シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

頌栄女子学院中学校

2021年08月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

頌栄女子学院中学校の理科が求めているチカラとは?

頌栄女子学院中学校/先生
1出題の意図を読み取るチカラ

電車を省エネで運転するのに、路線に「すり鉢状の勾配」を付ける方法があります。このことを知っている・知らないの問題にならないように、この問題の前に、(Ⅰ)の振り子の運動の問題と、(Ⅱ)の斜面上の物体の運動の問題を解いて、わかったことを地下鉄の省エネと結びつけて考えます。問題の流れに乗って出題の意図を読み取ることができれば、どうすれば電力を節約できるか発想できるだろうと思います。

2考えを図にして説明するチカラ

文章記述問題の場合、ともすると表現できるかどうかに採点のウエイトが置かれてしまいます。小学6年生の段階では表現力よりも問題の意図を読み取る力を重視したい。この問題のように作図をメインにすることで、表現は稚拙でも、問題の本質がわかっているかどうかを見極めることができます。

3実社会との関わりに気づくチカラ

学んでいることが実社会とどう関係しているか、わからない子どもは多いのではないでしょうか。この問題は、学習したことが私たちの生活と関わっていることに気づいてもらいたいというメッセージでもあります。実際に世の中で役立っている場面を知れば、理科の学習がおもしろくなると思います。