シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

湘南白百合学園中学校

2023年11月掲載

湘南白百合学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.生徒たちが自ら学びを深めていける授業を実践

インタビュー2/3

学校の授業等のお話に移っていきたいと思うのですが、言葉に対して思い入れのある先生が多い印象があります。普段はどのような国語の授業を行われているのですか?

山代先生 本校の国語科は、探究学習が充実しています。そこから派生して一方的に知識を教えるのではなく、生徒たち自ら学びを深めていくことを取り入れています。
Chromebookを使っているのですが、班を作りChromebookの中で意見をまとめ、それをクラスのみんなで電子黒板に映して見るといったこともします。生徒たちの活動を中心とした授業も結構行っていますね。
授業の中ではプレゼンテーションソフトを使うこともあるのですが、なかには教師よりソフトを使いこなせている生徒もいますから、それは非常に良いことだと思っています。

探究というお話がありましたが、国語科として何か関わられていることはありますか?

山代先生 直接的に国語の探究といったものはなく、中学生の場合だと理科や社会的な要素が前面に出た探究学習をしていきますが。ただし、それをどういう風にまとめていくか、といった時には文章化していきますので、国語科の働きは必ず必要になります。

また高校だと1年・2年は自分でテーマを決めて探究・調査・実験していきます。そして高校2年になると6,000字でレポートにまとめて提出する形を取っています。当然国語の能力が問われる部分でもありますので、そういった部分での関わりはあると思っています。

湘南白百合学園中学校 教室

湘南白百合学園中学校 教室

良い本を読んでもらうために始めた「現代文学名作選」

国語科として何か特別なことはされていますか?

山代先生 中学生だと自分の好きな本のPOPを作って紹介し合ったり、歌舞伎鑑賞をしたりもしますし、古典の授業では百人一首を扱いますので、単に歌の意味を学ぶだけでなく、かるた大会をしたりしています。

また図書室と連携して読書会を開いたりもします。他にもなるべく良い本を読んでもらいたいというのがある中、ここ数年は「現代文学名作選」として本を選定し、3年間読んでもらって感想を書かせるといったことも行っています。もちろん自分の好きな本も読んでもらいたいのですが、プラスでこちらが選定した本を読ませるようにもしています。

今の子たちにとってネットの発達によって好きなものはピンポイントで目に入るものの、興味を持っていないものは目に入りにくいという中、どんな工夫がされているのでしょうか?

山代先生 最初は授業でも子どもたちの主体性を活かしたかったので、「好きな本を読んでいいよ。でも何を読んだか、どんな内容だったかを感想カードに書いて提出しなさい」としていたました。しかし、出てきたものがネット小説だったり、こちらが求めるタイプの本でなかったり、といったことがあったんです。それを知ってからというもの、読んで少しでも血となり肉となるような本にたどり着いてもらいたい、という想いが年々強くなっていきました。強制するつもりは毛頭ないのですが、良い本を提案・提供したりすることは大事なんだ、と思って名作選をやっています。

図書室と連携というのはどんなものですか?

山代先生 本を選定してグループで感想を言い合うようなことであったり、図書室自体に行ったりということを提唱しています。教室で「こんな本を読んだらいいよ」といっても言葉だけの発信にしかならないので、実際に図書室で好きな本を手に取って開いてみることをさせることが本への興味を増進させることにもつながります。なかには、本を読まなかったのにこのような機会があることで読むようになった生徒もいます。これは国語の授業としてもやりますし、放課後に有志が集まってやることもあります。最近は、図書室発信で保護者の方向けの読書会も開催されました。

湘南白百合学園中学校 メディアネットラボ

湘南白百合学園中学校 メディアネットラボ

インタビュー2/3

湘南白百合学園中学校
湘南白百合学園中学校1936(昭和11)年、フランスのシャルトル聖パウロ修道女会が創設した幼稚園を前身に、カトリックの精神に基づいた女子教育を行っています。全国7校の姉妹校とともに、「従順」「勤勉」「愛徳」を校訓に、神と人の前に誠実で、社会に奉仕できる女性の育成をめざしています。湘南の高台に立つキャンパスは、江の島や相模湾が一望できる自然あふれる環境で、校地内にはリスの姿も見られるほど。併設大学がありますが、東京大学をはじめとした国公立大学や難関私大、医学部への進学実績は堅調です。
6年間を通して宗教の授業を実施しており、キリスト教の普遍的価値観に触れながら、世界で関わる他者を尊重する姿勢や、自らの資質を活かして社会に奉仕する心を育てています。英語教育のレベルが高く、中学1年から少人数クラス、中学2年からは習熟度別少人数クラス制を実施。Eラーニングも取り入れ、個別最適な英語の学びを提供しています。また英語に堪能な生徒を対象とした極少人数のEクラスでは、海外のテキストを使用したハイレベルな授業を中学1年時より行っています。数学も中学1年から少人数クラス、中学3年からは習熟度別少人数クラスを開設。きめ細かな添削課題などで基礎学力を確かなものにするとともに、探究の授業を中心に、発言の機会や深く考える場面が数多くあります。探究の授業では、中学1年から高校2年まで、テーマと形態を学年ごとに発展・展開させながら教科の枠を超えて学びます。
近年は、新たな教育を見据えて学校の施設もリニューアルしています。創立75周年を記念して作られた、1200人収容の「白百合ホール」をはじめ、2020年には紙の書籍とICT機器を集約した「メディアネットラボ」が、2022年には有志の生徒がリノベーションを手がけたカフェテリア「リリースペース」が完成。全面人工芝に改修したグラウンドは、体育の授業はもちろん、運動部の生徒たちが活用しています。「リリースペース」を生徒が作り上げるなど、生徒主体の活動が活発化しています。フィリピンの姉妹校とグローバルな取り組みを行っている「PVO」や、SDGsを推進している「SEE」は生徒が立ち上げた有志団体。学年や部活の枠を超え、生徒主体の様々なチャレンジの場があります。