出題校にインタビュー!
攻玉社中学校
2023年06月掲載
攻玉社中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.普段の授業は地道にオーソドックスなスタイルで行う
インタビュー3/3
普段の授業風景について教えてください。
立崎先生 授業は、やはり地道にやっています。
特別選抜で入学した生徒も、一般の生徒に混ざって学んでいくので、一クラスに数人ぐらいなのですが、プライドを持って6年間やっていくという感じの生徒はいますね。
数学研究愛好会があって、数学甲子園に出場したこともあります。三人一組で出場して、初見で出された問題をグループディスカッションして、プレゼンまで行うような大会で準優勝したこともありました。最近も、たまに尖った生徒も出てくることはあるのですが、もっともっと増えてほしいですね。
逆に、数学があまり好きではない子に対してのサポートはいかがでしょうか?
藤田先生 学校では補習や小テストを行って、最低限のフォローは行うようにしています。生徒たちも友達同士で教え合ったりしているようですが、男子校の特徴として、丁寧に教えあうというよりは、という感じではなく「手がかりは〇〇だよ」といったポイントを伝え合うというように、さっぱりした感じですね。
立崎先生 苦手ではあるものの、問題集をこなしたりタスクをしっかり実践したりしている生徒が、数学ができるようになることもあります。しかし、最初から嫌ってしまう子はやはり難しい部分があります。そういう子には最低限「ここは試験出るからここだけはやろうね」という感じからスタートします。
攻玉社中学校 教室
生徒の未来志向も今では流行りの情報系分野に
文系・理系の比率はどれくらいなのでしょうか?また理系の生徒で数学の道を究めたいという生徒は多いですか?
立崎先生 文系・理系の比率はおよそ半々です。最近は純粋に数学の分野に進みたいという生徒は少ないですね。どちらかというと情報系といった流行りの分野に行きたいという生徒が多いです。まれにですが、学年に1人ぐらい大学数学の内容を聞いてくるような子もいて、そういう子が数学科に進むというのはあります。
理系全体でも工学系は現在減っていて、機械やロボット、車、飛行機よりは、情報系のパソコンのプログラムやハードに進む生徒が多いのと、医学部選択も増えています。なかには、宇宙工学をやってみたい、地質学を学んでみたいという子も一部にはいます。少数派ではありますが。
先生方として、数学を教える上でどんな力を付けてもらいたい、育ってもらいたいというのはありますか?
藤田先生 学校として、まずは今の大学入試で問われる学力を身に付けさせるのが一番のテーマかなと思っています。数学や算数が得意な子は自分で大学の教科書を読んでみたりするような探求心があるので、好きになってくれた子は自分から進んで課題を見つけてやってくれるとは思います。
立崎先生 中学・高校に進むにつれ大学入試に追われてしまいがちですが、数学が直接役に立つというよりは数学を学んだことによって論理力や説明する力を、将来実感してくれたら我々の仕事は達成であると思っています。難しいことを言っていたし何をやっていたかわからない、と言われたら私たちの敗北だと思うんですね。
サイン・コサイン・タンジェントは日常生活で使わないけれど、これくらいの思考力がないと今の社会問題は解決できないよね、という領域にはたどり着いてほしいですし、文系に行った生徒であっても、数学をあの時きちんとやっていたらおそらくこんなことができたんだろうな、と思ってもらえたら、数学が授業で存在していた価値はあるのかなと思います。数学を通してこんな力がついていたんだ、というのを実社会に出たときに実感してもらえたらいいなと思います。
個人的には数学と社会は対極にあると思っています。社会は歴史的なものの知識を蓄積し、そこを振り返った上でこれからの未来をどうしていくかという発想の学問だと思うのですが、数学は目の前に出されたものを論理的に分解するものであるので今を分析する学問なんですね。
数学が苦手なら社会のほうを頑張って、問題解決力を身に付ければよいと思います。文系の子にはそのように伝えています。大学受験であったとしても十分対応できますし、将来的に大事になるのではないかなと。
歴史に造詣が深いということは、同じぐらい理系に太刀打ちできると思います。どうしても数学は全員に好かれる学問とは言えないですし。もちろん、両方できればそれが一番良いとは思いますが、どちらかでもできれば、今の社会問題解決の武器になるのではないかとは思いますね。
今のように説明を受けて、自分の得意なものを選択し、伸ばすことができれば生徒は幸せですね。
藤田先生 近年では、数学も答えだけでなく論理的に順番に記述していかないと減点されてしまうので、文系の科目と同じ点がありますよね。数学の場合は、どうやって答えを出したかを相手に説明できないといけなくて、そこで差がついてしまうよ、とは生徒に伝えるようにしています。ここ部分は歴史の解答の仕方と数学の解答の仕方の違いなのかなと思います。
数学が苦手だから数学を捨てて文系に行こう、と思ったとしても、完全に捨ててしまうのではなく、最低限の数学の力は付けておいて、文系でもその土壌を活かしていける子は伸びるかなと。どちらに進んでも積み重ねは大事ですね。
大人になると、幅広く学んだことの大切さがわかります。好きな教科を深く学ぶことで、そうではない教科であっても広く学ぶこと、その両方が重要だということですね。
攻玉社中学校 柔道場
小学生の子どもたちへのアドバイス
子どもの学力を伸ばすのに親がサポートできることにはどのようなものがあるかアドバイスいただけますでしょうか?
藤田先生 やはり、学びの習慣が付いている子が強いのかなと思っています。たとえば、攻玉社の生徒でもスマートフォンを身近に持つ子が多いのですが、スマートフォンをいじる時間が長いと学力が伸びないというデータもありますので、あまりスマートフォンをいじりすぎないようにと、個人的には思います。
中学生にもなれば反抗期に入った生徒もいるのですが、素直に学校に向き合ってくれる生徒には来て欲しいですね。反抗する背景には自分なりの意見があって、親や教員にこういうことを伝えたいという主張があると思います。ただ感情的に反発するのではなく教員側もきちんと受け止めるので、自分でどうしたいのか?その主張をするうえでどうやったら周りに受け入れられるのか?については自分で考えてほしいです。
私も中学受験を経験しているので受験の大変さはわかるのですが、中学受験をしてよかったと今は思えるので、つらかった時期は自分の土壌となって活かされると感じます。今はとても大変だと思いますが、まずは自分のために頑張ってほしいです。中学では同じような境遇の生徒が集まりますので、本校ではいろんな楽しみを見つけられる仲間と出会えると思います。
攻玉社中学校 賞状・トロフィー
インタビュー3/3
1863(文久3)年、蘭学者の近藤真琴が創立。89(明治22)年、海軍予備科を設置。海軍軍人の養成など頂点を極めたエリート教育はつとに有名。1947(昭和22)年、学制改革により新制攻玉社中が発足。66年より中高一貫校となり、英才開発教育体制が整う。90(平成2)年に高校募集廃止。