今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
和洋国府台女子中学校
2024年01月掲載

2023年 和洋国府台女子中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
洋子さんと先生の会話を読み、あとの問いに答えなさい。
先生:プラスチックもリサイクルすることができます。たとえば、プラスチックのペットボトルをリサイクルして洋服を作っている会社がありますよ。
洋子:ペットボトルから洋服を作ることができるのですね。全然違うものに見えるので驚(おどろ)きました。
下線部に関連して、ペットボトルを分別するため、ペットボトルのキャップ、ボトル、ラベルに分けて水の中に入れました。すると、ボトルとラベルは沈(しず)み、キャップは浮(う)きました。次にある濃(こ)さの食塩水の中にボトルとラベルを入れたところボトルは沈み、ラベルは浮きました。ペットボトルに使われているプラスチックの種類を調べたところ、表のいずれかであることがわかりました。
| 表 | |
|---|---|
| プラスチックの種類 | 1.0cm3の重さ |
| ポリエチレンテレフタラート(PET) | 1.38g 〜1.40g |
| ポリプロピレン(PP) | 0.92g 〜0.97g |
| ポリスチレン(PS) | 1.05g 〜1.07g |
(問)キャップ、ボトル、ラベルのプラスチックの種類の組み合わせとして正しいものを下の(ア)〜(カ)から選び、記号で答えなさい。ただし、水1.0cm3の重さは1.0gとします。
| キャップ | ボトル | ラベル | |
|---|---|---|---|
| (ア) | PET | PP | PS |
| (イ) | PET | PS | PP |
| (ウ) | PP | PET | PS |
| (エ) | PP | PS | PET |
| (オ) | PS | PET | PP |
| (カ) | PS | PP | PET |
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この和洋国府台女子中学校の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
(ウ)
解説
問題文から、水の中に入れたときには、ボトルとラベルは沈み、キャップは浮いたことが読み取れます。水に浮くものは、同じ体積で比べたときに水よりも軽いことから、キャップは同じ体積で比べたときに水よりも軽いプラスチックでできていることになります。問題文に、水1.0cm3の重さは1.0gと書かれているので、キャップに使われているプラスチックは、表で1.0cm3の重さが0.92g~0.97gになっているPP(ポリプロピレン)であることがわかります。
また、問題文から、食塩水の中にボトルとラベルを入れたときには、ボトルは沈み、ラベルは浮いたことが読み取れます。このことから、同じ体積で比べたときに、ボトルは食塩水よりも重いプラスチックで、ラベルは食塩水よりも軽いプラスチックでできていることになります。食塩水1.0cm3の重さは問題の中には示されていませんが、表で、PET(ポリエチレンテレフタラート)とPS(ポリスチレン)の1.0cm3の重さを比べると、PETの方がPSよりも重いことが読み取れます。そのため、食塩水の中に入れたときに沈んだボトルにはPET、浮いたラベルにはPSが使われていることがわかります。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
ペットボトルのキャップを取って、ラベルをはがして、分別してリサイクルに出す。なぜ、キャップを取ったり、ラベルをはがしたりするのでしょうか。キャップを取った後に飲み口の下に残るリングはそのままにしておくこともありますが、分別しないでよいのでしょうか。回収されたキャップやラベルやボトルは、その後どのようにリサイクルされるのでしょうか。
この問題では、子どもにとって身近なペットボトルがどのような種類のプラスチックからできているのかを、水や食塩水の中に入れたときの浮き沈みのようすや、表で示されたプラスチックの1.0cm3あたりの重さをもとに考えていきます。問題に取り組んでいく中で、先に挙げたような疑問が子どもの中に生まれてくるのではないでしょうか。このような疑問や視点は、SDGsの17のゴールのうち、12の「つくる責任 つかう責任」にもつながっていきます。また、プラスチックという点では、近年、海洋のプラスチックゴミが増えていることが問題となっていて、SDGsの17のゴールのうち、14の「海の豊かさを守ろう」にもつながっていきます。
この問題に取り組むことで、子どもたちは、自分が普段の生活の中で行っていることについて疑問を抱いたり、SDGsとのつながりを感じたりすることができるのです。
このような理由から、日能研ではこの問題を『シカクいアタマをマルくする。』シリーズに選ぶことにしました。