シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

西武学園文理中学校

2021年06月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

西武学園文理中学校の理科が求めているチカラとは?

西武学園文理中学校/先生
1未知の生物を知ろうとするチカラ

おそらくザゼンソウを知っている受験生はいないでしょう。植物が発熱するとは一体どういうことかと思ったでしょう。
世界には知られていないことがたくさんあります。未知のものに出会ったとき、「知らない」で片付けずに、「知りたい!」と思って自分から近づけるかどうか。この問題では提示した情報をきちんと読もうとする姿勢を見ました。好奇心は学びの原動力になります。ザゼンソウという未知の生物にドキドキ、ワクワクしてもらいたいですね。

2植物の一生を映像化するチカラ

この問題が正解できた受験生は、ザゼンソウが開花する情景が映像化できたのではないかと思います。周りは雪が残っている、ザゼンソウが雪で覆われている、発熱する、雪が溶ける……ということを、頭の中で思い描くことができるかどうか。そうしてイメージできれば、それを文章にすることも容易になるでしょう。

3根拠に基づき筋道を立てて説明するチカラ

入試問題では論点がずれないように、何に着目すればいいか示すようにしています。この問題では「生育場所・開花時期・開花の特徴」を根拠に、筋道を立てて説明します。
答案を見ると、発熱によって「雪をとかす」ことはほとんどが書けていましたが、においを発して「昆虫を呼び寄せる」ところまで書けた受験生は少なかったですね。雪がとけたらどうなるかを考えられたかどうかが得点の分かれ目になりました。