シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

和洋国府台女子中学校

2024年01月掲載

和洋国府台女子中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.ペットボトルの分別ルールの理由

インタビュー1/3

ペットボトルはキャップ・ボトル・ラベルの素材が違う

ボトルもキャップもラベルも「プラスチック」ではあるけれど、種類は違います。受験生はそこまでは考えが及んでいないでしょうから、「そうなんだ」と思ったのではないでしょうか。

天野先生 ペットボトルの分別はしていても、何のためにキャップ・ボトル・ラベルを別々に回収しているのか、考えるきっかけになったらうれしいですね。
この問題は、分別の意識、環境問題に対する興味・関心、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」、目標14「海の豊かさを守ろう※」を意識して作問しました。※入試問題ではレジ袋をくわえているウミガメの写真を掲載。

最近では、「ペットボトルのリサイクル素材で作りました」と表示した衣類を店頭で見かけるようになり、身近になってきました。実際に店頭でリサイクル繊維を使ってできた衣類を見たことが、この問題を作るきっかけになりました。
理科の力を使って日常生活にどう還元していくかということは、高3になると触れることがありますが、中学でもいま勉強していることが日常生活にどのようにつながっているのか、生徒に伝えたいと思っています。

理科主任/天野 俊治先生

理科主任/天野 俊治先生

問題を解く手がかりをつかむ読解力は必須

この問題の出来具合はいかがでしたか。

天野先生 正答率は3割程度でした。想定していた通りでしたね。
この問題のある大問を改めて見直したところ、「マイクロプラスチック」を答える問題は正答率8割程度と高く、基本的なところは押さえていると感じました。
一方、この問題はどれが何に当てはまるのか、前置き文の読解力が必要とされます。問題を解く手がかりを読み取り、持っている知識と与えられた情報を照らし合わせて、科学の目線で読み解いていくプロセスが必要です。正答率から、そうした力が足りなかったのかなと思いました。

名称が結構難しく、初めて聞くような、しかも似た名称なので、混乱した受験生もいたかもしれません。ただペットボトルは身近なものなので、受験が終わった後で「こういうものでできているんだ」と思ってくれたらいいですね。

和洋国府台女子中学校 校門

和洋国府台女子中学校 校門

文章に書いてあることをイメージする

この問題が解ける受験生はどんな力があるとお考えですか。

天野先生 入試対策をしっかりした上で、文章を読む力、表を見て3種類のプラスチックの1.0cm3あたりの重さの違いから、どれが一番軽くてどれが一番重いのか、頭の中で理科的にイメージできる力、文章の内容と表のデータを関連づけて考える力があるのではないかと思います。
特に物理や化学の問題は、文章に書いてあることを頭の中でイメージすることが必要になります。授業をしていて、それがなかなかできない生徒もいると感じます。

イメージ力は、経験を積むことで高めることができますか。

天野先生 授業ではわかりやすい事例を提示して説明しますが、経験は生徒一人ひとり違います。日常生活のどんなことと関連づければ理解しやすいかは個々に異なります。
例えば運動エネルギーの授業では、「ダンプカーと自転車が同じ速度でぶつかったら、ダンプカーの方がぶつかったときのエネルギーが大きいよね」と、まずこちらから事例を出して、エネルギーが大きくなるたとえを生徒自身が考えて発表してもらうようにしています。こうした場面をできるだけ設けて理科のイメージ力を育てたいと思っています。

和洋国府台女子中学校 制服

和洋国府台女子中学校 制服

インタビュー1/3

和洋国府台女子中学校
411_和洋国府台女子中学校明治30年(1897年)和洋裁縫女学院を麹町区飯田町3-22(現在の千代田区富士見町富士見小学校前)が創設され、明治34年9月27日私立学校令により、私立和洋裁縫女学校と改称された。以後この日が創立記念となっている。「凜として生きる」を教育目標として明朗和順の徳性を涵養し、実験学習を重んじる学習と、徹底した生活指導に意を注ぎ、有為な日本女性を育成することを目的としている。
江戸川を望む緑美しい高台に広がる中・高・大連携キャンパスでは、講義や実習など様々な交流が行われ、和洋ならではの貴重な学びが展開される。最新設備が充実した校舎内には、季節の花などで優しい雰囲気を醸し出す。図書館は幅広い分野の書籍、約8万冊を所蔵する開架式。自習スペースとして利用される。体育館は2つのアリーナやトレーニングスペース、学生ホール(食堂)などを備える。体育館2階プレイルームは壁一面が鏡張りとなっており、ダンスの授業や部活動で使われる。体育館の1階には1年を通して泳げる温水プールがあり、水泳の授業や部活動に使われている。
英語の「和洋ラウンドシステム」では、同じ教科書を異なるアプローチで繰り返し学び定着を図る。英会話は、ネイティブの先生から少人数で学ぶ。隔年でイギリスとイタリアを訪れる海外文化研修では、異文化に触れ向上心を刺激する。理科の授業では、中学3年間で100項目の実験・フィールドワークを中心に行う「五感を駆使するサイエンス教育」を実践する。日常の生活に結び付いた探究の中で、生きた学力を身に着ける。
2023年度入学生より、新制服。伝統のセーラーのイメージは残しつつ、グレーのジャケットを採用。セーターなどのアイテムと合わせて、気温や生徒の個性に合わせた着こなしができるスタイルだ。セーラーブラウスは長袖、半袖があり、透湿性に優れた素材で快適に過ごせる。ジャケットスタイルに合う、スラックスも用意。白または紺のポロシャツとチェックのスカートを組み合わせた涼しげな盛夏服も採用された。