シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

広尾学園中学校

2023年08月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

広尾学園中学校の社会科が求めているチカラとは?

広尾学園中学校/先生
1「自分ごと」として考えるチカラ

作問で意識したのは、「自分ごと」として物事を考えられるかどうかです。リード文に、応援消費とはどのようなものか具体例を挙げました。リード文をしっかり読んで、「これも応援消費かな」と自分の身の回りに置き換えて考えてもらえるといいですね。

2具体例から抽象化するチカラ

さらに、応援消費と寄付がそれぞれどんなものか具体的にとらえて、その違いを抽象化できる思考力を試しました。その際、具体的なイメージがもう一つ不鮮明だと抽象化したときに差がつかなくなります。寄付と応援消費の違いがわからない解答が目立ちました。一方、経済活動の活発化といった国全体の視点からの解答や消費者目線に立った解答など感心した答案もありました。

3理由の根拠を説明するチカラ

設問に「それぞれ理由を含めて」とあるので、単に「お金が回る」「楽しい」だけでは説明不足です。「~だから」「~のため」という根拠が書けていることが重要です。また、文章記述は主語や目的語がなく、わかりにくい解答が多くあります。主語や目的語を明記して相手に伝わる文章を心がけましょう。