シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

芝浦工業大学附属中学校

2021年04月掲載

芝浦工業大学附属中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.「聞いて解く」リスニング問題を新たに出題

インタビュー2/3

問題文も問いも選択肢も、すべて聞いて答える

2021年度入試から「聞いて解く問題」を導入されましたね。

斎藤先生 簡単な内容であっても、聞いて考えるのは読んで考えるのとは違う難しさがあります。学力を伸ばすには書く力はもちろんですが、メモを取る、頭の中で整理するなど「聞く力」も大切だと思っています。聞いて解く問題では問題文を正しく聞き取れているかどうかを確認します。
「聞いて解く問題」は大問1です。放送は1回のみ、放送の指示に従って問いに答えます。今年度は選択問題を2題出しました。選択肢も放送し、選ぶ時間は10秒程度です。問題文の放送が流れて2つの問いに答え終わるまで、6分程度です(国語の入試時間は60分)。
放送は、本校の教員が読み上げて録音したものを流しました。高校入試の英語のリスニングを自前で行っている経験が生かされました。男性と女性の声ではどちらが聞きやすいか、高いノイズのカットなど、ちょっとしたコツは生徒に教えてもらいました。

出来具合はいかがでしたか。

斎藤先生 採点した感触は結構よかったと思います。対策としては、小4ぐらいの国語の短めの文章と選択肢を読み上げてください。すると、簡単な問題でも答えにつまるかもしれません。親子で取り組んでいただければと思います。

今井先生 試験中、受験生はかなりメモを取っていました。そうした練習をしてきたのでしょうね。

斎藤先生 今年度は第1回・第2回入試の国語と算数での実施でしたが、来年度は理科や第3回入試のすべてで行う予定です。

国語科・広報室室長/斎藤 貢市先生

国語科・広報室室長/斎藤 貢市先生

言葉の意味の理解度は短文作成問題でわかる

国語の入試問題を通して、受験生のどのような力を見たいとお考えですか。

今井先生 文章や言葉を正確に読み取ってもらいたい思いが強く、「言葉の力」があるかどうかを意識して作問しています。全体としては言葉に込められた意味や心情を読み取る力を試したいと思っています。

受験生の答案を見て何か気づかれることはありますか。

今井先生 選択問題は何となく答えても正解することがありますが、読み取りに加えて言葉の使い方まで聞くと結構差がつきます。
語彙の問題で慣用句を使って短い文を作ってもらうと、言葉の正確な意味を理解して正しい文脈で使えているかどうかがわかります。知っているだけでは、それらしく見えても使い方がどこか不自然です。言葉は意味を知っているだけでなく使い方まで身につけてほしいですね。

芝浦工業大学附属中学校 美術室

芝浦工業大学附属中学校 美術室

好きな歌の注目の言葉について、熱く語る

貴校の入試問題を見ると、中学でどんなことを学ぶのか目に浮かびます。

今井先生 中学に入ってからも韻文は継続して取り組むようにしています。修学旅行先で俳句を作るなどして、韻文を通して想像の世界を広げます。
ある授業では、教科書から離れて好きな歌の注目する言葉を選び、その理由や自分なりの解釈、思ったこと、感じたことを発表してもらいました。国語が苦手な生徒も喜んで取り組んでくれましたし、みんな自分の思いを熱く語ってくれました。言葉の力を実感してくれたと思います。
高校生になると、「この表現はちょっと違うのではないか」といった鋭い突っ込みが入るようになります。納得いかないと授業の後で質問しに来ます。自分なりに言葉をしっかり理解しようという姿勢を感じます。正確な読解とともに解釈の幅広さも大切にしたいと思っています。

芝浦工業大学附属中学校 カフェテリア

芝浦工業大学附属中学校 カフェテリア

インタビュー2/3

芝浦工業大学附属中学校
芝浦工業大学附属中学校1922年4月、旧国鉄で働く若者達に中等教育の機会を提供したいという思いから、前身である東京鐵道中学が開校。第二次大戦中には東京育英中学へと名前を変え、戦後の学制改革で東京育英高等学校に再編。その後、1953年に経営が芝浦学園へ移され、現在の芝浦工業大学高等学校へと移行した。1982年には、板橋区坂下に移転。そして、2017年4月1日、豊洲校舎へ移転。高校は共学となった。2021年度からは中学も共学となっている。
中高大一貫教育によって理工系人材を育成することを目標に、科学技術に対する興味関心、理系の基礎学力・思考力、そして国際性や粘り強さなどの資質を育てている。「ほんとうにそれは正しいのか?」「別の考え方や方法はないのか」と常に自問する態度を重視し、そこから検証を加えて自分なりの価値判断を行い、最後に他者を納得させ、共感させ、感動させる表現力を手にする。大学や実社会で活躍する為に求められる批判的精神を大切にしているのだ
豊洲校舎は、芝浦工業大学のメインキャンパスの近くであり、他に例を見ない規模の連携教育が行われる。また、近隣にある企業・研究施設・体験施設・展示会場などが豊富に存在し、これから求められる学びに最適の状況だ。世界で活躍する技術者・研究者の卵の育成という本校の教育目標を実践するための校舎と、それを支える周りの環境に恵まれている。
理系ではなく理工系教育を重視し、「ショートテクノロジーアワー」では、各教科と科学技術との関わりを学び、中3「サイエンス・テクノロジーアワー」でサイエンスの面白さ、深さを学ぶ。中1の「工学わくわく講座」から高3「大学先取り授業」など、併設大学との連携講座が充実している。また、2021年度より新カリキュラムが始まり、テクノロジー系とグローバル系2つの探究がスタートした。「理工系の知識で社会課題を解決する」人材育成を目指している。最新のICT設備や大型機械も使えるファクトリー、さらには、「しばうら鉄道工学ギャラリー」など、芝浦工業大学附属中学高等学校ならではの設備・施設も魅力的だ。