出題校にインタビュー!
横浜女学院中学校
2023年07月掲載
横浜女学院中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.社会に出ても学び続ける子どもに育てる教育を行っていく
インタビュー3/3
理科教員として生徒にさまざまなサポートをしていると思うのですが、これからの時代、生徒にどのように育ってほしいと考えていらっしゃいますか?
塚本先生 大人になって社会に出ていくと、学生時代と違って答えがないもの、知らないものに山ほど出会うと思います。そのようなことに出くわした時に、「そんなの習っていない」と思わずに、自分なりに解答を出していったり、考えていけるように学び続けてほしいとは思います。学びが中高の6年、大学の4年で終わらずに一生続いていける人になってほしいです。そして学んだことを使ってよりよい人生を歩んでほしいです。
そんな中で理科としてできることは、未知なるものへの挑み方や論理的な考え方の部分でサポートしていければと思います。
次六先生 私自身クリスチャンなのですが、生徒にはよりよく生きてほしいというのは塚本先生と同じでして、それ以外の部分では、何か苦難が与えられた時に、その苦難に立ち向かったり乗り越えたり、自暴自棄にならずに次の展開を考えたり見つけたりできる、クリスチャンで言えばお祈りすることで次の手を見つけることができる生徒になってほしいと思います。
そのためには、「こうなりたい」と思うことが大事で、「こうなりたいけどどうすればよいかわからない」ではなくて、「こうなりたいからこそこうしよう」と考えることができる大人になってほしいです。「求めなさい。そうすれば与えられる」という聖句(マタイによる福音書7章7節)があるのですが、私が生徒に求めているのはその言葉のとおり実践できる人間になることです。
それって、困難なことがあっても諦めないということなのでしょうか?
次六先生 諦めないというのも正しいのですが、お祈りすることってイメージとして近いのは誰かに話すことなんですね。誰かに話すときに、自分は何に困っていてどこがわからなくて困っているのかを説明するのに、自分の中でプロセスを組み立てていくんです。原因となるものの分析から始まり、どうすればいいのかといった解決手段を考え、答えを取捨選択していくことができる子になってもらいたいと思っています。
横浜女学院中学校 理科室
覚えるのが苦手な子には仕組みや法則性を説明すると理解度が高まる
理科好きの子どもにしたいと思ったら、親は普段の生活の中でどのようなサポートができると思われますか?
塚本先生 タイプにもよると思いますが、たとえば、算数や物理的なものが得意であるものの暗記ものが苦手な子の場合には、「何でなのか」といった仕組みを教えたり、法則性を説明するとよかったりします。どうしても暗記って苦手な人が多いため、個別の事象の暗記が苦手で覚えていくのがつらいという子だと、「こういう成り立ちがあるんだよ」「こういう法則があるよ」といった仕組みがあることを教えてあげると危機感が薄れていきます。
次六先生 私は親に話したくなるような、もしくは助けたくなるような話をたくさんしてあげるとよいと思っています。一つ面白いエピソードがあって、私が作ってから1週間経過した青椒肉絲を食べたのち、「私この後どうなるかなあ」と生徒に聞いてみたことがありました。そうしたら、その後必死に腐敗について調べてくれた子やどんな細菌が入っているかを教えてくれた子、あと3時間ほどでお腹が痛くなると教えてくれた子などがいまして、真剣に調べてくれているその姿が生物をはじめとした勉強の面白さなのではないかと感じました。知識は人に話すことで覚えますしね。そのあと、腐敗と発酵の違いを教えることもできました。
身近な話題といってもその子にとってなじみにある話でなくてもよくって、友達や親を見ることで得た話題でもぜんぜん良いと思います。
横浜女学院中学校 生徒作品
自分がやりたいと思うことが実現できる横浜女学院
最後に、来年以降に入学を予定している生徒へのメッセージをぜひお聞かせ願いますでしょうか?
塚本先生 理科で学ぶことって、小学校の範囲、中高の範囲といった形で区切ってしまうと、どうしても原理の説明にならずに暗記で終わってしまうものがたくさんあります。自然界にあることには全て理由や仕組みがあったりするものなので、「なんでなんだろう」と考えることで裏側がわかったり、法則性を見出すことでさらに面白くなると思います。
また、理科の題材は身近なものでありつつも教科の勉強となると抽象的な話も出てきます。たとえば、小学生の範囲ですら物理で滑車の問題が出てきますが、滑車を見たことがあるかというとほとんどの子どもは見たことがないでしょう。でもエレベーターなら見たことがあるわけで、日常に繋げて考えてみることで興味が湧いてくるので、「何で」と思うこと、日常だとどういうことに関わってくるのかを考えながら学んでいってほしいなと思います。
次六先生 横浜女学院は、自分がやりたいと思ったことを実現できる環境が整っている学校です。たとえば、フクゾーさんとのコラボでバッグを作ってみたり、女性プロアスリートを招いて生理について考えてみたりするといった企画を実現させています。
なんとなく疑問に思ったりやりたいなと思ったことでも、少々面倒くさいから後回しにしようとしたり、やらなくなってしまうことは往々にしてあります。しかし、やりたいと思った時にすぐに実現してほしいです。わからなかったら調べてみる、考えてみる。やりたかったらやるという姿勢を大切にすることが興味の幅を広げてくれて、横浜女学院に入るための力につながってくると思いますし、それによって、横浜女学院で楽しく過ごせると思います。
横浜女学院中学校 掲示物
インタビュー3/3