出題校にインタビュー!
茗溪学園中学校
2021年09月掲載
茗溪学園中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.数学を「楽しい」と感じてくれる人間になってもらえるような授業を行いたい
インタビュー3/3
新しくアカデミアクラスが出来たということもありますが、今後生徒には数学科としてどんな人に育ってほしい、どんな力を持って社会に出てほしい、というのはありますか?
新妻先生 全員が数学をできる必要はないのですが、数学を学ぶことが生きがいに思えたり、数学が楽しくて仕方ないと思えたりするようになってほしいという願望はあります。茗渓学園で6年間数学を勉強したことが、何よりも誇りに思ってくれたらうれしいな、という思いで授業をやっています。また、根拠とかそういうところに想いをはせることが数学を通じてできたらいいなと思います。
そのために、授業では比較的「なぜ?」「見たことのない問題をどう考えていくか?」「何をすればよいか?」といったことを重視しています。
尾島先生 私は中2生のクラスを持っているのですが、自分のクラスでは実験的に授業を展開しようと考えています。
たとえば図形の勉強だとユークリッドの『原論』という本を用いて、どういう順番で証明をしているか?というような話をしたりするのですが、中には中2の子でもこの本を親に買ってもらってまで読みたい子もいるんですね。本を読むと「なぜ教科書の定理がこの順番で書かれているのか?」というような舞台裏が見えてくるので面白いです。
また今年から中学部ではchrome bookを持たせるようになったので、ICTツールといったものを問題解決の手段として使える子にはなってほしいと思います。
茗溪学園中学校 美術室
「なぜそうなるのか?」を常に考えていける思考体力を身に付ける
茗渓学園に入ってきたいと思うお子さんに対し、普段、親御さんとしてはどういう事象に触れさせてあげれば、今回のような問題にも果敢に取り組んでくれるようになるのでしょうか?
新妻先生 なぜそうなのか?というのを考えたり、何よりも先にそれを解決したりしようとする思考体力は大事かなと思います。
1つの問題をきちんと考え抜く力ですかね。当然ながら中学受験が全てではないとは思いますので、身の回りのことに関心を持つことです。野球やゲームなどをやっているときに気づくことだってあると思います。
それ以外にも、親御さんが答えを教えなくても、パソコンやスマホで調べたり子どもたち自身で考えたりすることも大切かもしれません。
尾島先生 どんな些細な問題も、学問の中で世界とつながっているんだ、というのを親御さんが気づかせてあげるといいかもしれませんね。
佐藤先生 「なんで?」と聞かれたときに「そういうもんだよ」とごまかすのではなくて、なぜという疑問を考えていくことが大切です。
たとえば二つ大きさの違う石が転がっていた時に、「火山によるものか」「川によるものか」というように考えてみるとかです。いろいろなことに興味・関心を持つことによって「どうしてこうなるのだろうか?」「それはどういうことなのか?」というのが物事の根幹にあって、すべては繋がっている、ということが分かるようにお子さんを導いてあげることは必要に感じます。
茗溪学園中学校 書道室
インタビュー3/3