シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

江戸川学園取手中学校

2021年12月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

江戸川学園取手中学校の社会科が求めているチカラとは?

江戸川学園取手中学校/先生
1読み解くための基礎的な知識

昨今、思考・判断・表現などの力がクローズアップされていますが、ベースにあるのは知識や情報です。アウトプットするにしても、知識を蓄えていなければできません。何かを読み解くにしても、知識量で読み解きの精度が変わってくると思います。ですから、基礎的な知識は一通り押さえてきてほしいと思っています。そういう観点から、地理・歴史・公民、いずれの分野でも、リード文を読んで問いに答える問題を出すように意識しています。知識を活かせる状態になって、初めて「理解した」と言えると思うので、ただ覚えるだけでなく、使える状態まで理解を深めることを意識しましょう。

2教科書の出来事や事柄を自分事として考えるチカラ

社会の教科書や教材に載っている出来事や事柄を単に覚えるのではなく、今の自分の生活とどのようにかかわっているか、という視点で眺めて、考えるということをしてほしいと思っています。たとえば歴史では、文化史や政治史などは、今の社会との対比の中でこういうところは似ている、こういうところは違う、と言えるところがあると思います。地理や公民も同様に、常に自分と社会とのかかわりを意識して、とらえるようにしましょう。

3コミュニケーションとしての書くチカラ

入試問題は学校と受験生の皆さんとのコミュニケーションです。相手に寄り添う、相手の考えを引き出す、自分なりに解釈する。これがコミュニケーションの原点ですから、問題と向き合う時は、まず問いに寄り添い、何を求められているのかを把握することが大切です。最近は「表現力」というところで、自分からアウトプットすることが重要視されがちですが、それとともに、これからの世の中では「相手は何を考えているのか」「相手はどういうことを言いたいのか」ということを読み取った上で、お互いに対話を積み重ねていくことがますます重要になると思います。