今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
鎌倉女学院中学校
2024年04月掲載
2024年 鎌倉女学院中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
(問)日本には伝統的に色を表す美しい言葉が多くあります。次の文の にふさわしい色を表す言葉を後より選び、それぞれ記号で答えなさい。
① の夕焼けが空に広がる。
②少女は に頬(ほほ)を染める。
③パンが に焼き上がる。
④草餅(もち)はちょっとくすんだ だ。
⑤南国の海が に輝(かがや)く。
- (ア)鶯(うぐいす)色
- (イ)茜(あかね)色
- (ウ)瑠璃(るり)色
- (エ)藤(ふじ)色
- (オ)山吹(やまぶき)色
- (カ)狐(きつね)色
- (キ)桜色
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この鎌倉女学院中学校の国語の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
- ①イ
- ②キ
- ③カ
- ④ア
- ⑤ウ
解説
- ①茜色とは、やや黄色がかった、暗い赤色のことです。茜草という植物があり、その根で染めた色に由来しています。
- ②桜色とは、淡い紅色のことです。ソメイヨシノという桜の花の色に由来します。
- ③狐色とは、薄いだいだい色のことです。狐の背中部分の毛の色に由来しています。
- ④鶯色とは、濃い黄緑色のことです。鶯という鳥の羽の色に由来しています。
- ⑤瑠璃色とは、紫がかった濃い青色のことです。瑠璃という宝石の色に由来しています。瑠璃はラピスラズリとも言います。こちらの名前で知っている人も多いでしょう。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
日本に古くから伝わる、「色を表す美しい言葉」にふれる問題です。例文にあてはまる色の名前を、選択肢の中から選んでいきます。都市化が進む昨今、植物や動物といった身の回りのものとつながる色の名前は、日常生活の中ではあまり耳にしなくなってきたかもしれません。しかし、少しくすんだ色や、パステルカラーといわれる淡い色が世の中で話題になることもあります。原色ではない、景色や自然につながる中間的な色に惹かれる気持ちは、私たちの心のどこかにあるのかもしれません。この問題では、そうした私たちの身近にひそやかに息づいている色がテーマとなっています。
例文や選択肢を読んで、子どもたちの頭の中には、さまざまな景色や動植物が浮かんだことでしょう。この問題に出あうことで、子どもたちは、自分の目に映るさまざまな色が、ふだんとは別の言葉で表現できることに気づくはずです。そして、子どもたちから「茜色って何色?」などと聞かれた大人も、自分のとらえている色がさまざまな情景とつながっていることに気づくのではないでしょうか。自分の目に見えていることや今まで見てきた景色を、ていねいに言葉にしてみることを通して、日本の伝統にも触れてみよう、美しい言葉を味わってみよう、という出題校からのメッセージが伝わってきます。
このような理由から、日能研では、この問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにしました。