シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

麗澤中学校

2021年07月掲載

麗澤中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.コロナをきっかけにICT活用に向け一歩前進した授業スタイル

インタビュー3/3

コロナ前とコロナ後で教育面において変化したことは何かありますか?

室谷先生 もちろん変わったこともありますが、持って行き方次第では以前よりもよくできているのではないかと思います。
コロナ禍では自宅学習が増えるので、自分から考える生徒でなければ、勉強から逃げることになってしまうと思うんです。もし学校が休校になったとしても、問いかけについて自分で解決しよう、としてくれる生徒は強いですよね。

去年は3~5月まで3か月間休校になってしまったため、オンラインで面談や問題配信などを行ってきましたが、配信した内容以上のことをやろうとしたのか、配信されていることだけを精一杯やろうとしたのか、という生徒の差はすごく感じました。家にいるからこそ「できることをきっちりやっていこう」、「もっともっと探してみよう」とした生徒は強かったです。そういう生徒を今のうちから育てていければ、休校になっても自分でやってくれるのではないかなと思います。

コロナ禍では、授業を動画に撮るようになりました。この分野は後々困るだろうと思った部分においては、録画しておいて配信をすれば復習にもなります。最初は非常に恥ずかしかったですが、徐々に怖がらず撮れるようになりましたので、ICTの活用という点では垣根はかなり低くなったような気がします。やるなら対面がやっぱりいいですけどね。

現在塾では、対面授業・動画授業・Zoom授業という3点セットでやっていて、テストが郵送対応となっている子もいます。動画だと授業に置いて行かれないですし、復習できたり、早めたり遅めたりできる点はいいですよね。

麗澤中学校 授業風景

麗澤中学校 授業風景

算数を好きになるには「数字と遊ぶこと」

よく理科や社会の先生からは、子どもの興味・関心を持たせるために「自然に触れなさい」「ニュースを見なさい」といったアドバイスを頂くことが多いのですが、算数を好きになるためには普段の生活の中でどんなことをするのがよいでしょうか?

室谷先生 1番は数字で遊ぶことだと思います。図形は点を取らなきゃと思うと結構嫌われてしまうんですね。
幼いころにどんなものに触れて、どんな見方をして、どんな遊び方をして、というのが大切だと思います。

たとえば
「スイカを切るとどんな形になっているか」
「どんなふうに紙を丸くしたらいいのか」
「トランプで出たカードを足していって364になるのはどっちが早いか」
など大人が子どもと一緒に楽しむことがポイントだと思います。

遊ぶ際には本気で勝負することが大切で、もちろん大人が勝つことが多いんですが、大人が本気を出すことで子ども自身が本気になったり、どうやれば勝てるのか?といったことを考えたりするようになるはずです。

あとは買い物に行ったときに、レジ打ちの際に出てくる値段を暗算してみる、消費税をどっちが早く計算できるか親子でチャレンジしてみるなど、ちょっとした勝負や遊びに計算が入ってくると楽しいのかな、という気がします。

麗澤中学校 掲示物

麗澤中学校 掲示物

インタビュー3/3

麗澤中学校
麗澤中学校1935(昭和10)年、法学博士の廣池千九郎により、現在の麗澤大学の前身・道徳科学専攻塾が開校。2002(平成14)年に麗澤中学校が新設され、同じキャンパスに大学・高校・中学校・幼稚園がそろう総合学園となった。
創立者が学問的に体系づけたモラロジーに基づく「知徳一体」を教育理念とし、「感謝の心」「思いやりの心」「自立の心」を育てることを教育方針に掲げる。
麗澤教育のシャワーを浴びて巣立った卒業生たちは、様々な領域で活躍の場を広げている。6年間を「自分自身をみつめ、発見する」「興味・関心を深め、進路につなげる」「進路を選択し、道を拓き夢を実現する」の3段階に分け、それぞれリサーチ、実践体験、情報処理、再構築、そして成果をプレゼンテーションする作業を基礎から学ぶ。
とりわけ、2003年から始まった「言語技術教育」は、全ての学問領域で必要となる「聴く・話す・読む・書く」を総合的に鍛える麗澤ならではの教育。中高一貫カリキュラムの1年から4年次を通して、グローバル社会で通用するものの考え方、そして、自らの考えを主張できる発信力を研鑽していく。
「よりよく学ぶためには自然の中で心を癒すことが必要」という創立者の信念に基づき、47万平方メートルの広大な校地は緑豊かで自然がいっぱい。グラウンド3つ、体育館2つ、テニスコート6面、ラグビー場(人工芝)、武道館、寮(高校のみ)、メディアセンターや9Hのゴルフコースなど施設は申し分なし。