シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

逗子開成中学校

2022年07月掲載

逗子開成中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.社会に出た際には「逗子開成出身」だと言える生徒を育てていきたい

インタビュー3/3

逗子開成の社会科として、生徒がどんなふうに育ち、どんな人になってほしいとお考えですか?

鈴木先生 社会科としてどういう子どもになってほしいかというよりも、社会科は学校方針の中の一教科という形で関わっていきながら、まず一歩社会に出た時に「あいつはどこ出身だ?」と言われて「逗子開成です」と、堂々と言える子ども達を育てていきたいと思います。

逗子開成の生徒が、「あの人物はすごいね」「どこ出身だ?」と言われることがあれば、我々とすれば社会で活躍できて、立派に我々の意図を汲んでいい人材に育ったなって思える瞬間だと感じますね。知識をいっぱい詰め込んで、いい大学に行くという事だけではなく、そういった自負をしっかりと込めて子ども達を社会に送り出したいですね。

その基礎として中1では世界地理をやります。日本地理は国際的な繋がりという意味であつかいます。中2は歴史を幕末までやるようにしています。それが高1の歴史総合に繋がるようにトータルで完成するよう、6カ年の強みを生かした教育カリキュラムを組んでいます。中3は今までは夏ぐらいまで歴史を引っ張ってきたのですが、しっかり公民をやろう、という事になりました。中学の勉強がしっかり土台としてあって、高校で様々な選択ができるように考えた結果です。

また、社会科でも理系の知識が必要となることもあります。英語でも社会科の話題が出る場合もありますし、医者になろうとしたって世界の話や国の状況の話題も出てくるでしょうから、それぞれの子ども達の将来に応じた形で対応しなければなりません。知識プラス主題学習を踏まえた発表、知識によらない形での勉強を進めていく形です。

逗子開成中学校 海洋教育センター

逗子開成中学校 海洋教育センター

小学校の授業をおろそかにすると勉強がうまくいかない

社会があまり得意ではない場合、受験勉強において勉強の仕方に迷ったりすることがあると思います。そんな時、どういうことをアドバイスしてあげたらよいでしょうか?

鈴木先生 受験生の親御さんが相談に来る際にお話しするのが、小学校の授業を疎かにする子は勉強がうまくいかないということです。大事なことは、今自分がどこまでできているのかということで、子ども達は自分が「できる」ということにすごく喜びを感じるんですね。95点とったら、あと5点、「残念だね」って言われるのと、95点とって「すごいね」って言われるのとでは、子どもの受け止め方は全然違います。だからプラスの評価をしてあげるっていうことが大事です。努力の過程を認めてあげることが必要だと思いますね。

塾が難しくて小学校の勉強が簡単だからやらないという子は結構います。全部100点取ってその上で言うのであればまだいいとしても、10点中9点で1問間違ってるならそれは完璧ではないわけです。基本的な問題が大事ですので、まずそこを潰していき、簡単な問題だけど積み上げていくことが重要だよ、と言い続けてあげることが苦手科目を克服する大切な要素だと思います。たとえ、サボってるように見えても、実は本人は頑張ってる、そこは評価してあげないといけないと思いますね。

学校を偏差値や大学合格実績で見ない

最後に、逗子開成を目指す受験生に対してメッセージをいただければと思います。

鈴木先生 本校にどんな子が来てほしいかというと、本校の理念を理解し、親御さんが行かせたいと思ってくれて、子どもが行きたいと思ってくれれば全員ウェルカムです。「逗子開成に行きいんだ」「受験したいんだ」と希望する受験生が努力して入ってきてくれたら、「じゃあ一緒に海に出て頑張ろう」となるわけです。

夏休みに見学会などやっていますから、見に来ていただけると説明もできますし先輩達にも会えますし、モチベーションも上がります。海を見ているだけで大体感動するんですよね。海を見せて「うわーいい場所ですね」となってくれて、ご家族で「逗子開成を受験しよう」「受かったら行こう」と思ってくれればいいなと思います。それで来てくれれば我々はウェルカムです。

逗子開成中学校 クラブ活動

逗子開成中学校 クラブ活動

インタビュー3/3

逗子開成中学校
逗子開成中学校1903(明治36)年創立の神奈川県下最古参の男子私立中学校。東京の開成中の分校「第二開成中」として設立されたが、ほどなく独立。中学募集は一時中断したが、86(昭和61)年再開。近年の目覚ましい学校改革の試みは、バランスのとれた学校像の確立を目指すものとして注目されている。2003年(平成15)年に創立100周年を迎えた。
建学の精神『開物成務』にのっとり、「真理を探究し、目標を定め、責務を果たす」ことのできる人材の育成が教育の目標。レベルの高い学問を修めさせると同時に、独自の海洋教育や映像教育、コンピュータ教育等を駆使し、国際社会で活躍すべく、単なる進学校にとどまらない21世紀の新しい教育の創造を目指している。
逗子海岸に臨む校地には、ヨット工作室や宿泊施設もある海洋教育センター、本格的映写機と音響システムを備えた徳間記念ホール、コンピュータ棟やセミナーハウス、研修センターなどの充実した各施設が並ぶ。自習室も完備している。教育環境を見事に整備し、高い塀を廃した開放的な発想から、世界にはばたく人材が育っていく。
逗子開成の授業には演習が多く取り入れられている。問題を解く力や表現する力を、すべての教科・科目で身につけ、バランスのとれた基礎学力を育成している。学年によって教科、レベルは異なるが、習熟度別授業を実施。補習だけでなく、通常授業の効果をさらに上げる「特習」もある。中3から選抜クラスが新設され、学年ごとに入れ替えがある。高2からは文系・理系にコース分けをする。土曜日には各種講座や行事を実施するが、教師、保護者、生徒の好奇心がぶつかり合う土曜講座は進学・世界・体験・達成・地域の5分野100講座以上とバラエティ豊か。
中1の時にヨットを製作するのは有名で、中3までの全員が逗子湾で帆走実習を行う。海洋教育と並び映像教育をも柱とする同校では、年5回映画鑑賞会が行われており、学校にいながらにして名作を鑑賞できる。中3では全員がニュージーランドに。高2の研究旅行はマレーシア・ベトナム・韓国・沖縄・オーストラリアのコース選択制で実施。中2~高2の希望者にはフィリピンセブ島の英語集中研修、1週間のエンパワーメントプログラムのアメリカ研修、3ヶ月間の短期交換留学、1年間の海外長期留学がある。また、中1・中2では、校内における異文化英語プログラムなどがあり、語学以外に様々な体験ができる。奉仕活動にも熱心。