求める若い子たちに理解させるのは難しいと感じます。数学はできる・できないが割と明確な科目なので、「できないのはダメだ」と言われてもできない子は楽しくないですよね。
秋間先生 そういった点を踏まえて、解答までのプロセスを大事にしているところはあります。答えが間違っていても「ここまではよかったよ」と言うことで、生徒は前向きになってくれます。
須山先生 生徒は教員が思いつかないような方法を実行することがあります。たとえば、ノート指導に関しても、最初はこちらから「こうやったほうがいいよ」と言うものの、しばらくすると生徒はどんどん自分で工夫していきます。それを、他の子に紹介するだけでも生徒は育っていきます。ただ押し付けられて無理やりではなく、他の人が工夫しているものを周りに共有する、そういったことは大事にしていきたいです。
神奈川学園中学校 図書館
算数を嫌いにならないように好きな部分を見つける
数学が苦手なお子さんも多いと思います。そのような子を抱えた親御さんがどういった手助けをすれば算数好きの子に育ってくれるのか、アドバイス的なものがあれば教えてください。
須山先生 私は算数が得意か苦手かは個性のひとつだと思っています。苦手な生徒は単に楽しいことに出会っていないだけかもしれません。たとえば立体など図形がわからないと思った時には、実際に作ってみるのも手だと思います。直接的な計算につながらなくても、イメージにつながれば、ポジティブな思考になっていくはずです。
確かに受験につなげていくためには、できることを増やしていくことは大事です。でも嫌いにならないことはそれ以上に大事です。ですから算数について少しでも楽しいと思える部分に出会ってほしいと思っています。学校としては、できなくてもできるようになりたいと思ってくれることを望んでいます。諦めたくないなって思っていたらきっと大丈夫です。
最後にこれから神奈川学園中学校を目指す生徒受験生の方に対するメッセージをお願いできますでしょうか。
秋間先生 受験生のお子さんは、合格に向けて算数を一生懸命学んでいると思いますが、過去にも算数はすごく苦手だったけれど、数学になって好きになったという子が先輩に何人もいます。
今苦手意識があっても中学1年になれば、数学はみんな1年目の同じスタートラインに立ちます。算数の得意・不得意は多少影響あるかもしれませんが、本校に入学したら新たな気持ちで学んでもらいたいです。新しい授業との出会いや新しい仲間と一緒に学び合える素敵な環境が待っていますので、ぜひ本校で一緒に学んでいけたらと思っています。
神奈川学園中学校 教室
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