シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

公文国際学園中等部

2022年04月掲載

公文国際学園中等部の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.進むべき道に見合った力をしっかり身に付けてから大学や社会に巣立ってほしい

インタビュー3/3

6年間の中では、どのような力を身に付け、どんな人になって大学や社会に進んでほしいですか?

岩熊先生 「自分の成績がこうだからこの大学を受けよう」という考え方ではなくて、自分で「自分がどうしたいのか」を考えられるようになってほしいです。

野崎先生 たとえば、文系・理系を高2で選択する時や、受験大学を決定する時までに、ただ自分で考えるだけではなく、きちんと進みたい方向に行けるだけの力をつけておく、それなりの経験をしておく、といったことは大切だと思います。

広報室長/野崎 大輔先生

広報室長/野崎 大輔先生

理科を好きになるには興味付けが大事

受験生の中には理科が苦手な子も多いと思うのですが、苦手ながらも理科を好きになるために身近な生活の中でできることがあれば教えてください。

岩熊先生 「好きこそ物の上手なり」とは言いますが、やはり興味津々の子とあまり興味がない子はいます。だからこそ、どう好きになるかが大切だと思います。ニュースや新聞に取り上げられた科学記事に興味を持ってみるといったことが重要となるのではないでしょうか。

もちろん受験のために地道に単元ごとの学習はしなければならないものの、それだけが理科だとは思わないで、「寒いのはラニーニャが関係している」「偏西風の影響がある」といったことで考えてみるのは良いかもしれません。

あとはできれば会話ができると良いでしょう。1人で分かったつもりになるのではなく、大人との会話の中で気が付くこともあったり、分からなくてもちょっとでも面白いと思えると良いですね。そもそも、知りたいと思わなければ好きになるのはなかなか難しいのかなという気がしています。

今は図鑑がかなり売れているらしいですが、やはり面白いんだと思うんですよね。子どもたちが興味を持つように工夫もされていますし、特に社会や理科においては興味付けが大事だと感じますね。

ただ本校でも懸念していることがあります。それは、中学生が授業や部活動に追われている中で、「こういうことが面白い」とか「今、世界でこんなことが起きている」といったことに意識が向かなくなることです。進学する時、単に教科の知識だけが前提にあるというのは違うのかなと思います。

小学6年生の夏ぐらいになってくると追われる状況になってくるので、それまでの段階でいろいろ工夫してやっていくことが大切ですね。

野崎先生 東大の推薦入試に合格した生徒は、教授の研究領域などを事前に調べ、どの教授が面接に来ても大丈夫なように準備していました。小学生の場合は、机上の学習だけではなく、さまざまなことを体験することも、準備になると思います。
そして、本校に入学したていただいたあかつきには、自ら考えて調べたり大人と対等に話せたりする力をぜひ身に付けていってもらいたいと思います。

公文国際学園中等部 図書館

公文国際学園中等部 図書館

インタビュー3/3

公文国際学園中等部
公文国際学園中等部「学校」「公文式」「寮」を3本柱に、「自ら学び、考え、判断し、行動する」人間を育成する公文国際学園中等部は、1993年に創立された。帰国生が多く、留学生も積極的に受け入れている。制服や校則は無く、生徒の自主性を重視する。
中高の6年間を2年ごとに分けた3ゾーン制を採用し、各ゾーンごとに独立した校舎と職員室が配置される。寮では、「自律・創造・感謝・健康・共生」という5つの言葉をもとに、安心安全に過ごせるよう、寮スタッフが生活面をサポートする。通学生でも、中1希望者は4カ月の寮体験ができる。
中3での「日本文化体験」では、生徒自らが設定した6コースに分かれて実施。日本文化・体験・生徒主体をキーワードに、グループワークなどを通して問題解決能力を育てる。高1では、自分で設定したテーマについて研究する「プロジェクトスタディーズ」がある。高2では、国内外の大学を訪問してディスカッションなどを通じて英語を学ぶ。オランダで行われる「模擬国連」には、毎年生徒代表が派遣されているが、校内での模擬国連も実施されている。
毎日の朝学習と放課後での公文式教室で、自学自習力を育てている。学習面だけではなく、広大な敷地や豊かな施設の中、クラブ活動も盛んである。ビーチバレーや、弓道などが、関東・全国大会で活躍する。