出題校にインタビュー!
公文国際学園中等部
2022年04月掲載
公文国際学園中等部の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.実験や観察を通じ「体験」させることに重きを置いた授業を展開
インタビュー2/3
普段の授業においても子どもを学びの中心に据えて行っているように感じましたがいかがでしょうか?
岩熊先生 中1、2の理科の授業では、物理・化学分野は理科1としてまとめて授業をしています。この授業では毎回実験を通じて、すごいレポートを要求するというよりも、やって体験し学ぶことを重視しています。生物・地学でも、実際に観察する、映像で確認することを大切にした授業になっています。中3からは高校内容の授業に入っていくので、特に中等部2年までは、経験を積むことを主体として授業を行っています。
また本校は帰国生のように、受験で理科を学習していない生徒も多くいます。だからこそ、体験を重視する必要性があると思っています。中学理科の知識がある生徒と、中学理科の知識がないまっさらな状態の生徒がいる現状では特に実験や観察をやることは大切です。
まっさらな子たちに伝えている先生方だからこそ、入試問題のような文章が書けるのかなと思いました。
岩熊先生 みんなが同じ土俵であれば伝え方は変わるかもしれませんね。教員の数がそれほど多くない中で情報交換がしやすく連携が取りやすいというのもあります。
公文国際学園中等部 日本文化体験論文集
「自由な服装」など、生徒が多様性に溢れている校風
他の学校よりも生徒の多様性がありますよね。
岩熊先生 生徒は各自で考えた自由な服装で学校に来ています。また、服装だけではなく、帰国生の場合は日本と異なる環境でさまざまな体験をしてきているので、そうしたことも念頭に置きながら生徒達には声を掛けるようにしています。バラエティに富んでいていろんな生徒がいるので面白いですよ。
野崎先生 教員も大変なところがありますが、生徒たちも大変なんですよね。小学校のバックグラウンドも全然違うから、生活環境だけでなく学習面での状況がそれぞれ違うので大変な生徒もいると思います。
公文国際学園中等部 図書館
今年からiPad導入でレポートもオンライン化
実験・観察のあとの簡単なレポートの提出はいつごろから始まるのですか?
岩熊先生 最初はプリントに記入する形からスタートしますが、中1から始まっています。現在の中1、中2は全員がiPadを持つようになったので、これまで紙で提出していたものが、今後はオンライン化されていく方向にあります。
理科のレポート以外にも、総合学習ではグループ課題研究と個人課題研究を行っています。中3では日本文化体験として、グループ毎に日本文化に関する探求テーマを設定し、実地調査を経た後に各自でレポートを書きます。それが発展した形で高1では個別にテーマ設定をして、半年掛けてレポートを書き上げる授業もあります。
野崎先生 このようなレポート作成は、中3から高1にかけて全員が取り組みます。 中3の日本文化体験では、グループでまとめたものを最終的に個人でレポートにまとめていく形式をとっていますが、高1ははじめから個別にレポートを作成するので、結論に辿り着くまでに苦労をする生徒もいます。例年、9月末にスタディウィークと称する時間を取って、そこでまとめられるようにしています。
探究をサポートする体制はどのように作っているのですか?
岩熊先生 基本的には学年の教員がサポートするのですが、受け入れが可能な場合、大学にコンタクトを取って自分でアタックして調べるという感じです。学校はいくつか紹介はするもののアタックは自分で行います。最近は、コンタクトをきちんと取れば、博物館や大学は受け入れてくれる傾向にあるようですよ。
公文国際学園中等部 化学実験室
インタビュー2/3